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−−−  第3章  −−−

 研修兼準備期間である1週間を無事にクリアした俺たちはようやっとサマーキャンプ開会式当日を迎えるに至った。
 今日、これから子供たちがやってくることになる。
 総数80名。ざっと2クラス分の小中学生が課外授業と言うよりも友達同士でアウトドアを楽しむために参加するのだ。
 80名を10のグループに分割し、それぞれにバイトの女性が1人ずつ担当と言う形でつく。
 その1つのグループに2張りのテントが与えられてキャンプが始まる。
 そして担当を持たない男性陣を含む8人のバイトはグループ間を行き来しながらバックアップしていくことになる。
 もちろん男性であり統括責任者である俺は担当を持つことはない。
 正直なところバイトの人数が多過ぎではないかと言う感はあるが、ヨソ様の子供を預かる上で、できるだけ監視の目を多くして問題が発生しないようにしたいというのが主催者の意向らしい。
 もし何かあってもやれるべき対処はやっていたと言えるための予防線でもあるようだ。
 実際、問題を恐れる余りか、対象も自己責任をある程度負える小学校高学年から中学生までと言う事になっている。
 リストを見るとさすがに中学3年の参加はなく、1学年ごとにほぼ20人ずつが均等にいるようだ。
 男女比は女性が行動派になっているご時世を象徴してか男子24人、女子56人。
 つまり男子が3つ、女子が7つのグループになる。受け入れ準備を済ませて食堂で茶をすすりながら俺はぼんやりとそんなことを考えていた。
 と、子供たちが来たと言う館内放送が流れてくる。
 放送が入り次第、駐車場に出るように言われていた俺は玄関に足を向けた。

 ちょうど大型バス2台から降り切ったところのようだ。
 舗装されていない、正確には多目的広場である駐車場には小中学生がうじゃうじゃといる。
 普段から仲の良いもの同士で連れ立って来ている場合がほとんどだが、単独で来ている者もいるはず。
 その割りに、バスの中では楽しく過ごせたようであぶれている者は見当たらない。
 俺は肩から下げた拡声器に付属している延長マイクを口元に運び、静かにするようにと声を上げた。
 安物の拡声器から出る俺の声は、古いモノラルラジカセの音を思い出させる。
 サマーキャンプなんてものに自主的に参加するからには元気が溢れているのだろうと思っていたが、それなりに礼儀は知っているようで徐々に静かになっていく。
「今日はあっついなぁ。初日から日射病で倒れられても嫌だから、室内集会場に行こうか」
 元からその予定であるが、フレンドリーな雰囲気で接するようにしてくれと言われていたので、ちょっと芝居がかったセリフを吐いてみた。
 同時に俺にはそういう権限があるんだという立場も伝えられたようだ。
 入り口を指差しながら歩き出すと、リュックやバッグを担ぎ直した子供たちは端のほうからぞろぞろとついてきた。
 歩きながら、靴はとりあえず持ったまま入るようになど諸注意を与えていく。
 下駄箱の役目をする棚はあるが、場所が決定していない段階で使わせると大抵は混乱の元になるのだ、不思議なことに。
 たまに振り返ると俺と一緒に駐車場に出たバイト数人が上手く追従するようにフォローしてくれているのが見える。
 館長がバスの運転手と話をしているのも見える。運転手はこのまま帰るから多分引継ぎをしているのだろう。
 それぞれの仕事はそれぞれに任せればいい。
 俺の仕事は子供たちを屋内集会場兼体育館に入れて挨拶を済ませ、班を作らせ、それぞれがそれぞれの寝泊りするテントを設営する手伝いをするだけだ。
 そう、班はまだ決まっていない。これが一番手間取るだろう。そう覚悟して、それを覆されたのはほんの30分後だった。
 どうやらバスの中であらかた決まっていたようだ。
 俺の予想と反して男子1班、女子5班、男女混合4班というイレギュラーな組み合わせになったが、半々であればテントは1班に2張りあるのだから、さして問題はない。
 力仕事を押し付けようと言う女子の思惑と、あわよくば的な男子の思惑が交差していて面白いが、男子は女子の手玉に乗ってこき使われるのがおちだろう。
 そうだ、まずは力仕事だ。班が出来たら真っ先にやってもらうことがある。テントの設営だ。
 すでにグループとしての登録を終えた順に各担当の指示の下、移動を開始している。
 俺はグループ登録の最終確認を済ませて、補助をすべくテント設営用の広場に向かった。
 着いてみると、設営どころか雑草取りのカマの扱い方を担当者から習っている様子が見受けられる。
 テントの張り方は知っていると自慢げに語っていた子供も、実は最近主流のドーム型テントしか知らなかったようで、かなり戸惑っているようだ。
 やはりこうでなくては、こちらの腕の見せ所がなくなってしまう。
 俺は広場にコの字型に広がる子供たちをざっと見て、手近なグループに近づいた。
 カマの使い方をそこそこ知っている者がいるようだ。
 正しくはないが、器用にカマの先で地面を掘るようにして根っこごと雑草を刈っている。
 ここは放っておいても大丈夫だろうと、次の班へ。
 この班は使い方を知っている者がいないようで、担当の使い方を何とか真似ていると言った様子だ。
 へっぴり腰で突き出したお尻をフリフリ、懸命に草を刈っている。
 なかなかに発育状態はいいようで、麻のズボン越しに見るお尻はまん丸でおいしそうな桃を思い出させてくれるが、それどころではない。
 最近のカマはケガをしないよう刃にセーフティがついているのでまずケガはしないが、従来のカマだったら間違いなく指を切っていそうだ。
「それじゃ危ないよ」
 まず腕を見せるのはここだな、と俺は声を掛けた。
 本来、刃物を扱う者の周囲に近づいてはいけないのだが、教えるためにあえて正面にしゃがむ。
「いいかい、カマっていうのは…」
 その時、目が点になった。
 少し緩くなったTシャツの襟元から膨らみ掛けた乳房全体が見て取れるのだ。
 ブラジャーは付けていない。薄い乳首の色、突起らしい突起がまだない形と滑らかなラインまでしっかりと分かる。
 俺の視線に気付かず不思議そうな表情を見せたので、俺は慌てて言葉を続けた。
 しかし俺の視線はずうっと1点に集中している。
 ガキは対象外とハナから決めつけていたが、これは改めなければならないだろう。
 子供と言っても今時は結構発育が良いのだ。体格だけなら俺の範ちゅうに入るほど中学生も十二分に成長している。
 次のターゲットはまだ決めていない。これなら子供たちの中から選んでもいいのではないかと言う気になってくる。
 俺はその後も各班を回って同様にお尻や胸を視姦しまくり、ついでにターゲットにふさわしい子供がいないか探し続けた。
 草刈りから順次テント設営に移行しても、視姦し続ける。
 テント設営時に毎年必ず怪我人が出るから今年こそは出さないでくれと館長に頼まれていたが、それどころではない。
 おいしい視野がここそこに散らばっていて、どうしてもそちらに注意が行ってしまうのだ。
 グランドシートを敷き、ポールを組み、インナーシートとフライシートをかぶせ…。
 いよいよ一番ケガ人が出やすいとされているペグの打ち込みが各所で始まった。
 それまで見て見ぬ振りしていた俺も、さすがにこればかりは集中しなければマズいと思ってターゲットのメドが付いたこともあり、テント設営に集中することにした。
 その時だ。
「いたいっ!!」
 広場の一角で発声した甲高い声。
 その声が耳に入った俺を含むバイトたちは、一斉にその声の元を見た。
 一番恐れていたケガ人を出した!?
