1881〜82年
1882年12月5日,ウィーン Boesendorfersaal ,ヴァイオリン独奏 Benno Walter ,ピアノ伴奏 R. Strauss (ピアノ伴奏版)
1896年2月17日,ライプツィヒ,ヴァイオリン独奏 Alfred Krasselt , Strauss 指揮,ザクセン歩兵第134連隊の楽団 (オーケストラ伴奏版)
独奏ヴァイオリン,フルート2,オーボエ2,クラリネット2,ファゴット2,ホルン4,トランペット2,ティンパニ,弦5部.
作曲者がまだ17〜8歳の頃の作品。3つの楽章からなる。第一楽章はソナタ形式を取り、規模の大きさと確かな形式感を持つ。第二楽章は遅めのテンポですすり泣くような旋律をヴァイオリンが歌う。第三楽章は長調となり、軽快なパッセージが特徴的な曲である。
まだ10代のころの作品で、後年の作品に見られるような自由な形式と旋律美はまだ表面的にはほとんどうかがうことができませんが、その分とても堂に入った作品です。第一楽章はニ短調となってはいますが決して暗い曲調ではありません。途中でオーケストラによって奏される短い経過的部分ではオルガンを思わせるような重厚な響きも聴くことができます。第二楽章は感傷的なメロディーが主体となっていますが、中間部では短いながらも涙を払いのけるかのような憧れを秘めた旋律を聴くことができます。第三楽章はそれまでの沈潜した雰囲気を振り払う軽快で活気のある楽曲ですが、途中遅めのテンポで印象深く歌われる部分があり、楽章全体にアクセントをつける役割を果たしています。
この後シュトラウスは翌年にホルン協奏曲第1番、翌々年に交響曲第2番、86年の「イタリアから」を経て、あの「ドンファン」を完成させるのはこのヴァイオリン協奏曲から数えておよそ6年後のことになります。