日本語研究センター

Japanese Language Research Center


日本語研究センターとは

 大阪樟蔭女子大学日本語研究センターは、「日本語研究」と「日本語教育」の二つを活動の柱として、当津武彦元学長がセンター長となり、1992年4月に設立されました。また、1994年4月から、新築された大学新館の最上階(8階)に移転しました。また現在センター長は、現学長の森田洋司に引きつがれています。

 日本語研究センターの名前にある「日本語」とは、従来の国語国文学で扱っている「日本人のための日本語」というだけでなく、外国人のための日本語、あるいは世界の様々な言語の中の一つとしての日本語という観点を含むものです。

 当センターの活動は、研究面と教育面の2つに分けられます。それぞれについて簡単にご紹介します。まず、研究面では新しい研究分野であるデータベースを中心とした研究に取り組んでいます。素材としての日本語をさらに文字面と音声面に分け、それぞれのデータベース作成および活用に関する研究を行っています。

 作成に関しては、西端が取り組んでいる「和歌語彙データベース」、田原が取り組んでいる「日本主要都市方言音声データベース(JCMD)」の二つの研究があります。この二つの研究はいずれも、かつて文部省の科学研究費(いわゆるデータベース科研)の交付を受けたものですが、現在、継続的に整備、公開等に取り組んでいます。なにぶん新しい研究分野ですので、試行錯誤の毎日です。

 活用に関しては、データベースというものの性質上、たくさんの方々との情報交換が必要となりますが、センターでは「西日本国語国文学データベース研究会(DB-West)」という会の事務局となり、研究会を開催しています。1995年1月には、DB-Westの有志で、『パソコン国語国文学』という本を出しました。この本は、この分野での最先端の研究を紹介すると共に、これからこの分野を目指そうとする人々を啓蒙していこうという目的をもったものです。

 研究の成果については、『大阪樟蔭女子大学日本語研究センター報告』(Reports of the Osaka Shoin Women's University Japanese Language Research Center)において、逐次公開しています。本誌の特徴としては、外部の研究者にも投稿を呼びかけていること、資料的価値の高いものについても紙数に融通をきかせ、積極的に掲載していることです。

 次に、教育面についてです。センターでは、留学生に対する日本語の授業の提供と、日本語を外国人に教える教師を目指す学生を対象とした「日本語教育課程」を担当しています。留学生に対しては「日本語」「日本事情」の授業を、日本語教育課程では約15種類の授業を提供しています。年度始めにはこの過程に関する履修説明会をおこなっています。

 その他の活動としては、国文学科と協力し、年間16〜18回程度で、一般の方々に対する公開授業をおこなっています。また、7、9月には高校生に対するキャンパス見学会でセンターの紹介をしています。