 思わず作業を中断して走る。
 が、怪我をした当人を見て俺はほっと胸を撫で下ろした。
「春奈ぁ。何してるのよ」
 一緒に駆け寄った夏香が苦笑いしつつ春奈の手を見る。
「あ、なっちゃーん。痛いよぉ」
 …結果として春奈が身を持って危険性を周知させてくれたおかげか、子供たちの中で怪我をしたものはなんと皆無であった。
 怪我をした当人にしてみれば、自業自得とは言え可愛そうなところではあるが、とにかくそれなりに幸先良くサマーキャンプは始まった。
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 「それでは明日の肝試しの最終会議を始めます」
 消灯時間は22時。夜間に問題が起きないように2人のバイトを広場の管理テントに残して、残りは食堂で茶菓子をやっつけながらの会議が始められた。
 明日の一番のイベントは肝試しだ。大きなイベントの前夜には必ず微調整を含めた最終確認を互いにする事になっている。
 リーダーと言う責任を押し付けられている俺は一線を画した扱いを館長や職員だけでなくバイトたちからも受けているが、肝試しだけは俺のたっての希望で屋外班に回してもらうことになっている。
 本来リーダーなら常に本部で問題が起きないようにスタンバイしなければならないが、それは俺の性に合わない。
 他のイベントでは現場に出る事を却下され続け、唯一許されたのがこの肝試しだ。
 会議中だと言うのに勝手にいろいろな思いを馳せていると、進行役が立ち上がって周辺地図を貼ったホワイトボードの前に立った。
「コースは約2キロのループコースを3つ使用。1グループ4人で3分ごとに各コース順繰りに出発。1時間で出発は完了。30分で周れるコースですが、4〜50分掛かるものと予定。ここまではいいですね」
 言いながら地図に示された赤青黄に色分けされた肝試し用のルートを指し示している。
 俺はこの内の青いルートの中ほどで子供たちを待ち構えると言うわけだ。
 結局会議の内容はすでに決まっている事の確認のみで無事に済み、何事もなく就寝、いよいよ肝試し当日の夕方となった。

「そいじゃ、あとよろしくぅ」
 悪友に全権限を押し付ける形で担当エリアに向かう。
 脅かし役は全部で12人。1つのルートに4人がばらばらに待機することになる。
 もちろん驚かすだけが全てではない。400メートルごとに誰かしらいれば、どこかで何かが起きても駆けつけるのは容易だろう。
 さてどうやって脅かしてやろうか。
 パターンはいろいろ考えられるし、用意できるものは全て用意してきた。
 ミニクーラーボックスには氷やらこんにゃくやらまでも入っている。
 そしてそのこんにゃくが意外なほど大きな効果を表したのは始まってから1時間半後、まさに最後のグループの時だった。

 ピトッ!
 竿に吊るしたこんにゃくが4人固まって歩いているうちの一人に何の前触れもなく上手くヒットした。
「キ、キャアーッ!!」
「イヤーッ!!」
「何、何ぃーっ!?」
「ヤダアーッ!!!」
 1人が叫ぶと、他のものも一杯一杯だったのだろう、かなり派手な声を上げて一気に走り出した。
 今までも多少の騒ぎはあれど、ここまでのパニックになることはなかった。
 まずい、転ぶ!そう思った瞬間、やはり1人が転んだ。
「イタッ!ああっ、ま、待ってよぉ、みんなぁーっ!!」
 いざとなると結構冷たいものだ。
 俺は慌てて転んだ少女に駆け寄った。
「ありゃー、みぃちゃん、ごめーん。驚かしすぎちゃったね」
 一瞬でも取り残されたと思った少女は俺の顔を見て安心したのか、ぺたんと座ったまま泣き出してしまった。
 走り去った3人は戻ってくる様子はない。
 俺は頭を掻いて、無線機の送信ボタンを押した。
「こちら青の3号。本部及び青の1号、青の2号どうぞ」
「はい、本部」
 即座に本部が応答するが、声の主は悪友ではないようだ。
「えーっと、青のラストはみぃちゃんのいるグループでしょうか?」
「こちら、青の1号。そうです。今、青の2号と一緒に本部へ引き上げてます。何かありましたか?」
「ちょおっと驚かし過ぎましたぁ。みぃちゃんは俺と一緒にいます」
 少しすまなそうに告げる。
 とりあえずケガはしてないようだし、大したことではないのだが。
「こちら青の4号、青の3号へ。みぃちゃん置いてきぼりにした3人は今、こちらと合流しました。あはは、冗談だってば」
 次に連絡を入れようと思っていた青の4号からの連絡が先に入った。
 どうやら、3人はこの短い時間の間に4号のポイントまで走りついてしまったようだ。
 無線の向こうから笑い声が聞こえている。向こうは大丈夫のようだ。
「りょーかいっ。こちらはみぃちゃんと一緒に本部へ引き上げます。以上」
 無線機をポケットにしまう。
 あとはこの泣きじゃくる少女を連れて本部へ戻れば終わりだ。
 他のルートもそろそろ終わりだろう。
「さ、みぃちゃん。立てる?」
 泣き止む様子のない少女の肩に手を置いて、ぽんぽんと2〜3回叩いた。
 しかし泣き止まない。
「そんなに怖かった?ごめんね。ほら、もう帰らないと。そんなスカートじゃ蚊に一杯食われちゃうよ」
 そう言って少女の足元を懐中電灯で照らした時、地面が濡れていることに気が付いた。
 注意をやると、臭いまで漂ってくる。
 やってしまった…。これでは泣き止まないわけだ。
「かなり驚かしちゃったみたいだね。本当にゴメン。だけど、いつまでもそのままってわけにも行かないだろう?」
