Ken's Shelf



ここでは、僕のレコード棚にある思い出に残るレコードや、オススメのCDなどを中心に 紹介します。レコード以外の珍品、自慢の品が飛び出すかも・・・


目次

1. The Bessie Smith Story('23〜'33 米コロンビア)
2. Charlie Christian Memorial Album('40前後 米コロンビア)
3. Other Voices / Erroll Garner ('57 米コロンビア)
4.古井戸ライヴ('73 エレック) 
5.'Round Midnight/Miles Davis (’55米 コロンビア)
6.Blow A Fuse/Earl Bostic (英 Charly Records)
7. Porgy &  Bess (オペラ「ポーギーとベス」'34 GERSHWIN)
8. Dodo Marmarosa Dail Masters ('47 米Dail)
9. Lee Wiley Sings Youmans & Berlin ('51 米コロンビア)
10.Standards,Vol 1/Keith Jarrett ('83 独ECM)
11.Ken's アコーディオン (伊 Exelsior社)
12.The Art Tatum Solo Masterpieces ('50s前 米パブロ)
13.JAZZ8/JAZZ (海賊版譜面)
14.Saturday Mornin / Sonny Criss ('75 米ザナドゥ)
15.PROMISE / SADE ('85 蘭CBS)
16.FINE ARABIAN STUFF / Fats Waller('39 米デラックス〜ミューズ)
17.At The Cafe Bohemia / Kenny Dorham ('56 米ブルーノート)
18.ON STAGE / Louis Armstrong ('37〜'54 伊JAZZLIVE海賊盤)
19.JBL4425 (オーディオスピーカー)
20.The Divine Sarah / Sarah Vaughn ('46〜'47 米Musicraft)
21.Holiday Soul / Bobby Timmons ('65 米プレスティッジ)
22.Jazz Heritage Series/Jay Mcshan 1941〜43 (米 MCA)
23.Smokin' At The Half Note / Wynton Kelly Trio & Wes Montgomery('65 米 バーブ)




23.Smokin' At The Half Note / Wynton Kelly Trio & Wes Montgomery ('65 米 バーブ)

’60年代、ニューヨークの少し辺ぴなところ、ハドソン川沿いに「Half Note(ハーフノート)」というジャズクラブがにぎわっていた。ウィントン・ケリー(p)は、ハーフノートでたくさんの演奏を残している。バド・パウエル一辺倒から世界に唯一の自分流の節回しをあみだした大好きなピアノ。
当時、マイルス・デイビスバンドのリズムセクションをつとめて、とてもノってるケリーと、ゲスト参加のウェス・モンゴメリーの進境めざましいギターが聴ける(Liveは2曲)。トリオのみのライブ演奏のCDもザナドゥレコードから出ていて、ケリーはこちらがおすすめ。
ニューヨークのハーフノートでは他に、リー・コニッツ(as)や、ズート・シムス(ts)、ジョン・コルトレーン(ts)のライブ盤がある。
僕が毎晩演奏する札幌のハーフノートの壁にはこのジャケットが飾ってある、ここでケリーが演奏したらどんなだろうか。。
22.Jazz Heritage Series/Jay Mcshan 1941〜43 (米 MCA)

「カンサス・シティの侍たち」というすばらしい映画があった。カンサスシティには独自の文化があった。あまり流行にとらわれない、リズムを重視したジャズやブルースがあった。泥臭く、土地の誇りも感じられる。カンサスのピアニストといえばカウント・ベイシーと、このひとジェイ・マクシャン。
映画でもすでにそうだが、歳とるほどに飾り気なく素朴なブルースピアノを弾いていたが、このレコードはマクシャンがビッグバンドを率いていた頃のものだ。B面ではNYに進出した華々しい時代だ。ジャンプ!ジャイブ!かと思ったら、思いのほか上品で美しいジャズブルース。でもやはりカンサスの匂いです。
そしてこのレコードでは何と若きチャーリー・パーカー(as)のスウィングスタイルの演奏が聞けます。パーカーはカンサス出身だった。こういうところを経て、ビ・バップの新しいブルースを作っていったんだなあ。
21.Holiday Soul / Bobby Timmons ('65 米プレスティッジ)

