留学生が見た中国ビジネストピックス 第5回

「肯徳基・麦当労、テレビ広告で激戦」

99.12.13 梅田ゆみ

《筆者プロフィール》
京都産業大学外国語学部中国語学科に在学中。'99年2月より首都経済貿易大学に漢語進修生として留学。就職活動を来年にひかえ、現在は中国語の勉強に熱中。夢はコンリーやビビアン・スーと中国語で会話をすること。

1. 1998年、ファーストフード業界のCM状況
麦当労−24,550回 9,602分間 21,518万元(第1位)
肯徳基−14,850回 4,901分間  8,487万元
肯徳基のCM投資費用は麦当労の39%、しかし1999年には大きな変化が生じた。

2. 1998年上半期と1999年上半期の北京、上海、広州の三大都市でのCM投資比較
   1998年上半期、麦、肯共に北京をCM重点都市とし、投資額は共に600万元を超えた。しかし1999年上半期には、どちらも重点都市を上海に移し、麦の上海での総広告投資額は843万元に達し、肯を165万元上回った。(表2、3参照

3. 麦当労の“麦辣鶏翅”の発売、肯徳基に影響
   麦が肯の“香辣鶏翅”に続いて“麦辣鶏翅”を発売し、中国に“辣鶏翅”旋風を巻き起こすこととなる。
   肯徳基の1999年7−8月の三大都市でのCM投資額は明らかに増加(表4,5参照)している。1998年7−8月の45%増加 増加速度は北京の3.3倍(麦はそれに比べて安定)である。

4. 麦当労“子供戦略”の継続
子供用セットを買うと付いてくる玩具
・ 多くのCMが児童を主な対象そしており、時期によって異なった玩具により子供たちの購買欲をかきたてる。家族の温かさ、友情などもCMの背景として用いている。
・ 朝食を食べる暇のない“白領”(ホワイトカラー)に対しても、工夫を凝らした朝食を販売している。
・ 肯のCMは比較的単一で、独自の手法や素材を売りとしている。しかし最近ではやは、子供を引き付けるアニメや玩具も重要視している。

5. 私見
   お互い競争し合って、消費者によりよい商品を安く提供してもらいたい。それぞれの店独自の商売方法はこれからも続けて欲しい。上海の需要の多さがうかがえる。


表1.1998年二大ファーストフード広告投資状況対比(全国350余りのテレビチャンネル)
名称回数長さ(分)額(万元)
肯徳基24,5509,60221.518
麦当労14,8504,9018,487

表2.1998年上半期二大ファーストフード広告投資対比(単位:万元)
名称北京上海広州
肯徳基624442456
麦当労612549222

表3.1999年上半期二大ファーストフード広告投資対比(単位:万元)
名称北京上海広州
肯徳基524843451
麦当労461678249

表4.1998年7−8月二大ファーストフード広告投資対比(単位:万元)
名称北京上海広州
肯徳基230330182
麦当労6715042

表5.1999年7−8月二大ファーストフード広告投資対比(単位:万元)
名称北京上海広州
肯徳基285322166
麦当労226239109


<参考>
【肯徳基】・・・ケンタッキー・フライド・チキン
【麦当労】・・・マクドナルド
【麦辣鶏翅】・・・マクドナルドのピリ辛クリスピー
【香辣鶏翅】・・・ケンタッキーのピリ辛クリスピー
1元=約13円

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