 小学生とは言え、いい年こいてお漏らしもないもんだと本人は思っていることだろう。
 だから情けなくて涙が止まらないのではないだろうか。
 こんな時はなんて声を掛ければいいのか分からない俺はさすがに困ってしまった。
 女性バイトが応援にきてくれればすぐに収まりそうだが、無線で呼ぶわけにもいかない。
 そんなことをしたら少女の醜態をみんなに晒してしまうからだ。
 そうだ、内密に処理してあげればいいかもしれない。
「みんなに内緒で洗っといてあげようか?俺なら洗濯機も乾燥機も自由に使えるから」
 俺の提案にピクリと反応し、どうにか泣き止みはした。
 キャンプメインの子供たちは基本的に屋内施設の使用は制限されている。
 もちろん洗濯機の使用にも制限が掛けられているから早急に洗うにはバイト連中に頼まなければならない。
 川か水道で密かに洗ってどこかに隠して干すという事が出来るなら自分でやったほうが良いだろうが、キャンプと言う環境ではそれも難しいはずだ。
 かと言って、そのまま放っておく事も出来まい。
 少女もそう考えていたようで俺の提案は少女を泣き止ますほどに効果があったようだが、俺にとっては意外なことで少女んは悩んでいた。
 いくら保護者代理人とは言え、異性である俺にお漏らしをした下着を預ける事に躊躇しているのだ。
 せめてここに女性バイトがいればまだ良かったのだろうが、先刻承知のようにいない。
 男である俺に預けるか、気持ち悪いのを我慢して歩き回るか…。
 どちらに転んでも恥ずかしい事に変わりはないんだと考えがまとまった少女は俺の目をじっと見詰めた。
「誰にも、言っちゃヤダよ…?」
 少し瞳が潤んでいるのは決意の現れか、恥ずかしさを堪えているからか。
「言わないどころか言えるはずもないよ。君らの事が大事と思ってなかったらこんな提案しないしね」
 嘘は言っていない。
 俺から見れば幼児と何ら変わりない子供のパンツを持ち帰って洗って返すだなど口が裂けても言えるはずないではないか。
 しばらく黙って俺をジーッと見ていた少女は、ハナをすすると視線をずらして周りを見、幹の太い木の影に隠れた。
 わずかに見えるスカートや頭の動きから、木の陰でパンツを脱いでいるのだろうと言う事は十分に分かる。
 しかし…スカートで良かったのか悪かったのか。
 ズボンだったら当然染みてしまい、どうしたって隠しようがなくなってしまっていただろう。
 が、少女はスカートだ。染みずに済んではいるが、これからしばらくスカートでノーパンと言う事になってしまう。
 恥ずかしくないのだろうか?そう思っていると、少女は木の陰から姿を現した。
 右手を後ろに回しているということはその手にパンツを持っているのだろう。
 左手でそれとなく太ももの辺りを押さえているのは、やはりノーパンが気になるからだろうか。
 顔をほのかに紅くしながら近寄ってきて右手をそうっと俺の前に差し出した。
 その手には小さく丸められた小さな白い布。
 俺が手を差し出すと少女はそれを俺の手の上に置いた。
 一番濡れている部分が内側になるように折りたたんでいるせいか、湿っているという感はないが、かすかに感じられる重量感はやはり水分であろう。
 受け取ったはいいがバッグやポケットにしまうわけにもいかず、手に持ったまま少女と一緒に歩き出した。
 何かの話をする気にもなれないまま、黙々と歩き続けて10分ほどもするとキャンプ場の明かりが見えてくる。
 もともと1本道だから迷うことはないが、ここまで来ればもう安心と言うところでやっと少女が口を開いた。
「どのくらいで洗い終わるの」
「そうだね…今から戻って洗濯機に放りこんで、乾燥までだから2時間もあれば終わるけど…。明日の朝イチ、ラジオ体操が始まる前にテントの外に出ていてくれるかな」
 少女ははにかみながらうなずき、数歩前に出て振りかえった。
「テントに寄ってからみんなのところに戻るから」
 それだけ言って、スカートを気にしつつ小走りに去っていった。
 そうして俺の手元には少女の汚れたパンツだけが残った。
 …いや、パンツだけではない。歩いていた時は気付かなかったが、臭いも残ってくれたようだ。
 ちょっと臭い…。そう思いながら端をつまむと、白い布は垂れ下がってパンツの形を取り戻した。
 さすがはお子様が穿くパンツだけに年頃の女性が穿くであろうパンティと比較するとあからさまにデカパンだ。ホームベースを思わすこのシルエットのどこかにきっとグンゼのロゴがあるに違いない。
 広げたせいでアンモニア臭が一気に広がる。
 クロッチと言われる2枚重ねの股当て部分を中心に広がる染み。
 強烈過ぎる臭いに、このまま持って帰るのはちょっと無理だろうと思った時、耳の奥に水音が響いた。
 そうだ、近くに川があるじゃないか。
 俺は水音を頼りに川を目指して小道を進み、下っていった。
 電気がなくても星明りだけで足元を確認出来るのはそれだけ空気が澄んでいるからだろう。
 降り切ると突然木々がなくなって開ける。足元には数本の丸太を組んだ足場があって2〜3歩進むだけで川に手が届くようになった。
 都会と違って山奥の源流だけに、すくって飲めるくらいの清流は驚くくらいに冷たい。
 そんな冷水にパンツの染みている部分を浸すと手揉みを数回繰り返した。
 最後に濡れている部分だけを雑巾のようにぎゅっと絞り、パンッと広げると軽く鼻を近づける。
