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−−− 精神棒 −−− |
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「またあなたですか、ミスター拓也」 良かれとやっているのにいつも裏目に出てしまう彼の名は拓也。 取りたてて行動派と言うわけではないが、放っておけばいい時に限って手を出してしまう辺りは要領が悪いとも言えるだろう。 「はいはい。お尻出すんですよね」 また今回もかとため息をつき、拓也は黒板に向かった。 カチャカチャとベルトを外してスボンとパンツを一気に下ろすと、もう慣れたとばかりに勢いよく黒板に手をついた。 言われる前に実行する事は悪い事ではないが、よりによって鞭打ちされる準備を率先してやろうとは…。 ため息をつきつつ精神棒と命名されたお仕置き用の棒を手に取った白川女史は拓也のそばへ歩み寄った。 と、尻を突き出した拓也のそばに立った白川女史は、おどおどしながらそのそばに立つ由美の存在に気づいた。 「今回はあなたも同罪ですよ、ミス由美。あなたも尻をお出しなさい」 「え…」 ビクッと身を震わせて一歩あとずさる。 拓也の状態を見て、自分に視線を集中させているクラス全体を見回した。 「で、でも…」 今スカートをめくってパンツを下ろして拓也と同じ格好をすればクラス全員に自分のお尻が見られてしまうではないか。 「どうしました、ミス由美。ふん、恥ずかしいと言うわけですか。私は男女の差別をするつもりはありません。さあ、すぐに準備しないと倍たたきますよ」 白川女史の怖さは誰もが知っている。教育委員会に殴りこんで体罰を容認させた事では日本中で有名になったくらいだ。 そんな白川女史に逆らうなど出来ないと覚悟を決めた由美はおずおずと黒板に向かった。 わずかにかがんでスカートに手を入れる。 腰の辺りで少しごそごそと動かしたかと思うとその手がゆっくりと下ろされた。 いよいよスカートのすそに手がかけられる。 「えー、ウソー」 「ダメだよー」 「止めたほうがいいよー」 そんな声がクラスの女子連中から聞こえてくる。 しかし白川女史の目は本気で、止めさせるような雰囲気はない。 男子の生唾を飲む音が聞こえてくるのではないかという状況の中、一番興奮しているのはすぐ隣でその様子を見ている拓也だった。 クラス全員には由美の背中しか見えていないはずだが、拓也からは真っ赤にして羞恥に耐えている由美の表情がうかがえるのだ。 もう少しスカートがめくられたらお尻が見えるのでクラスの連中のほうが絶景を拝めることになるが、現段階では自分だけがすごいものを見られていると拓也は確信していた。 羞恥に耐えながらも自分でパンツを下ろしスカートをめくる少女。 胸も膨らみ、身体のラインが滑らかになりつつある第二成長期が始まったばかりの少女の羞恥する表情など滅多に見られるものではない。 唇を噛み、ギュッと目を閉じているせいで眉間にシワが寄り、耳まで真っ赤になっていることもあいまって、相当恥ずかしいのだろうと容易に想像できる。 拓也は自分が丸出しの尻を突き出しているのも忘れて由美の横顔を見つづけた。 と、後ろのざわめきが突如大きくなり、それに気付いた由美の身体がビクリと震える。 視線を由美の顔から腰のほうへと動かすと拓也の視界に柔らかそうに丸みを帯びた由美のお尻のラインが映った。 真後ろから見てみたい、そう言う衝動にかられるが、黒板に付いている手を離したら白川女史の怒りがどうなるか分かったものではない。 なんとか自制して拓也はその丸みを帯びた肌に注目した。 白い。運動部に所属している由美の太ももがほのかに日焼けしているせいもあるのだろうが、雪のように透明感のある白さは、まぶしいのではないかと勘違いしてしまうほどだ。 滑らか。日本人の肌はきめが細かいと言われるが、きめの細やかさは当然の事、赤ん坊のような滑らかさが由美のお尻にはある。 