★真空って・・・・
 

「真空」という言葉を考えてみると、「真に空」となりそこには何も無いという意味になる。
それじゃ、本当に何もないのか、というとそうではない。
我々が住んでいる地球は、空気(窒素と酸素がおおよそ6対4の割合に少量の炭酸ガスが含まれている)に覆われている。
地上ではおおよそ1気圧という圧力を示すが、その1気圧とは窒素や酸素などのガスが音もたてずにぶつかっている力のことである。
そこで「真の空」となると、すべてのガスを取り除くことになり、その状態を「絶対真空」と定義されている。
しかし、その「絶対真空」とは、現実的には不可能なことである。
それじゃ、「真空」ってなんなの???となる。
JIS(日本工業規格)の定義では、次のようになっている。

”大気圧より低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態”

どういうことかと言うと、ある容器の中をまわりの圧力より低い状態(ガスを掃除機で吸い出す)を作った状態のことになる。
ま〜〜ぁ、減圧といった状態を考えてもらったほうがはやいかもしれない。

真空の状態になると、その空間のガスが極端に減少するわけだから、伝達するものが少なくなり熱や音が伝わりにくくなるわけである。
その原理を使ったのが、「真空ポット」である。

人類で始めて真空を作ったのが、イタリアの「Torricelli」とされている。
これが有名な水銀を使った「トリチェリーの真空」である。
中学校の理科の実験で体験された人もいると思う。
その名をとって、圧力の単位として「Torr トール」を使用されていた。
現在では、初めて大気の圧力の概念を確立するとともに流体の圧力に関するパスカルの原理を発見した「Pascal」からとった「Pa」が使用されている。

PaとTorrの関係は

133Pa=1Torr

であり、大気圧は

1気圧=1.013×10Pa=760Torr

となる。

圧力は、とても大きな力であるので、使い方によっては使いやすくも使い悪くもなる。