 臭いは多少残っているが先ほどのような強烈さはなくなった。これなら誰かに気取られることなくランドリールームへ持ちこめるだろう。
 湿っている部分を中に折り込むようにしてたたむと、握った手の中に小さく収まるように押し込んでみた。
 どうすれば変に思われずに済むだろう。手に持った布切れを気にする者がいたとして、みぃちゃんのためにもちょっとやぼったいハンカチでも持っている程度に思わせておきたいものだが…。
 などといろいろ持ち方を研究していると、道の向こうから足音が聞こえてきた。
「…ここかなぁ、川に出る小道って。下ってるから多分これだよね…」
 この声には聞き覚えがある。子供たちの中の1人、秋穂だ。
 手に持っていた布切れの事を思い出して俺は思わず身を隠した。
 隠れながら、まだ視野に入らない秋穂のことを脳裏に思い浮かべる。
 中学生とは思えない秋穂のスタイルは子供たちの中では明らかに際立っていた。見た目だけなら高校生…化粧いかんでは大学生と言っても通じるかもしれない。
 とは言っても幼い面もあちこちに見られ、まさに少女から大人の女性へ移り変わる瞬間の年頃と言える。
 胸も下手な大人顔負けくらい出ているのにブラジャーを嫌ってしないものだからいつもツンとした乳首がうっすらと透けていた。
 もし子供たちの中から誰かを狙うなら、紛れもなく第一候補だとテント設営の時から狙っていた少女だ。
 …ひょっとしてこれはチャンスではないか。
 秋穂の他に誰かがついてきている様子はない。当然、例の小ビンはいつものように首から下げている。なにより手元には上手い具合に下着も握られている。
 当人の下着ではないが、今までのパンティとは違って面積が広いのでかえってやりやすい気がする。
 多少水に濡れていて、これが悪影響を与えたりしないか心配と言えば心配だ。だが、下着さえ使えば失敗する事はないはずだ。
 どうする?…いや、悩む必要などない。そうとも、これはチャンス以外のなにものでもない。
 秋穂が降りてくる音を聞きながら、小さく折りたたんでいたパンツを手の上でそうっと広げた。
 さらに服の中に入っていた小ビンを襟元から引っ張り出す。中身は…大丈夫、十分入っている。
 準備を整えて秋穂が降りてくるのを聞き耳を立ててじっと待つ事にした。
 雲1つない夜空の星明りだけを頼りに秋穂は緩い勾配の下り坂を降りてくる。
 身を隠している俺からは見えないが、すぐそばにまで来ているはずだ。
 こんな時こそ、草や小枝が無数に転がっている山道に感謝しなければならないだろう。
 足音のおかげでおおよその位置は見えなくても分かるのだ。
 小道を抜けるとそこからは丸太の足場。
 足音が急に消えた事で、足場に乗ったことが分かり、その瞬間の位置がはっきりと感じ取れた。
 さらに数歩進んでしゃがめば川の水に手が届く位置になるはず。それは俺が隠れている草陰から2メートルとはなれていない場所だ。
 パシャッ。
「冷ったーいっ」
 どうやら川に辿りついたようだ。音を聞く限り手でも洗っているらしい。
 俺は草陰からすっと立ちあがった。
 川淵にちょこんと座る秋穂の背中は猫背ではないがくるっと丸まっていて可愛らしい。
 白いTシャツの左側が少し汚れている。多分、どこかで転んだのだろう。
 なるほど、手を洗っていると言うより、左腕の特に肘の辺りを洗っているようだ。
 涼しい夜風に周囲の木々がさわさわとなびく。
 おかげで多少の音は掻き消されてしまう。
 自然までもが俺の味方になっている。これなら失敗するはずがない。
 風の音に紛れさせて草陰から完全に身体を出した。
 小ビンが揺れないようにしっかりと手に持って、1歩ずつ確実に秋穂に近づいていく。
 パシャパシャと水音だけがやけに大きく聞こえてくるのはそこに注意が行っているからだろうか。
 そうだ、そうやって水に集中しているがいい。そうすればこちらに気付くはずがない。
 しゃがんでいる秋穂の真後ろに立っても秋穂は全く気付く様子がない。
 空から降り注ぐ無数の光は拡散してしまって影を残すこともない。
 今回は余裕だ。獲物を前にしたドラキュラもきっとこんな気分なのだろう。
 心臓がドキドキと高鳴る。
 失敗したらどうしようと言う恐怖心よりも成功したのちの期待感の方が大きい。
 息を止めるべく、深呼吸をすると、ふわふわと漂ってきた秋穂の汗の臭いが鼻孔をくすぐった。
 フェロモンと言うわけでもないだろうが、妙に興奮する。
 さあ、もうすぐお休みの時間だよ。
 見下ろしながら心の中でつぶやき、小ビンのふたを開ける。
 小ビンをひっくり返して中身を全てパンツに染み込ませていく。
 そろそろ眠ろうか、秋穂…。
 多少は暴れるであろう事を想定して、足場一杯にスタンスを確保する。
 呼吸のタイミングを合わせたいところだが、手を洗っている振動のせいで良く分からない。
 いや、前回だって呼吸を合わせてないのに何とかなったではないか。
 意を決して両手を広げようとした時、秋穂の身体が新たな動きを見せた。
 さらに深く身を落とし、両手で作った器に水をすくい上げたのだ。
 ゴクッゴクッ!
「はあーっ、おいしーっ!」
 さらにもう1度、水をすくい上げる。
 一瞬焦って手を引っ込めたものの、逆に俺は安堵した。やはり気付いていない。
 それに今なら呼吸のタイミングが分かるかもしれない。
 普通の人なら水を飲む前に息を吸い、飲み終わると一気に吐き出して新たな空気を吸い込もうとするはずだ。
 ゴクッゴクッ!
「ぷはあーっ!」
 今だ!!
