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−−−  屋上  −−−
 屋上は5階の上だ。腰痛の俺にはかなりつらい。
 それでもゆっくりと1歩ずつ上がってやっとたどり着いた。
 腰をゆっくりと伸ばしてドアを開ける。
 いた。
 顔を上げた倉沢と目が合い、俺はゆっくりと近づく。
 大きくため息をついてから俺はしゃべり始めた。
「さっきは済みませんでした。誰だって恥ずかしいですよね。俺、倉沢さんが不良だって言うイメージがあったからなお更あんな言い方しちゃって、ホント悪かったと思ってます。それと、これ。そんな座り方してたら見えますよ」
 差し出されたパンティを見て、思い出したように顔を真っ赤にした倉沢は立てていた膝をぺたんと倒してスカートを押さえた。
「汚いなんて言ってごめんなさい。倉沢さんは十分綺麗だから。じゃあ」
 たたみ方が分らなくて適当に折ったパンティを倉沢の膝に置いてその場を離れることにした。
 そのまま普通に歩いて行ければ格好いいのだが、腰を押さえながらではさまにならない。
 ドアに到着したとき、横から腕が伸ばされ、ドアノブを回そうとした俺の手がさえぎられた。
 見ると倉沢だった。
「綺麗だって、やっぱり見たのかよ?」
 相変わらずにらんでいるが、その表情には小悪魔的な笑みも含まれている。
「えっ、えっ?」
 驚く俺の股間に彼女の手が伸びてきた。
「だったら、私も見せてもらわねぇと割に合わねぇよな」
 倉沢の手はジャージの上から俺の大事なモノをキュッとつかんだ。
「おっ、俺は触ってないですよ」
 これは間違いのない事実だ。
「これから触らせてやるよ」
 そして間もなく倉沢の手がジャージの中に進入してきた。
 同時にパンツの中にも入り、大事なモノに刺激を加え始める。
 ジャージの外から触られたときも立っていたが、直接触られて一気に誇張した。
「ふ、ふーん、結構太いじゃん」
 モノを触りながら倉沢は、下から競りあがるようにして俺の身体に擦り寄ってくる。
 なんとなく触っている指先がぎこちなく感じるのは気のせいだろうか。
 真上に向かってそそり立つモノを上下に動かす手で優しく、時には強くこすりあげてくる。
 先端の一番熱い部分に触れると、そこを重点的に撫で始める。
「くぅ、う、うまいですね」
 正直な気持ちを発した。しかし倉沢は微妙な反応を示した。
「それ、誉めてんのかよ」
 言いながら先端をきつく握る。
「ご想像に、お任せします」
 どう言う意味を含んだ反応なのかわからず、俺は気持ち良さに我を忘れそうになりながらも答えた。
 倉沢はそのまま黙ってしまった。
 それでも手は休まずにモノを刺激している。
 いつのまにかジャージを脱がされ、屋上に下半身丸出しで立っている俺がいた。
 先端から根元に移動した倉沢の手は、今度はイナリを重点的に触り始めた。
 中の玉の感触が気に入ったようだ。
 俺は立っていられずに壁にもたれかかった。
 それが合図だったかのように倉沢は俺の目の前にしゃがんでモノをまじまじと見つめ始めた。
「ふうん…」
 倉沢の今の心情がまったく分からない俺は、何気に倉沢を見下ろした。
 口の周りをわずかに出した舌でぺろりと舐めた倉沢は、そのまま顔を前に出してモノの先端にキスをした。
 いや、ただのキスではない。そのまま口に含んだのだ。
 余りの気持ち良さに、腰ががくがくと震える。
 そのとき思い出した。これは気持ち良いが、気持ち良さにかまけているわけには行かない。今俺の腰は下手に動かせない状態なのだった。
「あの、凄く気持ち良いんですけど腰が持ちそうにないです」