ジャズメッセンジャーズの「モーニン」などで一世を風靡したファンキーピアニスト、ボビー・ティモンズ。自分にとってはずっとこだわりがあり「こんなふうにまっ黒なピアノを弾きたい」といつも思っていたもんだった。研究すると、ファンキーなんて言葉でくくれない深さに仰天した。バド・パウエルなしには語れないし、アートテイタムを聴いている錯覚に陥ることもある。すごく端正だ。
コマーシャルな音楽から程遠い印象があるボビー・ティモンズだが、晩年はけっこうB・バカラックとか映画音楽にもチャレンジしている。これはなんとホリデー=年の瀬アルバムなのだ。クリスマスソングや、「蛍の光」まで演奏している。でも、演奏は泥臭い超一級のジャズで、クリスマスのアルバムとしても大好きな一枚。ラストの「You're All I Want For Christmas」は泣ける(マライアキャリーのとは異曲)。
20.The Divine Sarah / Sarah Vaughan ('46〜'47 米Musicraft)

実際に会うとあまりにこじんまり可愛らしい大歌手サラ・ボーン。これはデビューの録音です。
自分が20歳くらいだったか、サラ・ボーンが「枯葉」というすごいアルバムを出した(原題はちがう、パブロレコード)。チャーリー・パーカーのように歌うやつだ。その翌年だったと思うが、来日し札幌公演を見に行った。すばらしいコンサートが終わって楽屋からバスに乗り込むところを待ち構えて、握手してサインをもらった。身長2.5メートル体重200kgはあるんだろう(あるわけないって)、とその大きなステージに圧倒されていたから、あまりに小さくて「プリティ」なので驚いた。ていねいで字がきれいだった。
サラのデビュー曲はビ・バップを切り拓いていた当時新進タッド・ダメロンの「If You Could See Me Now」。この器楽的な曲でダメロンのバンドでデビューってところがすごいと思い聴いてみたかった。バックはバド・パウエル(p)やケニー・クラーク(ds)だよ。
19.JBL4425 (オーディオスピーカー)

ズタ袋ひとつで家出したとき、最初に友達の家の物置から仕入れてきた家具はステレオだった。
昔、街にはたくさんのジャズ喫茶があった。今はジャズ喫茶はなかなか商売になりづらいといわれる。それは、レコード(CD)が簡単に手に入るようになり、よい音のステレオ(Hi-Fi装置といった)も手軽に買えるようになったかららしい。ジャズ喫茶はあこがれだった。家で聴いてるのとまるで違う音に聴こえる。あやしい雰囲気にものまれていたんだろうが。高校時代、もらったパン代節約して帰りにジャズ喫茶に行ったこともある。そしてチェックしておいた聴きたいレコードを一枚だけリクエストして何時間もねばった。
自分はまったくオーディオファンではない。詳しくもないし、こらない(金もないしねー)。でも、ジャズ喫茶でしか見る=聴くことができなかった大きなJBLとかアルティックなんてメーカーにはあこがれていた。たしかにベースの音ブンブン、シンバルレガート鋭く、すごい音に聴こえたんだから。遠く届かないだろうと思っていたあこがれのJBL。実は、家を出て数年後に親爺と和解したとき、オーディオきちがいの親爺からプレゼントしてもらったものである(「音楽で食べていくならいい音で聴かなければならん」とかいってた。)。とても大事にしてる。
18.ON STAGE / Louis Armstrong ('37〜'54 伊JAZZLIVE海賊盤)

