祝典前奏曲
Festliches Praeludium op.61


◎ 作曲年

1913年5月11日 Garmisch にて完成。

◎ 初演

1913年10月13日,ウィーン, Wiener Konzerthaus ,指揮 Ferdinand Loewe

◎ 楽器編成

ピッコロ,フルート4,オーボエ4,ヘッケルフォーン,クラリネット5,ファゴット4,コントラファゴット,ホルン8,トランペット4,トロンボーン4,テューバ,ティンパニ8個 (2名の奏者で) ,シンバル,大太鼓,オルガン,弦5部 (ヴァイオリン First:20, Second:20 - ヴィオラ First:12, Second:12 - チェロ First:10, Second:10 - コントラバス 12) ,別動隊トランペット6 (可能なら12)

◎ 内容

1913年ウィーン・コンツェルトハウスの柿落しのコンサートのために作曲された祝典音楽。この建物にはモーツァルトホール、シューベルトホール、大ホールの3つのホールがあり、この曲の初演は大ホールにて行われた。

序奏部は荘麗なオルガンのソロで始まり、すぐに金管を中心としたファンファーレに引き継がれる。それらが一旦おさまって主部に入ると今度は弦楽器がハ長調のおおらかな主題を奏し、すぐに全オーケストラの強奏に託される。展開部を経てやがて序奏のオルガン主題が再現されると曲は新たな展開をみせる。最後、一旦静まってから主部の主題がゆっくりと再現されると、曲はやがて最後の雄大な行進曲へと発展していく。

◎ メモ

演奏のために百数十人の奏者を要する大曲なので、通常は滅多に演奏される機会はないようです。また、これは他の祝典音楽の多くにも言えることですが、特に標題を持った音楽などと比べるとあまり曲調に大きな変化はなく、波瀾万丈の展開に乏しい曲ということは言えるかもしれません。しかし祝典音楽であるというこの曲の性格を鑑みればこのことは必ずしも欠点とまでは言えないでしょう。とにかく内容うんぬんよりもまずオーケストラの荘麗な響きを楽しみたいという人にはたまらない魅力を持った曲ということはできます。特にコーダの部分の雄壮さにはレスピーギの『ローマの松』の終曲を彷彿とさせるものがあります。 (あちらほど三連符は使われていませんが...) またオルガンの活躍が著しいこともこの曲の特徴の一つであり、アルプス交響曲を含め他の管弦楽曲では至極控え目にしか使われていないオルガンが、この曲でだけはここぞとばかりに自己主張をしています。そのかわりチェレスタやハープシコード、ハープといったような楽器はこの曲では最初から使われておらず、そのため繊細な音作りを楽しみたいという方からは少し不満も出て来るかもしれません...

他にも柿落しの音楽という類似の背景を持った曲としてベートーヴェンの序曲『献堂式』 Die Weihe des Hauses を思い浮かべる方もおられるかもしれません。両者の曲の性格を聞き比べてみるのもおもしろいかと思います。



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