「お兄さんだよ。今日はムギタンが「初マスターをやるから見に来てね」なんて殊勝なことを言ってるから、横で見ていて大笑いしてやろうと思っているのさ。でも、いろんなルールブック持って来いって言ってたなぁ、なんでだろう?」
こんこん、かちゃ。
やあ、ずいぶん遅いご到着だねお兄さん。こっちだよこっち」
「おはようムギタン。ところで今日はどんなシステムでやるの?」
(ムギタン、奥に手招き)ちょいちょい、こっちこっち。
女の子×4がこっちに来る。高校生ぐらいだろうか?
「こんにちはー!」
「ああ、どうもこんにちは」
この人が、今日マスターをやってくれるお兄さんです。みんな、挨拶しましょう。よろしくねー!
女の子×4「よろしくぅ〜」
「ぶっ!!ム、ムギタン、どういうことかなぁ(怒)!?お兄さん思わず首根っこふんづかまえちゃうぞぉ」
シナリオ考えてたんだけど、出来なかったの。てへ。
「うん、それで?」
もう人は呼んじゃったから、とりあえずどうにかしなきゃいけないなと思ってお兄さんに来てもらったんだよ。分かった?
「つまり、お兄さんにムギタンの尻拭いをさせるわけだね?
有り体に言っちゃえば、そういうことになるかな?僕も何となくマスターよりプレイヤーの方が向いてるかなーなんて思うし。
「そうゆう初心者のようなマスター回避法は止めてね。お兄さんめちゃくちゃ寂しくなるから。実際にそういう風に言われたことあるし」
で、今日は何をやるの?あ、ちなみにあの子達はけっこう初心者っぽいから濃ゆいのは止めてね。コンピュータRPG上がりの子だから。
「そうか、わかった。じゃあ『クトゥルフの呼び声』でも…」ごそごそ
お兄さん、今度きっちり謝るからそれだけは止めて(泣)。
「仕方ないなぁ、何がいいんだい?」
『スペオペヒーローズ』!!それともなければ『蓬莱学園』!!この際だから『パワープレイ』でもいいよ。
「そんなの初心者にはやらせられないなぁ。そうそう、今日は『FATMAN』も持ってきたんだよ」
お兄さん、小さな手提げ鞄の中にどうしてボックスタイプのゲームが二つも入っているの?
「デボリアンバッグだからさ。あ、持ってきた『TORG』が無くなってる…」
またマニアックなアイテムだなぁ。いいから早くやってよ。
「しかたないな。じゃあ、『番長学園!』にしますか。キャラクターの作り方を説明しまーす。まずは、能力値決定をD6で…」
D「マスターのお兄さん、【でぃーろく】ってなぁに?」
「はわぁ!!そこからの説明だったね!ムギタン、人数分のD6とD10を配ってー…。えーっとね、今みんなに配っているのが基本的なサイコロで6面体と10面体。6面体の方を【D6】、10面体の方が【D10】と言う風に……」
途中略。
「『―――と言うことで【振動番長】の野望は潰え去り、番長学園の危機は無事に回避できたのでした。めでたしめでたし』ってことで、シナリオ終了とさせていただきます。皆さん、お疲れさまでした。えーと、できれば感想なんてものを聞かせて欲しいと思いますが…」
A「ふー、面白かったですー」
B「そうかなぁ、もっと一杯やりたいことがあったのにぃ!!もう一回やろうよー」
C「難しいんですねー、私には向いてないのかも…しょぼん」
D「なんか、思ってたのと全然違うなぁ。ちょっとガッカリ」
ふーん、一本のシナリオなのにみんな別々の感想を持ってるんだねぇ。お兄さん、みんな一致した意見の場合って無いのかな?
「そんなこと無いさ。お兄さんの仲間内なんかは大体意見一致するよ。ただ、やったことのない人は想像をもってゲームをすることが多いから、そんなに一緒の意見にはならないよ。同じシーンを他の人がやると他のシーンになるぐらいだからね。あとは、割り振られたシーンの出来にもよるかな?」
贔屓したって事?そうすると、やっぱりカワイコちゃんは得なのかな?
「ムギタン、それはマスターに対する問題発言だよ。贔屓とか、仲間外れとかっていう事は、シナリオ中では絶対にやっちゃいけないんだ。もちろん、シナリオ中じゃなくたって駄目なんだけどね。あるサークルの話なんだけど、シナリオ中のちょっとした行き違いから始まった仲違いが、結構大きかったそのサークルを真っ二つに割っちゃった、なんて話しもあるぐらいだから」
TRPGって知的なゲームの筈だよねぇ、お兄さん。
「まぁ今回は、意外と良い雰囲気で終わってくれて助かったよ。できれば、使い回しじゃないシナリオをやってあげたかったけどね」
A・B「あの…」
「ん?なんでしょ?」
A・B「今度、またマスターをやってもらえますか?このゲームって面白いから」
C・D「アタシ達はいいや。こういうのって、チョット苦手だし…」
「うーん…。苦手と言った2人には、このゲームだけでTRPGと言うものを判断して欲しくないな。実を言えば、このシステムってあんまり初心者用じゃないんだよ。今度は別のシステムを使ってシナリオを創るから、それをやってから判断してくれないかな。次はいつ頃ヒマ?」

ムギタンです。えーと、今回のテーマって『初心者相手のちょっとしたマスター心得 その1』っていうものだったんだ。何年もこのゲームをやっている人には簡単なことが初心者には意外と難しかったりするから、そこに気付いてあげられるかはマスターの腕の見せ所かな?



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