このレコードはジャズの神様"サッチモ"ことルイ・アームストロング(tp)のエアチェックや海賊ライブ録音を集めたものです。オムニバスとはいえ、アール・ハインズ(p)ジャック・ティーガーデン(tb)にシドニー・カトレット(ds)を加えたバンドや、バーニー・ビガード(cl)トラミー・ヤング(tb)との'50年代における再会セッションやら、すごいメンバーです。
サッチモはジャズの創生期からジャズを作ってきた。初期の「ホット・ファイブ」「ホット・セブン」のレコード('20年代後半)は、最先端のジャズを厳しく模索する現代のバンドと同じ、ハングリーでシリアスな雰囲気がある。このアルバムは、音楽が軌道に乗り自分の新たな役割に気づきそれをはじめた〜世界を幸せにしはじめた、ひとつの絶頂期。自信にみちている。


しかし実は、僕がこのレコードを何だか特別に思っている本当の理由はジャケットの写真です。
世界中に生きるすばらしさ楽しさ、幸福というものを、ジャズを通して届け続けたサッチモ。ふと「そういえば笑っていないサッチモ、こんなに厳しい表情のサッチモの写真は見たことがない!」と思いました。


どうでしょうか?  
少し拡大したので見てみてね→  




17.At The Cafe Bohemia / Kenny Dorham ('56 米ブルーノート)

マイルスやガレスピーほど目立たないけれど最高のバップトランペッター、ケニー・ドーハム率いる「ジャズプロフェッツ」にケニー・バレルのギターを迎えた古きアメリカの熱い夜空を飛べるライブレコード。ジャズにかけて邁進続けるドーハム以下、J.R.モンテローズ(ts)若手のボビー・ティモンズ(p)サム・ジョーンズ(b)の突っ走る演奏がもくもくと続く。B面の2曲目で突然「次はちょっと軽い演奏で”ニューヨークの秋”です」というドーハムの声!予想の声とはちがいましたがしびれました(アホ)。
そして、しばらくたってから何と!ケニ−・ドーハムのヴォーカルアルバムがあるということを知りました。即買いしました。世間の評判は、、悪いです。いいんだもん、アメリカのビジネスについても考えさせられる。

この「カフェ・ボヘミア」のライブ、ちなみにCDではこの夜の演奏を網羅した2枚組が出ています(即買いしました)。僕はケニー・ドーハムの作曲がすごく好きだ。「MONACO」「MEXICO CITY」などエキゾチックな名曲ぞろいです(一番好きなのは「マタドール」かな)。

This Is The Moment! / Kenny Dorhem Sings And Plays
←ケニー・ドーハム唯一のヴォーカルアルバム
16.FINE ARABIAN STUFF / Fats Waller('39 米デラックス〜ミューズ)

ストライドピアノの神様、大酒飲みのエンターテイナー、トーマス・"ファッツ"・ウォーラーの楽しい演奏は大好きだ。いつも文句なしにスウィングするテクニックとスピード感は圧倒的ですばらしい。ハメを外し気味のことも多い豪快なファッツ(太っちょという意味)だが、ソロの時はピアノの音色の美しさに気づく。また目立たないがしんみりしたバラードもよく歌って、恋するものの悲しさやエンターテイナーの孤独などを考えさせられはっとする。
このレコードはしんみり系で自分のソロ伴奏の歌が聴ける。演奏しているのは黒人霊歌や古いフォークソングで、ときどき教会にいるような気分になる。そしてB面は、全編オルガン演奏と歌だ、何とこっちのほうがスウィングしてるけどね。むこうの教会ではすごいスウィング!するらしいよ。
15.PROMISE / SADE ('85 蘭CBS)