拓也が見たときにはお尻の上半分はまだスカートに隠れていたが、間もなくして全てがクラス全員にさらされた。 視線を由美の横顔に戻したとき、拓也はその頬が濡れている事に気づいた。 羞恥の限界を超えてしまったのだろう。 普通なら気の毒に思ってしまうところだが、拓也は床に落ちた涙の粒を見てさらに興奮してしまった。 涙を流しながら由美は片手でスカートを押さえ、片手を黒板に付けた。 「ミス由美。スタンスを取り、手は両手とも黒板につけなさい」 そう、白川女史は足を肩幅に開き、両手を黒板につけて、どんなに力強く叩かれても耐えられるような姿勢でいることと常日頃告示している。 由美は言われた通りに両手でつこうとしたが、スカートが落ちてしまうのでどうしても片手しかつけられなかったのだ。 「スカートが気になるのなら、落ちない程度まで身体を折りなさい」 ざわめきが大きくなる。 足を肩幅まで広げて腰を折ればどういうことになるか、誰でも容易に想像がつく。 しかし泣きながらも拒否できない由美は足を広げ、ゆっくりと上半身を倒し始めた。 肩幅でいいものを、冷静な判断が出来なくなっているせいか、足は肩幅の倍ほども広げられている。 そんな状態から上半身を倒し始めて間もなく、前のほうに座る男子から、 「おおっ」 と声が漏れた。 後ろのほうに座る男子たちは立ちあがって何とか見ようとしている。 おじぎ程度でスカートは落ちないだろうと判断した由美は、そろそろとスカートから手を離して黒板に両手をつけた。 「歯を食いしばりなさい、ミス由美」 白川女史の言葉に、由美は目を閉じて覚悟を決めた。 バシッ! 「ヒッ」 精神棒は見事に由美のお尻のど真ん中を捉えた。 精神棒が離されると、由美の真っ白なお尻に横一文字の赤い筋が残る。 「いーち」 感情を込めて1発目を数えると白川女史は精神棒を振りかぶった。 バシイッ! 「グウ…ッ」 手馴れているだけに、精神棒は全く同じ所にヒットする。 鞭打ちは痛い範囲を広げるよりも一点集中で同じ所を何度も叩いたほうが遥かに痛いのだ。 精神棒が離れるとさらに赤みが増していることが誰の目にも判別できた。 「にーい」 精神棒での仕置きはは5発ワンセットになっている。 あと3発。果たして由美に耐えられるのか? バシイッ! 「クウッ」 3発目もまた見事に寸分の狂いすらない。 あまりの痛みに由美は思わず腰を逃がそうとしてしまった。 そのとき上半身がわずかに起き上がってしまい、何とか腰にとどまっていたスカートが落ちてしまった。 「あ…」 思わず白川女史を見やり、由美は慌ててスカートをめくり直し、落ちないように腰に引っ掛けた。 これ以上やったらミミズ腫れになって一生残るのではないかと危惧してしまうほど赤くなっている。 「さーん」 しかし白川女史に止める様子はない。 ゆっくり振りかぶったかと思うと…、 バシイイッ! 「ヒグウッ」 由美の足がガクガクと震えている。あまりの痛みに立っているのもやっとなのだろう。しかしあと1発で終わると考えて由美は必死に耐えているのだ。 「しーい」 今までどおりだとすれば最後の1発はより強力にするはず。 だがいくら白川女史でもか弱い女の子相手にこれ以上はないだろうと誰もが思った。しかし。 バシイインッ!! 今まで以上の音が、やはり寸分狂いもなく由美のお尻を直撃した。 「ッ…!!」 由美は声も出せず、精神棒が離されても身動き取れずに震えつづけた。 「ハッ、ハッ、ハッ…」 荒い息だけが教室中に響く。 「ミス由美。服を戻して席に戻ってよろしい」 由美は反応しない。 「ミス由美…?仕方ないわね。ミス洋子。タオルを濡らしてきて」 保健委員の洋子は元気に返事をして廊下に飛び出していった。 そして洋子が戻ってくるまでの間に拓也のバツが済まされる。 拓也の尻の皮が特別厚いなどと言う事はないが、慣れと言うものは恐ろしいもので、同様のバツを受けたのにもかかわらず軽くさすりながらも拓也は平気な顔をしている。 席に戻るときにそうっと振り向くと、丸見えの由美のお尻には真っ赤な横線が走っていた。 