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オンライン版「ロシア文学を読もう」
「巨匠とマルガリータ」のめくるめく世界


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2003年5-6月
あのユーゴザーパド劇場の舞台「巨匠とマルガリータ」が日本上陸!
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『巨匠とマルガリータ』に出てくるタームの数々
 音楽


1)ヴェルディの「アイーダ」(Verdi’s  Aida)オペラ
  ブルガーコフが好きで、他の作品にも多く用いている。「おお、神よ、神よ」というリフレーンの部分がよく出る。
2)グノーの「ファウスト」(Gounod’s Faust)オペラ
  ヴォランドがスチョーパの前に現れるとき“Here I am!”を繰り返しているが、これはこのオペラに出てくる
ファウスト「サタンよ、われに来たれ!」(Satan, come to me!)
メフィスト Here I am. のやりとりに基づく。「白衛軍」にもよくでてくるファウスト。ブルガーコフのオペラ好きはキエフ時代からで、特にファウストは「生涯に17回観た」と本人がわざわざ記録するほどのお気に入りだった。
3) チャイコフスキイの「オネーギン」オペラ(Tchaikovsky’s Onegin)
4) 「ハレルヤ!」(Hallelujah!)
  ベゲモート黒猫のお得意のセリフ。
5) バイカル(和訳原題は不明)(Baikal)
  シベリア囚人の歌。革命後に流行る。
6) ストラヴィンスキイ (-1970)
  ストラヴィンスキイ教授、精神病院長。ブルガーコフの同時代人なのでよく目にする機会も多く、人となりをよく知っていたのだろう。
7) ヨハン・シュトラウス
  禿山の一夜オーケストラの指揮を務める。
8) ムソルグスキイの「禿山の一夜」
  サバトはキエフ近郊に実在する禿山という名の場所でおこなわれると信じられている。もちろん、ムソルグスキイはここにヒントを得て書いたとされる。
9)リムスキイ・コルサコフ
 劇場支配人。もちろん名は作曲家から。

 文学


1) ゲーテの「ファウスト」(Goete’s Faust)
2) ゴーゴリの「死せる魂」
 ブルガーコフは大のゴーゴリ好き。原稿を燃やすという巨匠のプロットタイプは、「死せる魂」の一部を燃したゴーゴリから来ているという説。
3) プーシキンの「オネーギン」
 リューヒンが精神病院から帰る道すがら、プーシキンの銅像の前で悪態をつく。「青銅の騎士」も匂わせる。
4) マヤコフスキイ
ブルガーコフの嫌いな詩人。リューヒンのモデルとされる。
5) ラトゥインスキイ
ブルガーコフの作家生命を踏みにじるご都合主義の批評家。ブルガーコフは執拗な性格で、自分を陥れた人のリストをつけていたが、彼の名もそこにはいっている。白衛軍でも批評家ラティンスキイの名ででている。これを読めば本人は自分のことだとすぐに気付いたといわれる。
6) ファウスト文学
世界に名だたるこの分野の作品も網羅してみるといいかもしれない。
始祖はゴットホルト・エフライム・レッシング(1729?1781) ファウスト劇の下書きを残している。
「ファウスト」(1804) アーダルベルト・フォン・シャミッソー(1781-1838)
「ドン・ジュアンとファウスト」(1829) クリスチアン・グラッペ_(1801?-1836)
「ファウスト」(1836) ニコラウス・レーナウ(1802?-1850)
「ファウスト博士」ハインリッヒ・ハイネ
「わがファウスト」(1946版)ポール・バレリー(1871?1945)
「ファウスト博士」(1947)トーマス・マン(1875?-1955)
7) レールモントフ
   

宗教


1) 無神論(アテイズム)
2) ロシア正教
3) シラー
4) カント
5) ヨハネによる黙示録
6) 終末論
7) 堕天使(アッザゼロのプロットタイプ。人間に武器を作ることを教えたがために天国を追放される。)
8) ゴルゴダ(地理としても)
9) イエス(人物としても)
10) ピラト(人物としても)
11) サタン
12) ユダ(人物としても)
13) バルドの山(サバトの行われるところ。ドイツにおけるブロッケン山で五月に 繰り広げられるワルプルギスの夜。)
14) サタン(の大舞踏会)

人物


1) ヨハン・シュトラウス
2) フリーダ
3) カリギュラ
4) ガイウス
5) カエサル
6) ポンティオ・ピラト
7) ベズドームヌィ
8) ベルリオーズ
9) ファゴット
10) マルガリータ
作品の主人公たる彼女と、プロットタイプとしてのゲーテの「ファウスト」のなかの彼女、とブルガーコフの第3の妻としての彼女と、三人のマルガリータがブルガーコフの中に存在していた。最後の妻となった実在のマルガリータは本当に魔女的な女性だったらしい。ある年の大晦日、用があって彼女を訪ねた若い作家から聞いた実話だが、ブルガーコフ亡き後この妻は新聞もとらずテレビもラジオはおろか時計も持たず、一匹の犬と引きこもった生活を送っていた。ところが年を越す寸前にこの飼い犬が突如として吼え出し、それに続いて間髪いれずに新年を告げる教会の鐘が一斉に鳴り出した。訪問者は、魔女だという噂はやはり本当だったかと仰天して立ち去ったという。)
11) 巨匠
主人公としての彼と、ブルガーコフ自身の化身としての彼、そして実際に自分の原稿を燃してしまったというゴーゴリもプロットタイプとしてはいっているかも知れにない。ゴーゴリはブルガーコフが大好きな作家だった。
12)コロヴィーエフ
13)ヤコブ
14)マタイ

地理


1) サドーヴォエ、ドーム5、クヴァルチーラ302(不吉なアパート)
ブルガーコフが最初の妻ターシャとともに1921-24まで実際に住んだコムナルカ(共同アパート)。このアパートの実在の住人たちが「巨匠とマルガリータ」にはたくさん登場する。ひまわり油をこぼしたアーヌシュカもそう。実際にアパートで同じ名の女性が油をこぼした事件があったらしい。
2) マンソリートのあるグリボエードフの家
トヴェルツキイ並木通りに実際にある。
3) 巨匠の家
ブルガーコフの親しい友人の家。中の様子がそのままに描かれている。ここが気に入っていたブルガーコフが、愛情をこめて描写している(詳しくは関連地図のページへ)。
4) マルガリータの家
マルガリータが住んだ家のモデルとされるところは3軒ある。いずれも由緒ある豪邸(詳しくは関連地図のページへ)。
5) ホテル・メトロポーリ
6) アレクサンドルスキイ公園
7) ヤルタ
8) アストリア・ホテル
9) キエフ近郊の禿山
10) 精神病院
11) ヴァリエテ劇場
12) パトリアルシエ公園
13) マーラヤ・ブロンナヤ
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