これは流行ったな、なつかしい。POPSだけど、色気たっぷりのサックスとジャジーなアレンジで、SADE(シャーディー)というアフリカ人のミステリアスなヴォイスとミックスされて、当時はとても斬新だったのだろう。アメリカ追従っぽくないところもよかった。当時プレイボーイクラブのハウスバンドをやっていた自分は、金髪のシンガーのバッキングを務める毎日だった。シンセサイザーなるものも弾き始めていて、このアルバムを有名にした「スムース・オペレーター」という曲をシンセを使ったトリオで、譜面を起こして演奏しなければならなかった。当時片思いをしていたひとがこのレコードを持っているのを知り、借りたのだった。もう、あの娘がこのジャケットをこのビニール袋を(山野楽器と書いてあった)さわったと思うと、胸が熱くなり(アホ)簡単にさわれなかった(アホアホ)、聖なるモノだった(アホアホアホ)。それでこのコーナーに登場したわけ、チャンチャン
14.Saturday Morning / Sonny Criss ('75 米ザナドゥ)

ジャズを聴きはじめのころハマッたレコード、アルトサックスだ。冒頭の「Angel Eyes」を聴いてひっくり返ってしまった。その当時、クリス自身の内面の叫びとともに「現代の景色・苦悩」というものが表現されているな、と感じた。ブルージーとはこういうことだ、と思ったものだ。パーカーと同時代から活躍していたソニー・クリスは'60年代後半からは精神不安定だったらしく、とても頑張ってボランティアの仕事をしたり子供に音楽を教えたりしながら、やっと吹き込んだこのレコードは”カムバック”盤とされていた。見事な集中力とテクニック。「Tin Tin Deo」もすばらしい。このあと何枚かレコードがでた。
でも、僕が高校3年のある日新聞を読んでいて小さな記事に目を疑った。「米ジャズアルトサックス奏者ソニー・クリス銃自殺」ほんとうにショックで、また何度も何度も聴いた。
13.JAZZ8/JAZZ (海賊版譜面)

ジャズやり始めの頃は、今のようにそんなに譜面が出ていなかった。色んな曲を覚えるのに「この曲のコードや歌詞は、どうなっているんだろう?」と、皆色んなところから写し写ししたもんだった。金がないから、友達と2人1組で楽譜コーナーで1人が「コードネーム」読み上げて、もう1人がそれを、メモするなんてこともやった。1人のときは、立ち読みで数小節暗記して、トイレに駆け込みそれを書きとめる、、、(不審な客だ、、!)。この楽譜は、そんな貧乏ミュージシャンがよだれをたらして欲しがった、「著作権フリー」海賊版のアメリカポピュラーソング楽譜集です。先輩から頂きました、ボロボロです。一冊に300〜400曲載ってる。今でも、曲も本も、キラキラ宝石のように輝いている。




12.The Art Tatum Solo Masterpieces ('50s前 米パブロ)

これは2まんいぇんしました!!(死ぬかと思ったー。)なぜって、特別手に入らないわけではありません、たんに13枚組LPだからです。ピアノの神様アート・テイタムが晩年、ノーマン・グランツにそそのかされてパブロ(当時はヴァーヴ)に残したソロピアノの全録音です。すべてワンテイクで録るのは、当時のジャズではあたりまえだが、録音月日などみると「いったい一日何曲録ったんだー?」、すごい数です。すごいエネルギーだ。若い頃のテイタムが大好きだが、晩年のテイタムは前進をやめていない!何か、現代音楽を示唆するような難しい調性のフレーズがあちこちに。ジャズ・ピアニストのバイブルだな。
こういう箱ものレコードは、高くてなかなか買うのに勇気がいるが、宝物になる。ついでに
Shelf にあるとっておきの箱ものを紹介しちゃおう!ピアノとは何かを教えてくれるような↓


RUBINSTEIN plays CHOPIN (RCAレコード)

←こちらは12枚組、ルービンシュタインが弾くショパン集です。

すごすぎる!なんでこんなピアノの音がするんだ。ショパンの伝記を読んだ。ショパンの生演奏はもう聴けないけれど、やさしく,繊細で,情熱的で,ちょっと女々しい,ショパンのピアノの音はこんな音だったのでは?伝記で読んだ風景を一番浮かび上がらせてくれたのはルビンシュタインだ。バラでも箱でもCDになって手に入れることができます。
11.Ken's Accordion (伊 Exelsior社)