 腰のことが気になってしまったせいか、それまで燃えまくっていたモノも少し柔らかくなった感じがする。
 倉沢はモノを口から抜いて俺を見た。
「なさけねぇな。そこに寝ちまえよ」
 許しを貰えた俺は、早速寝転がった。
 コンクリートの冷たい感触が尻に当たって、さらに萎えてしまった。
 しかし倉沢はそのおかげで触りやすくなったと感じたのか、横に座り口を近づけてモノを吸い始めた。
 モノはあっという間に元気を取り戻し、倉沢の口の中で大きくなった。
 多少ぎこちなく感じる動作はわざとだろうか。だとしたら倉沢はものすごく上手いのだと思う。
 頭を上下に振ってピストン運動。先端をチロチロと舐めたり、口内いっぱいにほお張ってみたり、袋の方を口に含んでみたり。
「お、お…出ます」
 それを聞いた倉沢はモノから口を離した。
 あとは手でしごいて出させるのだろう。そう思ったのだが、
「口の中に出していいぜ」
 と、それだけ言うと軽く髪を直して再び口にモノを含んだ。
 その髪をかきあげるように直す仕草に俺は一気に上り詰めた。
「で、出ます…!!」
 白い液体は彼女の口内へ発射され、倉沢はゆっくりと口を離した。
 口元に軽く手を添えて、小さなコクンという音を立てて白濁液を飲み込んだ。
「にがくないですか?」
 手の甲で口の周りを拭く彼女に聞いてみた。
「なんでよ?てめぇでてめぇのを飲んだことでもあんのかよ?」
「いえ、タンパクが多くて苦いって聞いたことがあるもので」
 いらぬことを話したかなと思いつつ、一発抜かれて満足した俺はそのまま寝転がっていた。
 が、倉沢は立ち上がり、第2ラウンドの準備を始めた。
 俺の顔の両脇に足を置いて立ったのだ。
 俺からは倉沢のミニスカートの中身がはっきりと見える。
 パンティは脱いだままだし、ミニスカートで日の光がしっかりと入るので銀色に光る産毛のような薄い毛と1本筋のスリットがまんま見えるのだ。
「綺麗か?」
 突然問われて、俺は慌てて彼女の股間から目をそらして彼女を見た。
「綺麗かって聞いてんだ」
 声が多少震えているような気がする。
「ガキみてぇだろ。毛はねぇし、形も赤ん坊みてぇだろ」
 ひょっとして俺は倉沢のトラウマに触れてしまったのだろうか。
 俺は正直に答えることにした。
「綺麗ですよ。毛の有無なんて関係ないし、形だってただれたように使い込んだのに比べたら月とスッポン、月すらも足元に及ばないですよ」
 それを聞いた倉沢はゆっくりと腰を下ろし、膝を付いた。
 股間が目の前に来る。
「じゃあ、舐められるか?」
 俺は何も言わないで両腕を彼女の太股に回すと、目の前の股間を更に引き寄せてそこに口を付けた。
「あっ」
 外性器と言われる大陰唇などを重点的に、円を描くように舐める。
 太股と大陰唇の間も執拗に舐め、しばらくしてからスリットの表面をなぞるように何往復も舐めまくった。
「あ…あ…」
 倉沢は今ごろどんな表情をしているのだろうか。スカートが邪魔をして見られない。
 スカートを引っ張って目だけを外に出して様子を伺った。
 自分の体を抱きしめるように胸の辺りで腕を回し、前屈み気味にうつむいている。
 目をぎゅっとつむり、口をへの字に曲げてやり場のない気持ちを堪えているようだった。
 スリットの表面を舐めつづけると、それまで固かったそこも徐々に柔らかくなり、ちょっとした拍子に舌先がつつっと潜ってしまった。
「ひゃあっ」
 倉沢の首だけが反り返る。
 自分の体を抱いていた腕を反射的に股間へ伸ばそうとするが、へその辺りで堪えるように止まり、こぶしを握って手を落ち着ける。
