ご協力:長安倶楽部日本料理『日本橋』
    料理長 高橋 陽一
    TEL6522-9988ext6615/6616
簡単
旬の日本料理

中国のアスパラ

7〜8年前は、三里屯など外国人が集まる場所でしか手に入らず、価格的にも高く、完全に外国人向けの食べ物だった。ホワイトアスパラは特に貴重で、最近まで缶詰を除いてはなかなか新鮮なものが手に入らなかった。

原産地

原産地はヨーロッパと言われ、紀元前から、春を告げる野菜として親しまれている。ヨーロッパには、「アスパラ料理」を看板にしたレストランもあるほどメジャー。

適した風土

比較的寒冷な地域で栽培されている。日本では、北海道、福島、長野などが主産地。中国でも、最近は広い地域で栽培されていて、北京近郊でハウス栽培もしている。

美味しい季節

露地物は、3月初めから広東省の地方で出荷がはじまり、北京には空輸されてくる。暖かくなるにつれて、産地は徐々に北上し、北京では、4月の終わりから5月、6月が最盛期。

種類

中国と日本のアスパラは、基本的に同じ種類で、自然のまま日光を当てて育ったのがグリーンアスパラ、芽が伸びる前に盛り土をして白く軟化させたのがホワイトアスパラ。ちなみに、うどは地下道で作り、黄にらは袋をかぶせることで光合成を防いでいる。

秋田の野生種

秋田県では、4月から6月に掛けて野生のアスパラ(山菜)が採れ、民謡になるほど親しまれている。学名は「しおで」。秋田弁では、「しょでこ」または「ひでこ」と呼ぶ。味は栽培種とそっくりだが、野生種なので数が少なく、市場にはほとんど出回っていない。
今号から「食材」や「調味料」の「ちょっと面白い情報」を紹介し、その食材や調味料を使った料理を掲載します。今回は、子供から大人まで、年齢を問わず人気があるアスパラガス料理をご紹介します。

《今月の野菜》

アスパラガス

(中国語名:芦笋 lú sûn)

「アスパラの芥子酢味噌あえ」

@ 茹でて水に取り、ざるに上げて冷ます。
A 水をよく拭き、アスパラを5センチくらいの長さに切りそろえる。
B 器に盛り、芥子酢味噌を鞍掛け(馬の鞍のような形)にする。

《材料(4人分)》
アスパラ150g
芥子酢味噌(練り芥子:小さじ2・白味噌:60g・砂糖:大さじ1・酢大さじ3)

選び方

穂先まで堅くしまって、全体的に緑が濃いもの、手でつまんでみずみずしいものを選ぶ。

栄養価

カロチン、ビタミンCを多く含む。ホワイトアスパラの栄養価もグリーンアスパラとほぼ同じ。

食べ方

生のまま天ぷら、フライ、炒め物にしたり、茹でてサラダにする食べ方が一般的だが、新鮮なアスパラを直火でバーベキューにしても甘みが出ておいしい。洋風の素材のため、ホワイトソース、マヨネーズ、バターなどがよく合う。しかしくせがない食材なので、どんな取り合わせにもマッチし、和え物、おひたしなどの和風もお薦め。

そうじの仕方

まず、根の近くを持って折る。両手で根元部分を持ち、簡単に折れる部分より上が、柔らかくておいしい。茎が堅い場合は、根元に近い部分だけ一皮むいて柔らかい部分を使う。

保存の仕方

空き缶などに少し水を張り、根を下にして冷蔵庫に入れる。古くなると筋が出てきて堅くなるため、新鮮なうちに料理する。

茹で方

茹でる時は、なるべく切らずに長いままで塩茹でにする。1〜2分茹でたら、火が通ったかどうかを確認する。長く茹ですぎず、少し歯切れを残すようにする。最後に、氷水で冷ますと緑色がきれいに出る。

たかはしよういち
1961年秋田生まれ。自然の中でアユ、きのこ、つくし、くり、山ぶどうなどを採った少年時代から、食材への興味が膨らみ始める。「割烹秋田くらぶ」で修行を始め、「日立社員クラブ」「麻布三越料理長」「セリビア万博日本館料理長」「北京三越料理長」等を経て、現在、長安倶楽部日本料理『日本橋』料理長。

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