最近これでもライブをやるようになりました、古いアコーディオンです。日本が誇るバップピアニスト、アコーディオニスト福居良さんから譲っていただきました。名門「エキセルシャー」社のもので、相当古いものと思われます。レコーディングで一度使ったことがありますが、真剣にやろうとすればピアノの片手間に出来るような、ナマやさしいものではなく、奥の深い楽器です。でも誰でもすぐに音が出せる身近な楽器です。アコーディオンの正体は「ハーモニカ」です。息を送るかわりに蛇腹を押したり引いたりして、感情をこめることができる。写真右手の黒丸ボタンは120個あって、ベース音と、和音が鳴ります(伴奏用)。音色は数種類出せます、違うチューニングのハーモニカが何本も入ってるってわけです。シャンソン、ミュゼット音楽などでは、鍵盤のほうもボタンになってるものが主流で、歴史的にも古くからあります。むずかしそー。
10.Standards,Vol 1/Keith Jarrett ('83 独ECM)

僕がまだ生意気だったころ(笑)、このレコードが出たときは、結構ミュージシャンの間では衝撃が走りました。それまでソロ・ピアノの活動をずっと続けていたキース・ジャレットが突然ピアノトリオで(トリオアルバムはあります)スタンダード曲を演奏したのです。衝撃というのは、そのことではなくその演奏の中味でした。「これだ、これだよ、新しいピアノトリオの形は」「何をやりたいのかわからなかったけど、これ、こういうふうにやりたかったんだ」などという仲間続出でした。キースがリーダーに僕は聞えるが、中身は3者対等で、完全即興の緊張感はすごい(楽しそうだけど)。ビル・エヴァンスのトリオのやり方と変わらないのに斬新だったのは、今になって、キース、ゲイリー・ピーコック(ベース)、ジャック・デジョネット(ドラムス)のそれぞれの個人的音楽性が1+1+1になってるだけのことと思える。3人とも音色が透き通ってるところが好き。デジョネットの叩くシンバルのメーカーはどこかを調べたっけなー。スネアドラムも「木の音」がします。



9. Lee Wiley Sings Youmans & Berlin ('51 米コロンビア)

ジャケット気に入ってレコードやCD買ったことが、誰でもあるでしょう。LP時代はジャケットも大きかったから、部屋の壁に飾ってもヘンな絵を掛けるよりずっといいっていう楽しみもあった。ジャズ喫茶も今や「只今演奏中」のディスクがCDの場合、小さくて遠くからじゃまるでわからなくなってしまったなー。白人ヴォーカリスト、リー・ワイリーのこのアルバムジャケットは、ロートレックの絵のようです。彼女のアルバムで有名なのは、この姉妹版ともいえる「ナイト・イン・マンハッタン」です。伴奏のボビー・ハケットのコルネットのほうが泣ける名盤ですが、こちらは、ピアノの伴奏(スタン・ホープ、サイ・ウォルター)だけの、ヴィンセント・ユーマンスとアーヴィンング・バーリンの名曲集。ジャケット見ながら聴くと、昔のアメリカを飛んでるみたい気分になる(ロートレックはフランスだっちゅーの)。オープニングは「2人でお茶を」だ。

←これが有名なほうの
Night In Manhattan/Lee Wiley(米コロンビア)
8. Dodo Marmarosa Dail Masters ('47 米Dail)