このままではかわいそうなのでスカートだけでも下ろしてやりたくなるが、ここまで腫れ上がっていると布が変にこすれるだけで痛くなると知っているのでそれもできない。 多分かがむなんて大げさな事をしなくても多少頭を下げるだけで由美の大事なところが見える気がするが、さすがにそれは出来そうもない。 その代わり、前から3番目に自席を持つ拓也は席についた途端、労せずして由美の大事なところを見ることが出来た。 拓也はさっきまで見られなかった分、由美の股間に存在する幼裂を凝視して事の成り行きを見守った。 由美は恐らく痛みで身体を動かす事が出来ないのだろう。 そのままの状態…クラス全員に由美のお尻がさらされ続けている状態がしばらく過ぎ、やっと洋子が手に濡れタオルを持って戻ってきた。 「ご苦労様、ミス洋子。それをミス由美のお尻に当ててあげて。そうっとね」 洋子は勝手知ったるとばかりに由美に近づいた。 「ひいいぃぃっ!!」 洋子が前に立つ事で男子たちの視界から隠された由美のお尻に濡れタオルがあてがわれた。 真っ赤に腫れ上がるお尻に冷たい濡れタオルはかなりしみたようだ。 それでもしばらくそのままでいると、やっと由美も動けるようになった。 あてがわれていたタオルを自分で持ち、由美はゆっくりと身を起こす。 由美が泣いていた事に気づいていた洋子は、濡らしておいた自分のハンカチで由美の顔をふいてやり、スカートで上手くお尻が隠れるように引っ張ってから由美を席まで連れていってやった。 「しばらく当ててたほうがいいから」 そう言って洋子は由美のスカートを広げながら席に着かせた。 そして授業が始まる。 ありきたりの授業が終わり、白川女史が教室を出て行くとと女子たちは一斉に由美の周りに集まった。 「大丈夫?」 「まだ痛い?」 「タオル交換する?」 由美を心配する声が集中する。 男子たちはと言うと、ひそひそと由美のお尻について話していた。 「すっげぇよな」 「おまえなんか目の前じゃん。やっぱり見えたのか?」 「あったりまえだろ。まる見えだよ。ま、今夜のオカズは決まりだな」 「チクショー、前の席だったら良かったぜ」 「そういや拓也、前からは見えたのか?」 「前まではスカートをめくってなかっただろ。でも表情は見れたぜ」 それぞれ話に花が咲くが、これはホンの始まりでしかなかった。 なんと女子連中が立て続けにバツの対象となっていったのだ。 おとといは2人、昨日は3人、今日は5人。白川女史もあきれてしまってはいたが、決まりは決まりと言いながら全員にバツを与えていった。 何か意図でもあるのかと思えるほど連日のように、柔らかく愛らしいお尻の肉に赤い筋が刻み込まれる様がクラス中に見せ付けられつづけた。 そんなある日…。 「時に白川先生。昨日調べておくとおっしゃっていた件はどうなりました?」 昨日、授業中に白川女史にも即答できない疑問が沸きあがり、白川女史自らが調べてくると言っていたのだ。 しかし昨日の放課後白川女史は急を要する事態に陥り、それどころではなかったのだった。 「あ、ごめんなさい。ちょっとそれどころじゃなくて」 その瞬間、クラス中の目がギラリと変わった。 恐らく誰もが待ち構えていた瞬間だったのだ。 「…先生。理由はどうであれ、お忘れになられたことに間違いはないんですね…?」 銀縁のメガネを指先で軽く持ち上げてキラリと輝かせると、学級委員長で生徒会長でもある小林はそうつぶやいた。 その雰囲気と、その言葉に白川女史ははっとした。 「ちょ、ちょっとお待ちなさい。まさかあなた方、私に精神棒を使うなんて言うつもりじゃ…」 言いながら精神棒が置いてあるはずの窓際を見て、つばを飲みこむ。 窓際最前列に座っていたはずの緑川なる生徒がいつの間にかに立って精神棒を手にしていたのだ。 「忘れたら精神棒、そうおっしゃられていたのは先生、あなたですよ。クラス全員もその言葉の通りに同様のバツを受けてきました」 一歩間違えれば精神異常者とも取れるような不敵な笑みを浮かべて一歩二歩と踏み出す様は白川女史を一歩二歩とあとずらせた。 