 意を決すると俺は秋穂に覆い被さるように両手を回した。
「えっ?うぐっ!?むーっ、んむーっ!!」
 手を前に回した時、秋穂の視界の隅に影が映りこんだようだ。
 だが即座に対応できるはずがない。
 立ち上がって逃げようとしているが、俺が体重を掛けているせいで中腰以上になれないでいる。
 ヘタに暴れたら川に落ちると言う恐怖感で全力を出すことも出来ないようだ。
 濡れた手で俺の腕をはがそうと必死に掴んでいるが、発育が良くても所詮は中学生。力で俺に叶うはずもない。
「むーっっ、んうぅーっ!!!」
 そろそろ落ちてもいいはずだが、口を押さえていると言うのに秋穂の呻き声は不安になるほど大きい。
 肝試しのコースから外れているとは言え、誰かに聞かれたらシャレにならない。
 大声を出すなっ、早く落ちろっ。心の中で何度も繰り返す。
 手でどんなに口を押さえても呻き声の大きさには影響しないだろうが、どうしても腕に力が入ってしまう。
 まだか、まだ…。
「むーうっ、む…ぅ…、うー…」
 …おちた。
 その場に崩れそうになる秋穂の身体をひょいと抱える。
 中学生の女の子くらいの体重なら、たとえ眠って重く感じられても両手で抱きかかえるくらいは容易だ。
「お休み、眠り姫」
 俺の手の中で寝息を立てる秋穂の鼻先に軽くキスをすると、水場を離れて芝のように背の低い草がびっしりと茂っているちょっとした死角の広場に秋穂を寝かせた。
 軽く口を開いて目を瞑っている寝顔はキスを待っているかのようだ。
 あどけない寝顔と言うのが一番しっくりくる秋穂の頬を手でそっと撫で、そのままその手を下ろして秋穂の胸へ。
 ふにゃっとした感触。使い古された言い方ではあるがまさにマシュマロだ。
 両手で乳房をふにふにと揉む。
 先端を探すべく指を這わせれば、形を保持出来るだけの張りがあると確認出来る。
 Tシャツのすそを捲り上げて手を入れると、ほのかに汗ばむ秋穂のお腹の皮膚とこすれ合った。
 気にせず、さらに突っ込めば下の方から乳房を直に触る事が出来る。
 Tシャツ越しにも分かっていたが、これほどの大きさでブラジャーを着けたがらないのはこだわりでもあるのだろうか。
 眠ったままの秋穂の上半身を起こしてTシャツを脱がしに掛かった。
 何も考えずにすそを持ち上げると、秋穂の顔を隠すようにしてTシャツは裏返る。
 腕は必然的に万歳のように上を向き、同時にふわっと秋穂の汗の臭いが広がった。
 秋穂の身体は一見綺麗そうに見えるが、先ほども感じ取ったように、わずかにべたつく程度に汗を掻いている。
 普段の予定からすれば今ごろ風呂に入ってるはずなのだが、今日は肝試しが終わってから入ると言う事になっている。
 つまるところ、今日1日分の秋穂の汗が秋穂の身体に残っていると言う事になるだろう。
 Tシャツをそのままに鼻を近づけて臭いを嗅いでみる。やはり脇の下の臭いが一番濃厚だろうか。
 新陳代謝の激しい年頃ゆえの体臭…もちろん昼間の強い陽射しの中の野外行動も発汗を促進させているはずだ。
 発汗量が多ければ当然臭いも比例して強くなる。
 そんな臭いにまみれていたくはないだろうに、キャンプと言う環境はそんな気遣いを許してはくれない。
 バイトの女性陣はそろって制汗スプレーを使っていたが、秋穂にそんな様子は全くない。
 恥ずかしさが先立つ年頃の女の子なら誰もが嗅がれたくないであろう素のままの体臭など、そうそう嗅げるものではないだろう。
 少なくとも、意識がある時だったら素直に嗅がせてはくれまい。
 異性である俺が秋穂の身体の臭いを知っていると知ったら、秋穂はどんな反応をするだろうか。
 きっと耳まで真っ赤になった顔を両手で隠すかもしれない。そんな事を想像するだけでも興奮してしまう。
 これが男ならば汗臭いだけだが、可愛い女の子のものともなれば甘美な香りに変化する。
 俺は秋穂の脇に鼻を押し付けて、肺いっぱいに香りを吸い込んだ。
 鼻から気管支までをくすぐって行く香りに思わず咳が出そうになる。
 それを抑えて口から息を吐き、もう1度鼻を脇に近づけた。
 と、口からあごにかけて秋穂の柔らかい乳房が当たる。
 位置を少しずらせば乳首を舐めながら臭いが嗅げることに気が付き、いったん身を引いた。
 乳房の山頂には、子供と大人のちょうど中間といった大きさの薄茶色の乳首がある。
 その乳房全体にもほのかな汗ばみが感じられる。
 俺は脇の濃厚さに比べたら臭いなどないに等しい乳房の汗のほうが気になった。
 秋穂の乳房からにじみ出てきた汗の臭いと味は一体…。
 乳房に鼻を押し付けて深呼吸しつつ、舌を出してぺロリ。
 …残念ながら脇の臭いに気圧されたか、味を感じ取れるほどの発汗量ではなかったのか、無味無臭と言うのが正直なところだ。
 まあいい。秋穂の汗が気になるところはもう1ヶ所あるのだから。
 裏返って顔を隠しているTシャツもそのままに、俺は秋穂の股間に手を伸ばした。
 デニムという固い素材のせいで直接的な感触はないが、ここは特に熱がこもって汗を出すはずだ。それ以外にもいろいろな臭いの元がここには潜んでいる。
 秋穂は丸1日で、ここにどんな臭いをこもらせている事だろう。
 股間からいったん手を離し、両手を使ってベルトやファスナーを外していく。
 嬉しい事に夏香のようなスリムタイプではなく、ごく普通の緩めのストレートタイプだ。
 ファスナーを下ろしてそこを広げると白っぽい下着がわずかに見える。かなり小さいようで、ゴムのラインはかなり下だ。
 俺は秋穂のわき腹に片ヒザが当たるように座り直し、秋穂の身体を手前に転がした。
 すると俺の片方の太ももの上にうつ伏せになった秋穂のお腹が乗る。
 もう片方の足は秋穂の足と同じ方向に伸ばしているので、Gパンに包まれた秋穂のお尻が俺のほぼ正面に来る事になる。
 この状態で俺はGパンを脱がしに掛かった。
 緩めのストレートは結構使いこんであることも相まって、意外なほど簡単にするっとずれた。
 白いパンティに包まれたまあるいお尻。
 やはり布が小さめなのか、ゴムの上にお尻の谷間が覗いている。
 そのゴムの少し下に何やら黒っぽい文字列が見える。…Kiddy☆Land。明らかに良く似たキャラのパクリらしい太い丸文字で書かれたプリントロゴを見て、俺は少しほほえましく思えてしまった。
 身体が大人並みに大きくても中身はやはり少女なのだ。
 お尻だってこんなに大きく成長していると言うのに…と、パンティ越しにお尻を撫でさする。