 入りやすくなったことで、今度は中を重点的に責めるようになった俺は、ある所を舐めるたびに彼女の身体が大きく反応するポイントに気が付いた。
 そこがクリなのだろう。
 舌を細かく、強く、弱く、クリだけを執拗に攻める。
「ああああっ。だめっ、やめ…」
 さっきまでの男言葉はどこへやら、しおらしく叫ぶ。
 ついに堪え切れなくなったのか、彼女の手が股間に伸びてきた。
 俺の顔を押さえるが、俺は舐めることをやめない。
「ああっ、だめっ。切ない、切ないよぉ!」
 彼女の太股を押さえていた腕を離した。
 片手は制服の上から彼女の胸を触り、もう片方の手は彼女の股下に潜らせた。
 指を1本立てて彼女のスリットへ一思いに突きたてる。
「はぅああっ。は、入ったの!?」
 根元まで入った指をゆっくりと出し入れすると、彼女は更に喘ぐ。
 しかし、角度的に挿しづらい。代わりに親指の方で彼女の肛門をまさぐり始めた。
「あ、ダメ。そんな、汚い…」
 彼女は手を後ろに回して、肛門をいじることをやめさせようとしてきた。
「汚くないですよ。綺麗だって言ったじゃないですか」
 快感にまどろんでいる彼女に聞こえているのだろうか、と思いつつ再び攻め始める。
「あ、あ、ふああん、あ、あ…」
 スリットに入れる指を2本にして中を広げてもてあそぶ。
 その間肛門をまさぐる親指はあっさりと入った。
 もう一押しでイクのではないかと考えた俺は、スリットに入れていた2本の指と、肛門に入っていた親指とをタイミングを見計らって力任せに引き寄せ、さらにクリを軽く噛み付いた。
「ああああーっ」
 彼女の中から大量の液体が溢れて来た。
 これが潮か?と思ったが違った。それは彼女のオシッコだった。
 トイレに行って間もなかったせいもあって、大量と言うほど大量ではなかったが、口の周りや首の辺りがオシッコ塗れになってしまった。
 倉沢は倒れそうになったが両手で身体を支え、荒い息を繰り返した。
「はあ、はあ、はあ…。なあ、何でクラスメイトの私に敬語なんか使うんだよ」
 さすがに返事に困った。
 不良相手にタメ口きけないと思ってのことだったが、今それを言ってはいけない気がしたからだ。
「ん、なんとなく…」
「正直に言っていいぜ。不良が恐いってな」
 そういう彼女は悲しそうだ。
 そんなことはないと言うおうとしたが彼女の方が先に口を開いた。
「敬語やめたらもっといいことしてやるぜ」
 それを聞いたからではないが、少し怯えつつも敬語をやめて話す事にした。
「敬語はやめるけど、これ以上のいいことなんて期待しないよ」
 今は敬語をやめることが彼女の為のような気がしたからだ。
「やっぱり私みたいなのが相手じゃ嫌かよ」
 どうも誤解されやすい。
「ち、違うって。逆だよ。倉沢みたいな美人が俺みたいなのを相手にしていることが不思議で恐いんだよ」
 慌ててちゃんとした理由を告げた。
 すると、倉沢はまたも真っ赤になった。
「ふ、不思議って、勝手に不思議に思うなよ。り、理由なんて…」
 彼女の目が泳ぐ。
「ただ、ヤリたいと思ったからだよ!」
 言ってからしまったと思ったのか、真っ赤だった顔が更に赤くなり、耳も首も、全身が真っ赤になった。
 無茶苦茶可愛いと思ってしまった俺は俺の顔の上にある彼女のお尻をどかして、ジャージをきちんとはくと彼女の隣に座って彼女の肩を抱いた。
「倉沢、すごく可愛いよ」
 少し歯が浮きそうになるが、正直な感想だ。
「ばっ、何言って…あっ、なにジャージはいちまってるんだよ!?」
 照れ隠しに話を逸らそうと言うのか、倉沢は俺を突き飛ばして、ジャージを指差した。
「なんでさ。いいって言ったじゃないか」
