最近来日したロシア演劇 ―劇評など―

 チェーホフ「かもめ」  ゴーゴリ「検察官」    ゴーゴリ「結婚」 劇評1 劇評2
 
 
 

■ 2002年 モスクワ マールイ劇場  「かもめ」、11月16日富山オーバードホールにて1日のみの公演。
出演 ユーリイ・ソローミン、イリーナ・ムラヴィヨーワ他。
     イヤホンガイドは堀江新二訳『かもめ』(群像社刊)による。

チェーホフ「かもめ」「名優さえわたる演技 −本質に迫ったチェーホフ劇」

回り舞台が効果的に使われ、過ぎ去った時間や登場人物たちの気持ちの移り変わりを感じさせた。
「私はかもめ…。いえ、そうじゃない」。二年のときを経て、トリゴーリンに捨てられ身も心もずたずたに裂かれたニーナが、かつての恋人、トレープレフを訪ねて来る。憂いを帯びたひとみが、彼女の背負った辛く、悲しい人生を物語っていた。
絶望に直面して、自己否定を通して必死になって生きることの意味を見いだそうとするニーナ。しかしトレープレフは自らの芸術的才能に行き詰まりを感じ、自殺を決意する。
すれ違った二人の生き方に、いとおしさがこみ上げてやまなかった。観客は総立ちになって、拍手を送り続けた。(中略)
「かもめ」と四十五年間向かい合ってソローミンはこう語る。「男も女も、若い人年取った人も、すべての人が誰かを愛したことがあるでしょう。そして失恋を経験したことがあるでしょう。すべての人の身に起っていること。そんな普遍的な感情を描いたところに『かもめ』が愛されている理由がある」

2002年11月20日北日本新聞

 
 

 

■ 2001年 モスクワ ポクロフカ劇場  ゴーゴリの「検察官」「結婚」、チェーホフの「三人姉妹」
   「結婚」のイヤホンガイドは堀江新二訳『結婚』(群像社刊)による。

「俳優の存在感と技量で圧倒」

アルツィバーシェフ演出の2作品を見て、何かに打ちのめされたような思いにとらわれる。(中略)何が突出しているのかというと、俳優の演技術である。なぜ日本にはロシアに対抗できる技量を備えた俳優群が少ないのか。

田之倉 稔 (演劇評論家)
2001年10月10日朝日新聞夕刊
「斬新な演出で古典の現代性強調」  

ゴーゴリ「検察官」
幕開きで、市長らが若い娘に顔をそらせ、迎え酒をするというだらけきった生活と、フレスタコフが去ったあと本物の検察官が到着した知らせに、おどろきあわてるラスト・シーンの奇抜な仕掛けが、あざやかな印象を与える。

ゴーゴリ「結婚」
人間群像のこの巧妙な対比は、「結婚」では喜劇味をともなって表現される。まず、婚期を逸した娘アガーフィアに、花婿候補が五人という設定がユニークである。七等文官グズーキンは、そのなかの一人だが、ほかの四人もアガーフィアの関心をひくべく、さまざまなパフォーマンスをくりひろげる。(中略)ゴーゴリというロシア演劇の古典が、今の世に息づいた感がする。

菅井幸雄(演劇評論家)
2001年10月23日赤旗掲載
「結婚に酔う夜 ゴーゴリ五里夢中、漫ろ歩き

あやうく隣りの人の膝を叩かんばかり抱腹絶倒した。芝居というのはこんなに面白いものかと脳天を打たれた思いで、しばらく呆としていた。芝居を見てから堀江さんの訳の「結婚」を読んで二重三重に楽しんだ。

みや こうせい(エッセイ、ノンフィクション、写真etc.)
群 GUN 19号2001年12月28日掲載
(群は群像社が年2回発行する文化通信です。くわしくはこちらをクリック!

 

■ 2000年 モスクワ ユーゴザーパド劇場 「どん底」「ロミオとジュリエット」「検察官」 

工事中。
 
 






このページのトップに戻る↑

マールイ劇場「かもめ」のワンシーン

2002年11月マールイ劇場富山公演「かもめ」
トリゴーリン役のユーリイ・ソローミンとニーナ役のイネッサ・ラフワロワ

 

2001年ポクロフカ劇場
「検察官」
 


2001年ポクロフカ劇場
「結婚」

 

2000年ユーゴザーパド劇場カタログ写真 劇所提供
2000年ユーゴザーパド劇場
「どん底」「ロミオとジュリエット」「検察官」