16管楽器のためのソナチネ第2番『楽しい仕事場』
Sonatine Nr.2 Es-dur "Froehliche Werkstatt" fuer 16 Blasinstrumente AV143


◎ 作曲年

1945年 (第4楽章だけは1943年)

◎ 初演

1946年3月25日, Winterthur ,Hermann Scherchen 指揮, Musikkollegium

◎ 楽器編成

フルート2,オーボエ2,クラリネット3,バセットホルン,バスクラリネット,ホルン4,ファゴット2,コントラファゴット

◎ 内容

4つの楽章からなる。ソナチネ第1番と同様全曲40分近くに及ぶ最晩年の作品の中ではかなりの大曲。特に両端楽章が規模も内容も充実しており、中間2楽章にはコンパクトにまとまった軽目の曲が置かれている。全体は自由な形式が支配しているものの、4楽章構成であるためか時に管楽器のための交響曲と呼ばれることがある。

  1. Allegro con brio
  2. Andantino, sehr gemaechlich
  3. Menuett, Etwas lebhaft - Cantabile - Tempo primo
  4. Einleitung und Allegro. Andante - Allegro


◎ メモ

第1楽章はとにかく快活な曲で、第1番第1楽章の叙情味あふれる繊細なメロディとは好対象をなしています。中間2楽章もメロディーがとても親しみやすく、底抜けに明るい曲です。唯一影のさす第4楽章の序奏も短いもので、すぐに活発なアレグロの主部に取って替わられてしまいます。全体としてシュトラウスの曲の中でも最も楽しい曲の一つに数えられるでしょう。これが第2次大戦終結の年に書かれた曲だとはすぐには信じられません。もっとも大戦末期の厳しい現実や苦悩、戦争で失われたものへの追憶の気持ちなどは、同じ年に作曲された "Metamorphosen" の中ですでに惜しみなく表現されているので、この曲ではあえてそちらの面を強調することはありませんでしたし、その気になれなかったとしても不思議ではありません。なお、全曲で一番最初に作曲されたのは実は第4楽章で、本来第1楽章になるはずだったのをあえて最後に持ってきたもののようです。そのためこの第4楽章だけはソナチネ第1番同様大戦中の作品ということになります。

◎ 余録

ところで晩年のシュトラウスは創作意欲を失い、昔の曲の改作にばかり取り組むようになってしまった、という記述を何かの解説書で読んだことがありますが、この曲を含む2曲のソナチネやその他同時期の作品群を聴いてみる限り、創作意欲の減退といったものとはちょっと違う印象を受けます。少なくとも私達はシュトラウスの曲の饒舌さ、膨大さ、技巧の複雑さに慣れ親しみすぎてしまっていることは覚えておく必要があるでしょう。これらの曲が80歳にならんとする老人の作品であることを考えるとなおさらのことで、むしろ年齢の割には創作活動はかえって活発な方だったのではないかとさえ思います。確かにブルックナーなど、昔の作品の改作に時間を取られすぎて最後の交響曲の、それも最後の最後のところで力尽きてしまったという残念極まりない前例もあることはあるのですが...それでも新たな創作にかかる精神的負担とか、昔の作品に対する愛着などを考えてみればいちがいに改作を否定することもできないように思います。改作によって生み出された「新作」を見ても、交響的幻想曲『影のない女』などの重要なレパートリーが含まれています。それから "Capriccio" 以降オペラの作曲意欲を失ってしまったという意見についても同様で、 "Capriccio" というオペラの内容を考えてみれば、その後新作オペラを作る気になれなかったとしてもある程度は納得がいくように思えます。



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