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今年はキリのいい年でもない筈なのに、○周年なんていう年よりもかえって、第二次大戦やら日本・アメリカ・軍なんてキーワードについていろいろ考えさせられる事が多い。
あ、別に戦争について語るからって言っても、私自身が戦争・政治に関しては情けないくらい知識もポリシーもない状態で書いているので「うへぇ、いいや、このページは読み飛ばそう!」なんて思わないで、このページに迷い込んだキミには是非読んでほしいな。 小難しい歴史用語や法律用語なんかなくったって何でも話せるんだっていういい機会にして欲しい。 あ、知識はないけど、書くにあたっての自分で出来る範囲での最低限はちゃんとリサーチしてあるので、いい加減なデマ飛ばしにはなってないと思います。(もし、問題点があったらメールで指摘してね♪)
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まず、それの皮切りになったのはえひめ丸の沈没事故。 ごめんなさい、遺族の方はじめ関係者には失礼かもしれませんが、あの事故そのものについて、という話とは別の次元です。 事故そのものについては、起きた場所がどこであれ、起こした相手が誰であれ(いや、それはそれで問題なのかもしれないけど)、あってはならない残念な事故だって思います。
そもそもはじめて淡々と状況を伝えるニュースを聞いた時に、「うわ! 真珠湾で? よりによって米軍が? 日本の船を? すごい皮肉な話」って思った。 なので、そういった局面から、日本側はともかく、アメリカ側(政府もそうだけど、一般的な国民も)はどう思ってるんだろう? って思いつつ、でも、私自身もそれを深くリサーチする程には至らず終わってしまい、また、それと時を同じくして日本国内でもマスコミはじめ、小泉新総理誕生に一斉に関心が向ききってしまった。
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今年のメモリアルデー(アメリカの祝日)に映画「パールハーバー」が公開された。 あの沈没事件がなくたってなんとなーくヤな感じがするのに、公開に先がけてのプレリリースは皮肉な事にハワイのえひめ丸の沈んだ所のすぐ側で、船上試写会を大々的に行ったそうだ。 でも、正直、あまり映画を公開中に映画館に行って見る機会が年々減っている私は(金がないんだよぉ!)、なんとなく映画のタイトルは耳にしていたものの、特に興味も持っていなかった。
私は映画を見ている訳ではないので、見てから言え!とか言われそうだけど(^◇^;)、基本的にはタイタニックもどきのラブストーリーなんだよね? で、時代背景っていうか、舞台が例の、日本でいう「真珠湾攻撃」前後。 で、「真珠湾攻撃」のせいで恋人が別れ別れになってしまう、とか何とか、そういう話。
アメリカ人の友人で、あちらで一応ギョーカイ系のヤツは、ハワイには行かなかったものの、それ以前に試写だか何だかで見たらしく、見たその日に唐突に「キミは『パールハーバー』について何を知ってる?」と聞いてきた。 それを発端にこの映画に付随する色んな事を、彼とも話したし、自分でもあれこれ考えさせられて、この映画の絡む世間の空気にちょっと注目してみたりした。
はじめは単に、「何で今更、日本を『巨大隕石』や『大津波』と同じような絶対悪として描くんだ!」って思った。 いや、これが完全な戦争映画で、「悪者日本軍と戦う」って言うのが主題であれば、良かれ悪しかれきちんとそれについて語れるけれど、この映画の場合、あくまでラブストーリーの「固定された」背景として描かれてしまっているので、この映画の中では見る側にそれに関しては口を挟む余地がないからだ。
ちなみに真珠湾攻撃に関しては、センセーショナルな「日本の奴、だまし討ちしやがった」ばかりがクローズアップされているが、っていうか、私もそういう認識だけだったけど、どうやらその前段階に、アメリカ側にもそれを助長する何かがあったという事をアメリカ政府も認めているらしい。(ちなみに件のアメリカ人の友人もそんな事は知らなかった。 っていうか、歴史学者でもない一般人の認識なんて日米ともそんなもんなんだと思う) とはいえ、確かに実際あった事だし、経緯がどうであれ卑怯な奇襲攻撃だったと思うし、私自身、当時の日本軍を擁護する気もないし、弁護するつもりも言われもないけどね。