「良くねぇ!二言はしねぇ主義なんだ!ほら、腰がいてぇんだろ、そこに横になってろ!」
 また恐くなりだした倉沢に逆らったら危険だと思い、ゆっくりと横になった。
 と、彼女の手で再びジャージを脱がされ、モノが再び外気にさらされた。
 俺の上で仁王立ちになった倉沢は制服を脱いで腹の上に腰を下ろした。
 滅多に太陽の下にさらされないせいか、水着の跡すらなく白い素肌が眩しい。
 ピンクのブラジャーを外し、ちょっと濃い目の乳首が姿をあらわす。
 スカートはそのままなので全てが見えるわけではないが、倉沢のヌードに俺は見とれた。
「倉沢、やっぱり綺麗だよ」
 その台詞に倉沢は怒っていた筈の顔を気難しい顔に変えてうつむいた。
 自分の胸を見て、軽く筋の見える腹筋を撫でて倉沢は口を開いた。
「それだよ、理由は」
「え?」
「お世辞でも私のこと綺麗だなんて言ったのはてめぇだけだったんだよ」
 最後まで言い切るといきなりキスをしてきた。
 彼女の方から舌がのばされ、俺の舌に絡めてくる。
 彼女の手が俺の手を取り、乳房へと導いていった。
 じかに触ってみると柔らかさは格段に違っている。胸の大きさはC程度だろう。
 ゆっくりと揉んでみると乳房は手に吸いついてきた。
「んっ、んっ」
 自然の流れのままに俺の手は彼女のスリットへ、彼女の手は俺のモノへ、向けられた。
 二人とも一度真面目な話しをしたために冷めていたはずなのに、どちらのモノも熱く、出来上がっていた。
 長いキスを彼女の方から離すと、彼女は身を起して膝で歩きながら腰の位置をずらした。
 そこはもうモノの真上だ。
 それまで物を擦っていた手を止めて、腹に沿って立っていたモノをほぼ垂直に立たせる。
 その先端めがけて彼女のスリットがゆっくりと降りていく。
 スリットと先端が触れて倉沢の動きが一瞬止まった。
 そして再び動き出す。
 ずぶずぶという擬音がぴったりな入り方をするモノは、スリットの中の気持ち良さにぴくぴくとうごめく。
 数センチも埋まった辺りで倉沢の動きがまた止まった。
 倉沢が深い深呼吸をする。
 俺があれっ、と思った次の瞬間、倉沢は足の力を抜いて腰を一気に下ろした。
「ぐっ、くぅう…!」
 それまでゆっくりと飲み込んでいっていたのに、一瞬のうちにモノは中へ入り切ってしまった。
「はああぁぁ」
 瞳に涙を溜めているが、その顔はどこか嬉しそうだ。
 まるで、なにか大仕事をし終えた直後のような…。
 そんな表情もつかの間だった。
 思い出したように倉沢は腰を上下させ始めたのだ。
「ぐっ、ひっ、ふはっ…!」
 上下させるたびに悲痛な声が漏れる。
 俺はというと、確かにこすられている気持ち良さはあるのだが、機械的な動きになかなか上り詰められないでいた。
 それどころか、倉沢の悲痛な声に、俺が残酷なことをしているような気になってしまったのだ。
「イキそうになったら言ってくれよ。さすがにこっちは中に出されちゃマズいからな」
 痛みに少しなれたのか、久々に悲鳴以外の声を聞けた。
 しかし…、
「イケないよ。そんな苦しそうに、事務的に動かれたら…」
 倉沢の動きがぴたりと止まる。
「…はは。バレバレか」
 モノを挿したまま俺の胸に突っ伏す。
「そうだよ、これが初めてだよ。てめぇが上手いって言ってたフェラもお初さ」
 俺は何も言えない。
「でもバージンじゃないんだぜ。笑っちまうだろ」
 そっと俺の胸板を撫でる仕種が妙に物悲しい。
 そのうち胸に熱い物が滴った。
 涙だ、そう思ったが、俺は今どうしたらいいのか分からず、結局黙ったまま様子を伺った。