「まあ待て、緑川」 小林が緑川を諭す。 てっきり止めさせるのかと白川女史が安堵しかけたが…。 「精神棒はただ振りまわせば良いというものではないだろう。このクラスにはお前より適任者がいるじゃないか」 待っていましたとばかりに生徒の一人が立ちあがり、全員が彼に注目した。 「ここは俺の出番だろ」 その場で仁王立ちする生徒の名は佐々木。野球部のホープだ。 彼ならば普段から使い慣れているバットを振るように精神棒を振りまわして白川女史の“マシン”を確実に捉えることができるに違いない。 緑川は納得して精神棒を佐々木に手渡した。 「さ、白川先生。準備してください。当然分かられていますよね?」 「くっ」 怒りにわなわなと震える手でこぶしを作ることでそれを押さえて白川女史はクラス全体を見渡した。 「そう、これが目当てだったの。あなたたち、後で覚えてなさい…!!」 その言葉に、小林は鼻で笑い返した。 「自分のミスを棚に上げて生徒に怨恨を残すとは白川先生らしくもない。そういう斜めを向いた考え方こそ精神棒で正すべきですね」 白川女史が時折使う言葉そのままだった。それを敢えて使う辺りはさすが秀才というべきか。 言われたほうの白川女史は、一気に頭に血が上り次なる行動に出た。 「分かったわよ。大人しく精神棒を受ければいいんでしょう!」 顔を真っ赤にした白川女史はタイトスカートの脇に手を回してファスナーを下ろしホックを外した。 白川女史の性格をそのまま表しているかのようなきつめのスカートがその足元に落ちる。 クラス中が注目する中、ブラウン系のストッキングの中に白と思われるシルクの下着が見えるようになった。 頭に血が上りつつも、わずかに躊躇した白川女史だったが、ここで弱みを見せてはならないと思ってしまったことが失敗だったのだろう。勢い余ってストッキングと一緒にパンティにまで手をかけてしまった。 ええい、ままよ!そんな言葉を口の中で叫びつつ、白川女史はストッキングとパンティを一気に膝までお下ろした。 結果、大人の証でもある濃い陰毛がクラス全員にさらけ出される。 パンティを膝で細長く伸ばした状態のまま後ろを向き白川女史は黒板に手をつけた。 途端にクラス中の男子全員が立ちあがり、そろって白川女史のお尻に視線を集中させた。 三十路に片足突っ込んだ年齢とは思えないほどつんとしたお尻をさらにつんと突き出し、その中央にはこれぞ大人と言わんばかりにグロテスクな女体の神秘が覗いている。 「さて、それじゃ始めましょうか」 精神棒を持った佐々木がお尻を突き出す白川女史の傍らに立つ。 白川女史は目をぎゅっと瞑って堪える覚悟を決めていた。 バットの素振りのように大きくバックスイングをすると、佐々木は軽く片足を上げた。 そしてその片足を戻すときに発生する体重移動を利用して力強く精神棒を、振るっ。 バシイインッ!! 「ぐうっ!!」 瞬発的に白川女史の上半身が起きあがりかける。 あまりの衝撃に反射神経が働いたのか、精神棒によって前に押し出されたのか。 精神棒が見事にヒットしたお尻から離されると、そこには真っ赤な横一線がくっきりと現れた。 「いーちぃ」 一瞬気が遠のきかけた白川女史をクラス全員によるカウントが現実に引き戻した。 そう、精神棒は5発ワンセット。あと4発あるのだ。 白川女史は潔く、上半身を元のように倒して体勢を整えた。 再び佐々木のバックスイング。 バシイインッ!! 「くっ」 2発目。さすが野球部のホープだけに、精神棒は先ほどと寸分たがわず赤い線に重ねられた。 白川女史のヒザががくがくと震える。 全く同じ所を叩くほうが痛いというのは生徒達が身を持って実感していた。佐々木はそれを実行しているだけだ。 「にーいぃ」 強すぎる、涙目の白川女史はそう訴えようとしたが、開きかけた口をつぐんでしまった。 過去に、もっと弱くしてくれと言った生徒に5発を加算したことがあったことを思い出したのだ。 生徒たちが今までのお返しのつもりで現状を作り出しているのなら、下手な言動は墓穴を掘る結果になり兼ねない。 