 柔らかい。柔らかいが張りもあって、絶妙な感触は俺の性欲をダイレクトに刺激する。
 薄い木綿越しのお尻の感触はどちらかと言うとすべすべと言う感じだろうか。
 問題はこれからだ。直に触った時までもすべすべだったら…汗を掻いていなかったら、せっかくの楽しみが半減してしまう。
 汗フェチではないはずと自覚してはいるが、秋穂の身体の中で最初に興奮を与えてくれたのが汗の匂いだった事もあり、どうしてもそこから頭が離せない。
 ゴムをずらす必要もなく、谷間が見えている事で出来ている隙間に指を滑りこませる。
 谷間に指の腹を当てたまま奥へ延ばすと、指全体が中に入った辺りでパンティは手に引っ掛かってずり下がっていく。
 さらに奥へ延ばすと指先に湿った感触が感じ取れるようになった。
 どうやら雫になるくらいに汗を掻いているようで、指先ですくう事も出来る。
 これだ。これこそが期待していたものだ。
 その状態を早く見ようと、手の甲で押しのけるようにしてパンティを太ももの中ほどへ追いやった。
 もっと下ろしたかったが、Gパンもその辺りに留まっているのでそれ以上は無理なのだ。
 それでもお尻全体は露出させられた。
 露出した尻たぶに両手を置いて、お尻の一番深い谷間を広げるように引っ張る。
 そこに顔を近づけただけで汗とアンモニアっぽい蒸れた臭いが鼻についた。
 汗の臭いと言うのは汗で雑菌が繁殖して発生するものだ。ここには相当数の雑菌がいるのだろう。
 雑菌が大量にいると言う事はそれだけ汚れていると言う事。
 秋穂の汚れた部分に顔をさらに近づけ、すっと舌を伸ばした。
 舌先を谷間の底に付け、伸ばせる限り一杯に伸ばして奥の複雑な部分にまで舌を這わせる。
 しょっぱいと言うよりも少し苦い。
 お尻というより太ももに顔を埋めているような感じで舌を懸命に動かす。
 臭いも、ちょっと気を緩めたら咳き込んでしまいそうなほどにかなり強烈だ。
 が、やがて俺の唾液の味しかしなくなったので久しぶりに顔を上げた。
 肛門のシワとシワの間を肛門が軟らかくなるくらいにまで舐められたと言うのに秋穂はすやすやと寝息を立てている。
 顔はTシャツのせいで見えないが、今もあどけない寝顔なのだろう。
 そんな秋穂の汚れを俺は今確認している。
 足の上に乗せていた秋穂の身体を転がすように押して地面に仰向けにさせた。
 パンティが下げられているおかげで色の濃い毛が見て取れる。
 伸び始めらしく、まだ短いが股間で立派に黒さを誇示している。
 そしてそのすぐ下に大事な部分が控えているのだ。
 もっと良く見るべく、Gパンとパンティをさらに下ろしてすねの辺りにまとめさせた。
 あえて全てを脱がしたりはしない。両足を揃えさせていた方が都合いい場合もあるのだ。何よりくしゃくしゃになった衣類が足首に絡まっている様が何ともそそらせてくれる。
 その代わりに今まで隠れていた顔を出すべくTシャツを抜き取った。
 やはりあどけない寝顔に何ら変わりはない。
 その寝顔を見ながら、足だけを持ち上げて行く。背中はずっと地面についたままだったが、ある程度まで上げると腰のほうから徐々に上がる。
 持ち上げた足を、真上ではなく秋穂の頭上へと回していけばまんぐり返しの出来上がりだ。
 唯一の光である星明りは真上からしか差してこないが、この格好にさせれば顔も股間も照らされる。
 しかし秋穂にとってこの格好は苦しいようで、眠りながら身体をよじって体勢を崩そうとし始めた。
 このままでは抑えながら触らなければならないと言う面倒が発生してしまう。
 どうしようかと思っていると、秋穂の頭上にGパンのお尻の部分が来ている事に気付いた。これが使えるではないか。
 さっそく手を伸ばして、秋穂の頭の下にGパンのお尻の部分が入るようにGパンを引っ張った。
 ベルトの部分が首の下になるくらいまで引っ張ると秋穂の無意識の力程度ではそれを外す事はできなくなった。
 これで触る事に集中出来る。秋穂の逆さを向いた腰に抱き付きつつ、お尻を撫でてニヤッと笑う。
 目下には触ってくれと言わんばかりに無防備に広げられたスリットがある。
 上を向いているおかげで星明りが当たって良く見える。
 先ほどまで舐めていたのは肛門を中心とした会陰から少しスリットに入ったぐらいまでだったが、スリットの前よりの部分も結構汗ばんでいる。
 延ばした舌をそこにゆっくりと近づけ、触れる直前に視線を秋穂の顔に向ける。
 無垢な表情が歪む事を期待して、舌を触れさせた。
 軽く触れたくらいでは何の変化もなかったが、スリットの中に割り込ませるようにして舐め上げると、かすかに眉がぴくぴくと動く。
 太ももにうっすらと鳥肌まで立ててくれる。
 ただ単に舐めるのではなく、スリットを中心とした股間全体に存在する秋穂の匂いの元を舐め取るように舌を這わせる。
 数回舐め回すと、徐々にどこで反応するかが見えてくる。マメで反応するのは当然だろう。
 マメ以外に、膣の少し上…尿道口の少し下の辺りでも反応している。
 声こそは漏れないが、あからさまにその表情を歪ませているのだ。
 ここが秋穂のツボか…?
 汗を含む秋穂の股間の汚れを十分に舐め取った俺は秋穂の処女を奪うべく、秋穂が表情を歪ませるそのポイントからマメに掛けてを数往復、数十往復と舐め回し始めた。
 体勢的に両手で胸を触るのも簡単なので、乳首にも刺激を与えていく。
 年齢からいっても秋穂は間違いなく処女だろう。この年齢を相手にする上で、処女かもしれないから本番はしないなどと言っていたら何も出来なくなってしまう。
 処女血が流れたとしても、服などに付かないようにして本番を終わらせた後、川で血を洗い流してやれば見た目の証拠など残りはしない。
 しばらく舐め続けると濡れてきたのか俺の唾液なのか分からないが、テラテラと光るようになってくる。
 硬かった入り口の肉に軟らかさが現れ、光り具合とあいまって卑猥な形状に変化してきた。俺は挿入すべく立ち上がりGパンを脱いだ。
 実はずっと前から誇張していたイチモツは狭い空間で苦しそうにしていたのだ。
 しかし、秋穂の乳房が余りに心地よくて手を離すことが出来ずにいた。
 やっと自由を得たイチモツはまるでビックリ箱から飛び出すおもちゃのように勢い良く反り返った。
 そう慌てるな、獲物は目の前…逃げたりもしない。
 いきり立つイチモツになだめなど無意味だが、何気なく心の中でつぶやく。
 しかし…秋穂のスリットにこのイチモツは本当に入るのだろうか?
