ご協力:長安倶楽部日本料理『日本橋』
               料理長 高橋 陽一
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簡単

旬の日本料理

   暦の上ではもう春です。市場にも春らしい野菜が増えてきました。春野菜には、体に精のつくものがたくさんあります。アルカリ性の強いものが多く、冬の寒さに耐えてきた体を自然に直してくれます。市場には、葉の花、春菊、グリーンアスパラなど、緑色のきれいな野菜がいっぱいです。たけのこなども、雲南の方から来ていると聞きました。今は以前と違い、日本の献立に必要な春野菜は、市場で探せば意外に簡単にそろうかもしれません。
   今回は、現在野菜市場に出ているたけのこ、菜の花、それに旬のはまぐりを使った料理を紹介いたします。

たけのこの直がつお煮
   ゆでたけのこを約1.5cmの厚さの輪切りにし、先の方は縦に4つぐらいに切ります。削り節と分量の水、調味料でおとし蓋をして煮ます。この時に砂糖みりんを最初に入れると甘味が増しておいしくなります。少ししてから醤油を入れて、汁がなくなるくらいまで煮ます。だいたい汁気がなくなれば出来上がりです。このたけのこを器に盛り、菜の花を青味として添え、たけのこの上に削り節を載せます。 〈ワンポイント〉菜の花は、4〜5分咲きの小さなつぼみを熱湯でさっと塩茹でにします。このまま醤油をかけてもほろ苦くておいしいですが、今回は青味なので、ちょっと濃めの吸い物地に漬けておきます。

◆ 材料4人前   
たけのこ:500g   
削り節:40g   
水:カップ2   
砂糖:大さじ3   
みりん:大さじ1   
醤油:大さじ5


たけのことはまぐりの炊き合わせ
   たけのこは、「たけのこの直がつお煮」と同じように切ります。はまぐりも「はまぐりの吸物」と同じように火を通しておきます。鍋に出し汁、調味料を入れて、たけのこを先に煮て味が染み込んだら、わかめとはまぐりを入れて煮ます。これはすでに火が通っているので、温める程度にします。わかめもあまり煮ると溶けてしまうので、煮すぎないようにします。器に先にわかめを盛り、たけのこを立て掛け、はまぐりと菜の花を添えます。そして温めた汁を上から掛けて出来上がりです。
◆ 材料4人前   
たけのこ:500g   
もどしわかめ:40g   
出し汁:カップ5   
酒:大さじ1   
塩:小さじ2   
醤油:少々   
はまぐり:8個   
菜の花:少々
. はまぐりの吸物
   よく洗ったはまぐりと昆布を一緒に水から煮ます。ことこと煮ているうちに汁が白く濁ってきます。これは、はまぐりから味が出てきているということです。沸騰寸前に昆布を取り除き、調味料で味付けします。お椀に盛る時は、身の入っていない半分の殻は捨て、身が入っているものだけを使います。なめことはまぐり、そして菜の花をお椀に盛り、汁を注ぎ入れて出来上がりです。
◆ 材料4人前   
はまぐり:8個   
昆布:5cmぐらい   
水:カップ5   
酒:大さじ1   
塩:小さじ1   
醤油:少々   
なめこ:少々   
菜の花:少々

☆ たけのこの選び方
   たけのこは皮付きのものを選びます。だいたい500gから1kgでちょっと太めのものがいいようです。日本では朝掘りたけのこなど、掘りたてのたけのこを買えますが、中国ではちょっと難しいようです。見た目があまり黒くなく、あまり乾燥していないものを選んで下さい。

☆ たけのこのゆで方
   先に皮の外側をよく洗います。根元の堅い部分を切り、先の方も斜めに切って、身を傷つけないように皮に一本切り目を入れます。えぐみを抜くために日本では米ぬかを使って茹でますが、なければ米の研ぎ汁か生の米をひと握り入れます。あと唐辛子を5〜6本入れます。たけのこがかぶるくらい水を入れ、おとし蓋をして1時間ぐらい茹でます。ほぼ1時間経ったら串をたけのこに刺してみて、すんなり入れば茹で上がりです。茹で上がったらその茹で汁のまま一日置き、次の日に皮をむいて掃除します。水を流しながら皮目に指を入れて剥がします。簡単に皮がむけますから、あとは串などを使ってきれいにし、水の中に入れておきます。

☆ たけのこの使い方
   たけのこは、先の方は柔らかいので吸物や汁物に、真中は煮物や揚げ物などに、根元の方は少し固いので、炊き込みご飯などに刻んで入れるといいでしょう。

☆ はまぐりの選び方、使い方
   はまぐりも春が旬の食材で、おひな様とかお祝いの席の料理にもよく使われます。堅く口を閉じているもの、貝と貝を打ち合って澄んだ音がするものを選びます。死んでいたり、弱っているものは澄んだ音がしません。
   次に砂を吐かせます。一般の方は、大きめのボールに海水と同じ濃度の塩水を作り、金物に入れて砂を吐かせているようですが、実際は、海水より少し薄めの塩水を作り、底の浅いバットなどにはまぐりを並べて頭が出るくらいにしておくとよく砂を吐きます。この時に、下にざるなどを敷いておけば、はまぐりが再度砂を噛むことはありません。また、少し暗い場所に置いておくこともポイントです。

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