バシイインッ!! 「くあっ」 とにかく最低限の5発は素直に受けるにしても、それ以上を受けるつもりは毛頭ない。 それには、とにかく今を絶えるしかないのだ。 しかし果たして絶えられるのだろうか? もうお尻の感覚はなくなっているのだ。なのに激痛だけがはっきりと脳に伝わってくる。 ヒザと言うのは直立していれば簡単には曲がらないようになっているものだが、意識的に力を入れないと今にも折れて、ヒザをついてしまいそうだ。 黒板についている手もガタガタと震えて落ち着いてくれない。 真っ青になっている頬に涙が流れていく。 少しでも気弱になったら間違いなく崩れ落ちていることだろう。それを防いでいるのは教師としてのプライドだけだ。 「さーん」 体が勝手に震える。 膝に力が入らない。 だが、ここで膝をつこうものなら、5発が追加されてしまう。 バシイインッ!! 「ぐっ」 まだ間があるからこれから膝に力を入れようとしていた、その矢先の4発目はかなりの衝撃だった。 片膝がかくっと折れ、もう少しでヒザを床につけそうになった。 黒板の縁を握っていなかったら今ごろは間違いなくヒザをつけていたことだろう。 と、どこからか「おしい」という声が発せられる。 やはりこれは自分を陥れるための策略なのだと白川女史は確信した。 その確信によって、これ以上はめられてたまるものかと白川女史は全身の力を奮い起こした。 震えが止まらない四肢を突っ張らせて体勢を整える。 「しーいぃ」 きつかった4発目は堪えきれた。あと1発ですむはず。それに、今まで全力で振っていたから、最後の1発を特別強力にするなんてことはできまい、白川女史はそう考えた。 が、しかし。その考えを覆す発言が佐々木の口から発せられた。 「最後の1発は締めということで今までよりも強力にやるんでしたよね」 「…え?ま、まさかまだ強く打てるとでも…!?」 「当たり前じゃないですか。俺が本気出したらこんな棒切れ、折れちゃいますよ」 佐々木は満面の笑みで答えた。 白川女史は絶句しつつもあと1発で終わるのだと覚悟を決めて体勢を整え直した。 「行きますよ」 目を瞑り、歯を食いしばる。直後、 バキイッ!! 「ぎゃっ…っつう…っ」 有言実行とはこのことか。今までもホームランを叩き出しそうな振りだったのに、最後の1発はまさに空を切り裂き、白川女史のお尻にくっきりと浮かび上がるラインをまたも正確に打ち抜いた。 その勢いに負けた精神棒はものの見事に折れてしまった。 「あーあ、やっぱり折れた。これでもう精神棒は使えませんね、先生」 わざと折れるような勢いでやったというのに、偶然そうなってしまったかのように言い放ち、佐々木は席に戻っていく。 「さ、先生。バツは終わりました。授業を再開してください」 小林が発言するが、白川女史は動こうとしない。 お尻を丸出しで震える様は、女子ではじめて精神棒の餌食となった由美を彷彿させる。 「仕方ないですね。保健委員、大至急、保健室からアイスノンをもらってきてください」 「ア、アイスノン?本気?」 アイスノンという言葉に驚き、オウム返しに聞き返すが小林の鋭い眼光に気おされて、保健委員の洋子は廊下を走っていった。 「う、くぅう…」 白川女史はこんな格好のままではいられないと、何とか身を起こそうとするのだが、わずかな動きでもミミズ腫れになっているお尻の傷跡に響いてしまい、結局何もできないのだ。 それどころか、動こうとしても動けない、わずかな挙動がクラスの男子たちの興奮の材料となってしまっている。 「アイスノン、持ってきたわ!」 そこに洋子が戻ってきた。しかしそのアイスノンをそのまま使うわけにも行くまいと、小林を見て何もできずにいる。 「どうしたんです?先生のお尻を冷やしてあげてください」 「あんなに腫れているところに、こんなに冷たいものを直接付けろって言うの?」 「より冷たいほうが、腫れも早く引くでしょう。こんな下らない事で授業が滞るようでは困りますからね」 そう言われても激痛が走るだけではないのかと思って洋子は手が出せない。 