 試しに指を1本入れてみると思ったよりすんなりと入るが2本まとめてはかなりきつい。3本に至っては奥までは入りそうにない。
 いや、遠慮は禁物だ。せっかくの獲物を見逃すことはない。
 結構無理な態勢だと言うのに薬ですやすやと眠り続けて起きることのない秋穂のスリットに、イチモツの先端をすっとあてがった。
 まだ表情に変化はない。
 両手でスリットを広げ、先端を少しうずめる。
 ぬるぬるした感触が先端を挟み込む。
 そのままスリットから外れないように気をつけつつ前後に動かすとかき混ぜているような感覚がまた気持ちいい。
 寝ていても敏感なところを変に触られていると言う感覚はあるようで、寝息のリズムを狂わしつつ顔を歪めている。
 このまま一気に挿したら相当な激痛が秋穂を襲うだろう。
 そんなことをしたら痛さで目を覚ますのではないかという危惧があるので、そんなことはもちろんしない。
 が、たとえじわじわ入れた所で膜を破る瞬間は痛いに違いないはずだ。
 入り口で少しでも馴染ませるつもりで前後に動かしてはいるが、実は無意味に近い行動なのかもしれない。
 ならばとっとと入れてしまおうか。
 前後に動かすことを止めると膣口に先端を合わせ、短いストロークでゆっくりと出し入れしてみる。
 さして痛さを感じている様子はない。この分なら…。
 少しストロークを長くしてみる。
 明らかに先端の侵入をさえぎる“なにか”の感触があり、その“なにか”を押しのけようと軽く力を入れただけで秋穂の表情が歪む。
 “なにか”が何であるか、俺に分かるわけがない。が、おおよその想像はつく。
 この“なにか”を破った時、秋穂は少女から女になるのだ。
 イチモツの脇から指をすべり込ませて、その“なにか”を指先で確認する。
 これが処女膜…。
 膜と言うからには穴もなく、もっとぴんと張っているものだとばかり思っていた。
 が、思ったよりぐにゃぐにゃしているし、真ん中に破瓜の跡とは明らかに違う小穴が開いている。
 なるほど指1本がギリギリ入るくらいに小さな穴だ。
 これが先ほど指がせいぜい2本までしか入れられなかった理由だろう。
 星明りと言うことで覗き見たところで正確な色は分からないだろうが、充血して赤みを増したピンク色にきっと違いない。
 膜の手前でイチモツを動かしているだけで上り詰めてしまう。
 このままでは膜を破った瞬間にイッてしまうかもしれない。
 たとえヤッても中出しはまず過ぎる。
 この場はいったん出してしまおうと、膜の手前だけで動かせる範囲を使ってピストン運動を始める。
 胸やお尻を撫で、ふくらはぎにキスをして、ヒザの裏側を舐め、ほとんどオヤジと言ってもいいようなねちっこい行為に走ってまず1発目をあさっての方向へむけて放出した。
 これで大丈夫だろう。
 いよいよ少女とお別れする時だよ、秋穂。
 出したばかりでも萎える様子のないイチモツの先端を再び膣口にあてがう。
 突き当たり、秋穂が表情を歪ませるところまで先端をうずめると、秋穂の全身を見ながら再び足場の確保に入った。
 まんぐり返しをしている身体に上向きに反り返っているイチモツを力強く挿し入れるというのはなかなかどうして難しい。
 先ほど膜にさえぎられていったん止めたのはそのせいでもあるのだ。
 両手両足を一杯に広げた四ん這いというのは傍目には格好悪いだろうが、やりやすさを追求する上では致し方ない。
 足場を確保し終え、両手で秋穂の肩を押さえた俺は秋穂の腰が逃げないことを確認しつつ、イチモツの先端に力を加え始めた。
 ググッ、ググッ…。
 先端が押し返されるような弾力は、秋穂の少女の抗い。
 女になることを拒んでいるようなその抵抗は破ることが容易ではないことを俺に思い知らさせてくれる。
 しかし俺のイチモツはこの上ないほどに硬直し、たとえコンクリでも穴を掘ってしまえるほどだ。
 肉と皮だけの膜を破れないわけがない。
 事実、先端は押し戻されることなく、確実に深く潜っていっている。
 メリッ、メリッ…。
 少し深く入るごとに穴の中からそんな音が聞こえてきそうな気がする。
 多分、目の前にある秋穂の表情があまりに悶絶しているからだろう。
 一気に破ったほうが痛みは少ないのだろうか。あるいは、このままゆっくりのほうが…?
 眠りながら脂汗を顔面にびっしりとかいている秋穂は今ごろ悪夢でも見ているだろうか。
 身体に実際の痛みが加わっている悪夢と言うのはとてつもない恐怖なのだと聞いたことがある。
 どんなやり方をしようとも、破瓜の瞬間は激痛に違いない。それならばいっそのこと、一気に貫通させたほうが一瞬で済むだろう。
 方針を決めた俺は、つま先の向きを少し変え、再びイチモツの先端に集中した。
 メリッ、メリメリッ!!
 この裂けるような音は本当に気のせいなのだろうか。
 激痛に歪む表情と、穴の中の抵抗感は聞こえるはずのない擬音をさも聞こえているかのように錯覚させる。
「う、むうう…」
 余りの激痛に声まで漏れてきている。
 まだ破れないのだろうかと視線を向けると、先ほどよりは確実に深く埋まっているが、膜の抵抗感は先端部から少しもずれていない。
 処女とやるのは大変だと聞いてはいたが…。
 しかし、今は押し込むことしか出来ない。
 体重を掛けてぐりぐりと先端を沈めていく。
 と、次の瞬間にこそ絶対に破れると感覚的に感じ取れた。
 くぐもった呻き声も、苦しそうな表情も、染み出しては流れ落ちる大量の汗も、全てが秋穂の身体が一杯一杯であることを示している。
 そう、秋穂の膜ももう一杯一杯なのだ。
 その直前の、秋穂にとって一生に1度しか味わえないであろう間をたっぷりと取って俺は最後のひと押しを。
 メリメリイッッ!!!