「先輩と大喧嘩してな。そんとき体育倉庫に縛り付けられて、そこにあったバトンでずぶりさ。それ以来、誰にも見せたことはなかったんだ。こんな汚れたもの…汚されたもの、誰にだって一生見せるもんかって思ってたんだ」
 彼女の震えが伝わってくる。
 思い出したくない過去なのだろう。
「だけど、そんな私を綺麗だと言ってくれた。お世辞でも良かったんだ。汚い私を綺麗だと言ってくれた、それだけで」
 俺はそっと彼女の頭に手を添えた。
 ゆっくりと撫でてやると、彼女は声を大にしてワンワンと泣き出した。
 モノは徐々に萎えてきたが元々が長いせいか先端は彼女の中に残っている。
 彼女は泣き続け、俺は身動きできずに彼女を抱きしめ続けた。
 どのくらい経っただろうか、鐘の音が学校中に響き渡った。
 授業終了の合図だ。
 俺は慌てて時計を見た。
 普通の休憩なら屋上に来る者はいないが、昼休みだとすると屋上で食事を摂ろうと言う者が少なからずいるのだ。
 見ると時間はきっかり12時を指していた。
「ま、まずい。起きてくれよ。他の奴らがくる」
 それを聞いて倉沢も慌てた。
 涙を拭いて起きあがった。
「おっ」
「あんっ」
 途端に接合部がこすれ合い、互いに声を出してしまった。
 倉沢は急いでブラジャーと制服を着け、身を整えた。
 俺はTシャツを戻してジャージをはこうとしたが、そこで手が止まった。
「うわっ、ぐっちゃぐちゃ。このままパンツはくのか?」
 それを見た倉沢はしょうがないなとばかりに近づいてきた。
「ほら、足を広げて!」
 ポケットから出した白い布切れで俺のモノとその周囲を拭き始めた。
「あれ、それって…」
 見間違いでなければ倉沢のパンティではないのか?
「いいんだよ。拭く方が先だろ。あれっ、この血って…」
 見るとべとべとの液に混じって赤いものが見える。
「俺じゃないぞ」
 倉沢は慌てて自分のスカートをめくった。
 彼女の股間もべとべとだが、あきらかにスリットの中から流れた一筋だ。
「まだのはずなのに…」
「そういやぁ、膜って最初の頃はしばらく使わないと復元するって聞いたことがあるぜ」
 互いに顔を見合わせる。
 そのとき、階段の方からがやがやと声が聞こえてきた。
 慌ててジャージをはき、倉沢はスカートを直して白い布切れを後ろ手に隠した。
 そしてドアが開くと同時に何もなかったように倉沢は他の生徒たちを押しのけて屋上を去った。
「あれ、何してんのこんなところで」
「ん、日光浴」
「あはは、なにそれー」
 いつのまにか腰の痛みもなくなった俺も屋上を去って階段を降りていった。
 4階の踊り場に倉沢の姿を見つける。
「腰、大丈夫か?」
 他の生徒の手前、屋上ではそ知らぬ振りをしていたようだが、気になって待っていてくれたようだ。
「ああ、だいぶいいみたいだよ。…良かったな、倉沢」
 並んで階段を降り始める。
「うん?」
「その、ロストバージンの相手がバトンなんかじゃなくってさ」
 倉沢は普通の女子高生のようにぽっと顔を赤らめた。
 そして微笑む。
「でもそれだったらもっといい男を選ぶべきだったよ」
「なにそれ、ひっでーの」
「あははは」
 壁に耳ありとは良く言ったもので、親しげに話している俺たちを見ていたものがいたらしく、ほんの数日で噂になり、公認のカップルとなるのもあっという間だった。
「よくあんな不良と付き合う気になったな」
 噂が立った最初の頃は誰もがこう聞いてきた。
 俺は否定することもなく、こう答えたものだ、
「そんなことないよ、あんな可愛いくていい娘なんてめったにいないぜ」、と。
・・・おわり
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