自分にとっては「謎のピアニスト」、ドド・ママローサ。まず名前が謎(笑)。でもこのお方は、ビ・バップが興った’40年代後半は引っ張りダコの大ピアニストだった。チャーリー・パーカー、デクスター・ゴードン、ワーデル・グレイなど当時第一線のミュージシャンの歴史的レコーディングに沢山参加している。なのに、ピアノのスタイルはビ・バップという感じでもないのだ。ちょっともたもたした感じがするけど、とても自分流で、そこが大好き。「Deep
Purple」などのスローバラードも泣かせる。これは、西海岸のマイナーレーベルDIALに吹きこんだ数少ないリーダーアルバムのひとつ。ゴリゴリしているが、とてもロマンチストだと思う。このあと、突如隠遁し、’60年代初めに復活し入魂悲哀のピアノを聴かせるが、また行方知れずになった。
7. Porgy & Bess ('34 GERSHWIN)

これは、レコードではありません。大大好きなガーシュウィンのオペラ「ポーギィとベス」のパンフレット。 数年前はじめてオペラと言うものを見て興奮しました。音楽は、ジャズミュージシャンもたくさん取り上げていて、でてくる曲はみんな大好きで知ってた。何でこういう色の強い曲が書けるんだろう?ガーシュウィ ン自身は、自分は作曲家として2流だと思ってたらしく、ラヴェルなんかにレッスンを依頼して「君は偉大だよ、教えることなんてない」と断られたとか。アメリカがヨーロッパ音楽に強く影響を与えた初めての作曲家が自分だなんて、 ガーシュウィンは毛頭思っていなかったらしい。南部の黒人の庶民を描いたってことも、当時としては画期的だっただろう。自分のライブでは何度もとりあげている。
6.Blow A Fuse/Earl Bostic (英 Charly Records)

アール・ボスティックといえば「R&B」のレッテルを貼られているアルトサックス奏者だが、その経歴や彼のバンドから巣立ったミュージシャンを調べると、御当地じゃこれもジャズの“王道“なんだろう。これを買ったきっかけだったような気がするが、若き日のジョン・コルトレーン(彼のファーストレコーディング? ’52年)はじめ、ジミー・コブ、ジャッキ・バイアド、バーニー・ケッセルなど、後にジャズ界を背負ってゆくミュージシャンの名が続々クレジットされているのだ。みんなやっぱり「ブルース」を通ったんだ!ノリノリ、アーシーです!











5.'Round Midnight/Miles Davis (’55米 コロンビア)

はじめて買ったジャズのレコード。レコード屋に行って「ウッドベースが入っててジャズっぽいジャケットのヤツ」ってコレを選んだ(笑)。マイルス・デイビス(tp)なんて知らんかったが、多分にもれずこの後マイルスにのめり込む。実は、この世にも有名な「NewMiles Davis Qintet=ジョン・コルトレーン(ts)レッド・ガーランド(p)ポール・チェンバース(b)フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)」は、ライブ盤がなくいつも嘆いていたもんさ。そしたら稚内に仕事で行った時、、、札幌にもよく来てくださる沢田さんというハンパじゃないMILES研究家の方にお会いした。同じレコードでもジャケット違い国違い印刷違いなんかも全部持ってる完全マイルスコレクター。

      Ken  「いいバンドですよね。ライブの音源ってどっかにあるんでしょうね。
        ずっと探してるんだけど」
    沢田 「エアチェックの海賊盤ウチにあるよ、、」
    Ken  えっ?!!「ホント?!!」
    沢田 「音は悪いけど」
    Ken  ホントニアルノカ?!「今度絶対録音させて!」
    沢田 「ほらこれさ、あげるよ」
    Ken  えっ?!「ワ、ワルイヨ〜」
    沢田 「あげるって」
    Ken  「あ、わわわ、もう出発の時間が、、、、いただきます、シャーナラー」

コレクターの方というのはスゴイです、のめりこんでます。
もらっちゃいました。これです!沢田さんありがとう!
←自慢のCD
       
The MILES DAVIS QUINTET at PEACOCK ALLEY
JULY 14 & 21, 1956 St.Louis

格調高いスタジオ録音とは全然ちがう「火の玉クインテット」が聴けます。
レパートリーはスタジオ盤とほぼ同じですが、ピアノトリオの演奏をインターバルにはさんだりして興味深い。通にはSPIDER BURKSという名物司会者も聞き物らしい。
CD屋で見たことないけど、インターネットではアメリカだけど見つける事が出来るよ。あるとこにはある。むこうでは超一流、日本では無名のミュージシャンってのもよくあるね。
4. 古井戸ライヴ ('73 エレック) 