「んうああーっっ!!!」
 意識がなくてもこれほどの声を上げられるものなのか。
 ズンッという感じで俺の股間と秋穂の股間がぶつかり合った。
 イチモツが根元までしっかりと埋まった。
 破瓜の瞬間をついに越えたのだ。
 秋穂の手は何を掴むでもなくさまよっては、草をむしって何かを求めている。
 ふと気が付くと、秋穂の口は叫んだ直後のままの口の形状を保持しているが、声が全く漏れなくなっている。
 声も出せないほどの激痛が今、秋穂の全身を襲っているのか。
 おそらく今の秋穂に意識があったとしたら、イチモツを動かす気にはなれなかっただろう。
 しかし今は意識がない。
 ゆっくりと、秋穂の中を感じ取りながらイチモツを抜いていく。
 秋穂は声もなく、全身を痙攣させている。
 先端だけを残すくらいにまで抜くと、再び挿し入れるべく腰を送り出し始めた。
 ゆっくりと、秋穂の中を感じ取りながら…。
 先ほどのような抵抗は全くない。代わりに俺のイチモツのサイズにぴったりの締め付けが優しく包み込んでくれる。
 先ほどまで膜であったモノがヒダとなってイチモツをきつく撫でる。
 こんなに気持ちいいセックスは初めてだ。
 このままでは数往復も持ちそうもない。
 秋穂の苦しそうな表情と身体の変化が、無意識ながらも俺のイチモツを感じ取っている証だと思うと精神的にも上り詰めてしまう。
 だ、だめだ…出る…っ!!!
「くうっ!!」
 …すでに1発出したばかりだというのに、みこすり半も持たなかった。
 いや、それよりも…。イチモツを出すのが間に合わなかった。
 一番奥で出したわけではないが、スリットの中に放出してしまった。
 極上の余韻を味わっていたかったがそれどころではない。
 慌ててイチモツを抜いた秋穂のスリットに指を突っ込んで白濁液をかき出そうとするが、勢いがあったために結構奥にまで行ってしまっている。
 イチモツが萎えたわけではないが、さすがにそれ以上する気もなくなって、脇に放っておいたみぃちゃんのパンツを取って水場に戻った。
 パンツを川の水でぐっしょりになるほど濡らして広場に戻り、秋穂の股間をきれいにぬぐう。
 少しだがスリットの中にまでパンツを入れて綺麗に拭くと、服を直してやった。
 ものすごい汗を掻いているが、しばらく放っておけば汗は引くだろう。
 俺は秋穂をそのままに、誰にも見つからないように館内に入った。
 ランドリールームへ行き、洗濯機にパンツを放りこむと何事もなかったように本部に戻る。
「お疲れー。他のルートは終わったかい?」
 そ知らぬ振りで悪友に話しかける。
「お疲れぇ。あと1チームが揃ったら完了だよ。終わったチームから順次風呂に入らせてるよ」
「そ。んで、ケガ人とか、問題は?」
「んー、1人派手に転んだらしいけど、シャツが汚れた程度で大した事はないらしい。それよりみぃちゃんは?」
「ああ、何も問題ないよ。先に戻ってきてただろ?」
 卓上に置かれたチェック用の名簿を見ると、秋穂はとうに戻っていることになっている。
 本部の誰もが秋穂は今ごろ風呂に入っていると思っていることだろう。
 転んで汚れただけなら、素直に戻って風呂に入れば良かっただろうになぜ秋穂は川で洗おうとしたのだろうか。
 疑問ではあるが、そのおかげで堪能できたのだ、気にすることもあるまい。
 なにより秋穂がすでに戻っていると言うことになっているおかげで、下手な工作をせずに済みそうなのだ。
 もう少ししてからそ知らぬ振りで秋穂を起こしに行けば、同じテント内の子供たちの間で騒ぎになる程度で済むだろう。
 そう思いながら雑務をこなし、時間を見計らってみぃちゃんのパンツを乾燥機に移すためにランドリールームに行き、その足で川の側の広場へ。
 すると、秋穂の姿が…見当たらない。
 そんなバカな!?
 慌てて周囲の木陰を探す。いない。何かが起きた?一体何が?
 とにかく探さなければ。どこを探す?
 まさかいないとは思うが…と思いつつ、テントを張っている広場に向かってみる。
 ざっと見まわし…いた。
 思った以上に薬の切れが早かったのだろうか、秋穂は広場の中央に集まっている子供たちの輪の中にいた。
 ほっと胸を撫で下ろした俺は話の輪に入ることを勧められた。
 しかし雑務が残っているし余韻覚めやらぬうちにトイレで2、3発ヌいておきたい。
「ワイ談なら何を置いても入って朝まで話したいけどね」
 などと特に女性陣からはブーイングを食らうかもしれないオヤジなセリフを吐き、意外にも女子たちが一番バカウケしたことに驚きつつ俺はその場を立ち去った。
 館内に戻り手近なトイレに向かおうと廊下をいそいそと歩いていく。
「おわっ」
「きゃっ?びっくりしたぁ」
 角で出会い頭にぶつかりそうになったのだ。相手は夏香だ。
「あ、ちょうどよかった。話があるんだけど、ちょっと部屋に来ない?」
 女性からのお誘い…。それを断るなんて手はない。
 しかしイチモツをいきり立たせたまま女性の部屋に行くのもなんとなく飢えているような感じがしてイヤだ。
「なに、夜這いのお誘い?今すぐ?ちょっとトイレに行ってきたいんだけどな」
「クスッ。何かは来てからのお楽しみ。今すぐじゃなくてもいいよ。それならそれで、食堂に行ってお茶とお菓子くらいは用意しておくから」
「ああ、んじゃ柿ピーよろしく」
 菓子などお任せでいいのだが、俺は柿ピーが好物なのだ。
 そのままいったん別れ、トイレで2発ほどヌくとやっと落ち着いたイチモツをしまって夏香の部屋に向かった。
 コンコン。
「どーぞー」
 中に入ると懐かしい感じがする。雰囲気のせいか、あるいは香りのせいだろうか。
「どっちがいい?」
 夏香の手にはお茶と缶ビールの2つが握られている。
 さらにちゃぶ台を思わす小さなテーブルの上には数本ずつが置かれている。
 どうやら長丁場を意識しているようだ。
 夜這いのお誘い…軽い冗談のつもりで言ったセリフだったのだが。
 夏香のボディには名残りがあった。これはいいチャンスかもしれない。
 缶ビールを受け取りながら、期待を高めてしまう。
 しかし、そんな期待を打破するセリフが夏香の口から俺に向けて放たれた。
「今日、酷いことしたでしょ、秋穂ちゃんに」
 …俺は、言葉を無くした。
....つづく
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