で、アメリカ発のニュース等では、公開前から折に触れこの映画に関して物議をかもした話題などをいちいち流しているようだったので、暫く適当にチェックをしていた。 けれどあまりにもアメリカ国内の話ばかりで、一方、日本国内では、アメリカでの公開当日は各テレビ局で取り上げられていたものの、予想よりもはるかに地味な抗議グループがちらりと移る程度。 「日本で文句を言ってる人ってほとんどいないの???」と不思議に思っていた。 で、ある日、やっとパールハーバー関連のニュースのインタビュー中で「Japanese」のコメントが。 「おっ」と思ってよくよく見たら「Japanese
American」の人たちのコメントだった。
そこで私ははじめて、当時移民として既にアメリカ(ハワイ含む)に渡って、アメリカ市民として生活していた日系人のアメリカでの苦悩などを知った。 日系人であるが故にスパイかもしれないと思われて強制収容所みたいな所に入れられていたりしたらしい。 で、彼らにとってはこの映画で日本=悪者という印象が付く事によって再び、アメリカでの暮らしの中で偏見にさらされてしまうという事への怒りと不安があるのだ。
同じ日本人の血を持っていてもあの映画から受ける影響は全く異なるものなんだなぁ、という当たり前の事実を知って驚きつつも、多分、海の向こうからのバッシングを受けている日本にいる日本人よりも彼らの方が切実な問題なんだろうな。
私にパールハーバーについて聞いてきたその友人は(ちなみに彼はアメリカ人の平均よりは大分親日派の方だと思う)、私の目から見た日本人(私も含む)の第2次大戦の歴史への知識・関心の薄さを聞いて驚いていたが、「日本の若い子達もこの映画を観て何があったかを理解するかもね」って言っていたが、この映画を通じて認識するものも、欧・米の戦勝国の側からだけの片手落ちな認識に留まる気がするし、日本人は日本人としてきちんと過去に向き合わなきゃいけないんじゃないかな。 しかも日本公開バージョンに限りエンディング部分で一部の映像がカットされているらしいので、あちらで見るものとこちらで見るものには微妙な違いが出てしまうのもどうなんだろうって思う。
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※これを書いてる間に、ちょっと似た話をテレビで見たのでついでに書いておこう。
エジプトのピラミッド、あれって数百万人の奴隷が鞭で叩かれ叩かれ出来上がったってのがメジャーな通説っぽくなってるけど、実際は「あの時代で既にそんな知識・技術が?!」っていうような緻密な計算なんかで合理的に建設を進められていたようなので、実質2万人位の人手で充分だっただろうし、その人手も、無理やり捕まえた奴隷なんてのではなく、王様を敬う平民達の側からのボランティアでまかなってたってのが正しい説らしい。
で、何でそんな「奴隷云々」説がメジャーになってしまったかって言うと、一瞬そういう仮説が出た時にそのセンセーショナルな説に注目した欧米人がその説に基づく設定で映画を作ったかららしい。 基本的に事実を伝える「報道」よりも、フィクション・ノンフィクションの入り混じる映画って、しかも報道よりも娯楽性が全然高い分「印象」付けも大きいし、見る層も広いし、残るし、今時世界のどこでも流せちゃうし、実は結構危険な媒体にもなれちゃうのかもな。
※※この原稿を実際に自分で書いてたのが実は2ヶ月近く前なので、その後も起きてる米軍絡みの事件に関しては抜けてますが、これまたいろんな方向で考えさせられたけど、十羽一絡げにしちゃっても散漫になる一方なのでとりあえずはこれにて。 それについては機会があってタイミング逃がしきってなかったらまた後日。 …って、既に大分内容が散漫になってきたのでおわり(笑)。 |
Article : Jul. 23. 2001 |
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