そのとき、躊躇している洋子の手元からアイスノンが奪われた。 奪ったのは拓也だ。 拓也は何ら躊躇することなく白川女史に近づき、軽く勢いをつけてアイスノンを真っ赤に腫れる白川女史のお尻に叩きつけた。 お尻がプルンと揺れ、一瞬遅れて…、 「グギャアーッ!」 今までわずかでも動かすことのできなかった白川女史の身体がぴんと伸びきり、絶叫を発した。 痛いと言う事実は火を見るより明らかだ。なのに卓也は白川女史のお尻に押し付けているアイスノンをぐりぐりと更に強く密着させている。 「や、やめ、やめなさい……」 身体はいまだにぴんと張り詰めた格好のままだが、どうにかしゃべれるほどに思考が回復したようで、白川女史はそれだけをどうにか口から発した。 それを聞いた拓也は、かすかに小バカにしたような笑みを浮かべてからアイスノンをやけに素直に離した。 たとえ痛くともしっかりと冷やしたのはそれなりに効果があったようで腫れだけは引いたようだ。 しかし、色は…。アイスノンをつける前は真っ赤だったはずだが、今はどす黒い赤と言えば良いのか、明らかに内出血している色がはっきりと出ている。 佐々木が正確に捉えた5発のバツは、年相応にたれ始めつつもまだつんとした感があり、白く美しかった白川女史のお尻に横一線のどす黒い痕をくっきりと残した。 アイスノンを教壇の上に放り投げた拓也は自席に戻り、クラス全員が見守る中で白川女史はよろよろと力なく身を屈めてパンティを引き上げた。 「う、くう…」 パンティのゴムが傷に触れただけで激痛が走る。出来るだけ痛みを押さえるべく、ゴムを引っ張って広げながらはいていく。 密着性の高いストッキングにいたっては、引っ張っては貼り付けていくような感じでどうにかはいていく。 どうにかはき終えて、床に落としたままのスカートを取ろうとかがんだとき、 「ひ、つうっ!」 伸縮性の高いストッキングは、屈むことによってお尻に当たる部分が大きく伸び、そのためにキズをずりずりとこするように動いてしまうのだ。 そんな痛みもこらえて屈んだついでにスカートに足を通してどうにかはいた。 「じゅ、授業をはじめます…」 そうしてやっと、威厳のなくなったクラスの中で白川女史の授業が開始されようとしたその時、 「白川女史。保健委員の厚意を無にするおつもりですか?せっかくのアイスノン、活用してください」 またも小林が立ちあがって提言した。 その意味の分からない白川女史は小林とアイスノンを交互に見た。 「いつも、精神棒を打たれて動けなくなった者は、保健委員が持ってきてくれた濡れタオルをお尻の下に敷いて座るんです。教壇に椅子はありませんが、敷かずとも腫れた肌に密着させる方法はあるはずですよ」 つまり小林はパンティの中にアイスノンを入れろといっているのだ。 それに気付いた白川女史は、ごくりと生唾を飲んでアイスノンを見た。 しかしここで拒否するわけにも行かない。覚悟を決めて白川女史はアイスノンを手に取った。 もともとアイスノンは肌に密着させられる構造になっているので我慢できない冷たさではない。 白川女史は教壇の陰で再びスカートを床に落とし、傷に響かないようにストッキングをお尻の半分ほどまで下ろした。 あとはパンティのゴムを引っ張ってアイスノンを滑りこませれば…。 「待ってください。教壇の陰でやられては、正しく入れられたかどうかが見られません。私たちも見られるようにやってください」 なぜか否定することを忘れていた白川女史は半ケツ状態のまま素直に教壇の前に出た。 「これで…満足?」 恥ずかしさからか、怒りからか、プルプルと全身を振るわせる白川女史からは正直かなりの威圧感が感じられる。 そんな状態のまま白川女史はアイスノンをパンティの中に押し入れた。 「ひ、ぐう…」 冷たさが効いたのか、アイスノンをお尻に押し付けて白川女史は小さな悲鳴を上げた。 そしてそれがずれないように押さえながらパンティの位置を直してストッキングをそうっと持ち上げた。 