いきなり番外編っぽいですが、これは僕がミュージシャンを志したきっかけになったといっても過言ではない大事なレコードです。はっきりいって、「ディープパープル・イン・ジャパン(こないだCDを買った、すばらしい!)」より名盤です。ジャケット左に見えますは、札幌の生んだ超ヴォーカリストの加奈崎芳太郎先生、右は当時憧れの28万円のギブソンのギターを弾く(チャボこと)仲井戸麗市先生です。当時中学生の私は、「人は真剣に愛さなくてはならない」ことを、こんな唄達から学びました。毎日毎日ギターと歌を練習したなぁ。いつのまにジャズになったって?それは、機会をあらためまして、、。
音楽のアイデアや工夫が、すばらしく発明的で研ぎ澄まされていてさらにロマンチック、それは当時のフォークの中でも傑出していた。そして心だけでもっていくその心を忘れない。今でもバイブル。
3. Other Voices / Erroll Garner ('57 米コロンビア)

大大好きなアメリカの人気ピアニスト、エロル・ガーナーがはじめてオーケストラと共演した作品。日本での人気は今ひとつだけど、本国やヨーロッパでは絶大な人気者だった。
いつも自分の弾き方をしているガーナー。マネごとがウケないジャズの国ではミュージシャンからもとても尊敬されている。スタイリストはイミテイトされるものだが、「そんなふうには弾けないよー」といわれる唯一無二のスタイルだ。そしてとても心がこもっている。ピアノが息をしてしゃべっている。
このアルバムはいわゆるストリングスものと違い、ミッチー・ミラー管弦楽団との「格闘」といった趣だけど、あの粗放なタッチ(フツーに言うとキタナイ音)のフレーズからこぼれる芳醇なロマンチシズム、、いつもやられる、不思議だ。たまりません。名曲「Misty」も入ってるが、他のオリジナルもいい。ジャケットがまたいいんだ。ずっと手に入らないようだ、、。
2. Charlie Christian Memorial Album ('40前後 米コロンビア)

これは、ジャズを聴き始めの頃、楽器もまだギターばかり弾いてた頃に買ったジャズギターのレコード。コピーしました(^^ゞ。チャーリー・クリスチャンは今も一番好きなジャズ・ギタリストかな。スウィング全盛期に登場し、数年間の活動しただけで夭折。「ギターの役割をそれまでのリズム楽器から、アドリヴをバリバリやるソロ楽器に変えた」と云われています。ピッキングの音色がモゥ恍惚です。
ベニー・グッドマン(cl)コンボのものだが、テディ・ウィルソン(p)をはじめスイング・ジャズのスター達の大共演が聴ける。カーネギーホールのライブ演奏のレコードもある。
1. The Bessie Smith Story ('23〜'33 米コロンビア)

これぞジャズの原点、ブルースとジャズの分岐点、ジャズヴォーカルのバイブル。4枚シリーズで、ジャケットの色が、ピンク→緑→オレンジと変わっていくのだが(写真はvol.1)、3枚目まで買ったところでCD時代が押し寄せ、モタモタしてるうちにvol.4は買いそびれてしまった。バリバリに突っ張ってた、若き日のサッチモのコルネットとの共演がすごい。
若き日のビリー・ホリデイ(vo)は、悲しい仕事場で毎日ベッシーを聴きながら暮らしていたらしい。
ちなみに札幌のインディーズシーンを支えるすばらしい音楽ホール「Bessi Hall」は、この”ブルースの皇后” ベッシー・スミスから来ています。


TO BE CONTINUED・・・

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