歯を食いしばりながら瞑っていた目を大きく見開いてクラス中を見回すと再び教壇の向こうに移動し、スカートをはき直した。 「じゅ、授業を始めます…」 開始のチャイムからすでに15分も過ぎてからやっと開始された授業だったが、白川女史を含めた全員に身の入らない授業であったことは言うまでもない。 ・ ・ ・ 放課後。 部活動を担当していない白川女史は仕事を家に持ち帰るとだけ言ってそそくさと帰り支度を済ませて教員室を出ていった。 その姿がわずかにへっぴり腰になっているのは誰の目にも明らかだが、それをあえて口にする者はいない。 口にはしないが、気になる者は多かれ少なかれいるようで、注視した者の中にはお尻に何か当てている、とすぐに気づく者もいた。 そんな事実がウワサとして広まりかけた頃、白川女史は愛車の置いてある駐車場にたどり着き、一息入れて覚悟を決めてからその運転席に腰を落とした。 「う…くう…」 痛みも腫れもだいぶ引いたが、傷口に大きな力が入るような状態になると激痛は復活してしまう。 白川女史は出来るだけ力が入らないようにゆっくりと座って運転に支障がないかをまず確認して、それからやっとエンジン始動、愛車をゆっくりと走らせ始めた。 急が付く動作さえ避ければ車の運転も大丈夫と、白川女史はいつも以上に車をゆっくりと走らせ、いつもの道を家に向かって進んだ。 その途中。何気にホームセンターがあることを思い出し、白川女史は痛いお尻を押さえつつ笑みを浮かべてそのホームセンターに立ち寄った。 その意図が分かるのは翌日のことである。 痛みのあまり風呂にも入れなかった白川女史は朝起きて真っ先に体臭を気にして軽く香水をかけて学校に向かった。 そして教室に現れた白川女史の手には…新たな精神棒が握られていた。 クラス全員が呆気に取られる。それはそうだろう。前日の作戦で白川女史の手元から精神棒は消えうせると誰もが確信していたのだから。 そんな意図を読み取った白川女史はニッと笑って精神棒を定位置に置いた。 「今度は私がバツを受けることもないし、精神棒が折れるなんてこともないわ。さ、授業を始めましょうか」 全員が黙り込む。 もう精神棒の恐怖はないものと思っていただけに、誰もが言葉を失くしてしまった。 そんな時、小林がふと思い出して手を上げた。 「時に白川先生。昨日調べ忘れておられた件はどうなりました?」 「え?あっ!!」 失敗は繰り返すまいと意気込んでいたことが返って失敗だったのか、前日調べ忘れた事項をまたしても調べてこなかったのだ。 新しい精神棒を用意することに頭がいっぱいになってしまっていて、やらなければならないことを完全に失念してしまっていた。 よりにもよって新精神棒の最初の餌食は白川女史自身と言う事態に生徒たちが沸き立つ。 「情けないですよ、先生」 小林が言葉とは裏腹にキラリと輝く銀縁メガネの奥で笑みを浮かべる。 やっと痛みが取れただけで、ミミズ腫れや赤みの残る傷痕に文字通り鞭打つなど耐えられるはずがない。 しかし約束を守る事が何より絶対の教育であるという信念を持っている白川女史には、拒絶する言葉が見つけられない。 小林が斜め後ろを振り向くと、意を決してそれを待っていた佐々木が黙ったままうなずき、席を立った。 椅子をそのままに前へ歩み出ると定位置から精神棒を手に取る。 旧精神棒に比べて握りが太いが先は細い。細いと言っても強度はしっかりしているようでしならない代りに振り回した力をダイレクトに対象物へ打ちつけることが可能そうだ。 佐々木は野球の素振りよろしく、教壇の上で数回ほどブンブンと振り回した。 どちらかと言うと木刀に近いそれは剣道の竹刀ように振り回したほうが格好がつきそうだが、どのように振ったところで痛そうである事に変わりはない。 「同じミスを繰り返したときは倍の10回でしたね、先生」 「…!!」 白川女史の地獄はまだ始まったばかりだった。 |
....終わり |
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