=== Weekly GEIRAN =======================================================            週 刊 「鯨 卵(ゲイラン)」34            1998/11/27号 (毎週土曜日発行)          これを作っている人:稲垣豊(鯨卵編集部)  「鯨卵」ホームページ http://www.age.ne.jp/x/sf/NOVEL/GEIRAN/  「鯨卵雑談所」 http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/crenovel/GEIRAN.html          e-mail yutaka@gog.ilc.or.jp ======================================================================== ================================== AA ひなまのホームページ http://uni.neko.to/I1.html ミ‥ ミ 「ネコ好きさん、いらっしゃいませ」のホームページなのです。 -e- ML会員も募集してますので、お暇な方もいらしてねん。 w )丿”(注・ネコ好きMLにあらず)      ↑ (等幅フォントでご覧ください) ================================== [今週の一発] 「超優秀な人物は、無能な人物より不快である」  「マーフィーの法則」より **[PR]************************************************************* > ■■■■■■■■■■■[ AQ'z Mail Service ]■■■■■■■■■■■ 複数のメールマガジンに広告を載せませんか? 業界最安の発行部数×0.5円で、お好みの発行部数分だけ、御予算に応じて メールマガジンに広告を掲載いたします。読者層の指定ができますよ! お問い合わせは yutaka@gog.ilc.or.jp まで ******************************************************************* 肉球先生の猫パンチ道場25 「つみれさん&稲垣君、受難の日  白子へGO!」  作:稲垣                    皆さんは、 「ああ、俺ってば不幸。よよよ(号泣)」 と思ってしまう事はないでしょうか?僕はつい最近そう思いたくなるような目 に遭いました。  ええそうです。まったく自分に落ち度が無いにもかかわらず、 ひどい仕打ちを受けたのです。  去る7月12日、自分は堀田つみれ(仮名)さん宅にお邪魔していました。 なぜならば、彼女に原稿書きを依頼していて、それを取りに行くためです。 「まだ1文字も書いてないけど、取りに来て(←おい)」 ・・・書いていないのに取りに来いとは一体どういう了見でしょうか? しかし、取りに来させるからには書く気があるという事ですから、おとなしく 取りに行きます。  そうして1時間くらいクルマを走らせて彼女の家に行きました。 昼12時過ぎ頃、つみれちゃん宅に到着。 よれよれのパジャマ姿で、つみれちゃんが出迎えてくれました。 「なによぉ、こんな朝早くからぁ」 「・・・いや、もう12時過ぎてるやん。それにあんたが呼んだんやろ」 「(黙殺)あー、お腹空いたー」 「・・・・」 「べぇ、ぼぅ、ごあん食えた?(訳:ねぇもうご飯食べた?)」 「・・・歯ァ、磨きながらしゃべるの止せよ」 「食べたぁ?」 「食べたよ。朝ゴハンはね」 「あたし、朝ゴハン、まだ」 「いや、だからもう昼だって・・・」 「何食べるぅ?」 「俺ちょっと夏バテぎみやから、さっぱりしたモンがいいな。蕎麦とか」 「あたし、マック食べたい」 「そ、そうだねぇ。さっぱりしてるもんねぇ。あれ・・・って待たんかい! めちゃめちゃ、クドイやん!」 「あたし、チーズバーガー」 「人の話を聞け!!」  さて、大変美味しくマクドナルドをいただき(泣)まして、 いろいろと打ち合わせなどをしているうちに時間も過ぎてきて、 そろそろ書かないとマズイんじゃないかということでようやく書き始めたのが 午後4時過ぎごろ。で、僕はマンガを読みながら原稿が上がるのを待っていました。 2時間ほどで、原稿は出来上がり、その後、二人で推敲していき・・・、 そう時刻は、そう午後7時頃になったところでしょうか? 「お腹も空いてきたし、そろそろ晩飯時かなぁ」 と彼女に言おうとしたその刹那、突然、彼女の携帯が鳴り出しました。 「はいー。そうですけど・・・。うん、うん・・」 彼女の表情がみるみるうちに曇りだします。 「えぇー。ちょっとそれはぁ・・・」  一旦そこで電話は切れました。彼女はと見ると、思いっきりブルーな表情に なっています。僕の華麗なる推理「謎はすべて解けた!じっちゃんの名にか けて(C)金田一」によれば今の電話が原因に違いありません(あたりまえだ)。 「どうかしたの?」 と聞くと、今の電話はたいして親しくも無い知り合いのTさんからで、 何と、そのTさんは駅で財布をスられて、帰れないとのこと。 そしてその場所は白子だそうです。 「で、電車賃を貸してほしいって言ってるんだけど・・・」 「そう・・・。でも何でつみれさんに頼るのかなぁ?家族とか親戚あるんでしょ?」 と弱々しく抗議すると、 「それが夫婦一緒にで出かけてて、家を留守にしてるし、  他に頼れる人がいないんだって」 「そう・・」 「悪いんだけど、白子まで送ってくれる?」 しかしY子も罪な女です。僕が断れないのを見越した上で、 こうして「お願い」してくるのです。  具体的に言えば、つみれさんは僕の恥ずかしい秘密を知っているのです。 あまり大きな声では言えませんが、 僕がクマちゃんのぬいぐるみに添い寝してもらわないと安眠できない事や、 猫に向かって「おみゃーは、エエ子だにゃー」と話しかけていた所を見られたり、 寝言で、「ママー。おしっこー」と呟いたのを聞かれてしまったり、 とにかくハードボイルドで売っている僕にとっては致命的ともなる程の弱点を 握っているのです。 「まいったな・・・」  さらにつみれちゃんはモノで僕を釣りだしました。 「おねがーい。晩ゴハン、オゴってあげるからさぁ」 「えッ!本当!?わーい行く行くー!(←安いなー)」 ウッカリそう答えると、つみれさんは深刻そうな表情で道路地図を眺めはじめ ました。 そう言えば僕も白子は知りません。行った事がないのです。 「ところで白子ってどこ?」 「わかんない。四日市の向こうらしいけど・・」 背中に嫌な汗がタラリと流れました。 白子は、簡単に言えば鈴鹿サーキットのある所です。 つみれさんの家からは、クルマでおよそ3時間。徒歩だと3日はかかります。 「今から(午後7時)、3時間もかけて行くの・・・?」 「うん・・・。でも道、空いてたら2時間で行けるから・・・」 この時ばかりは安請け合いしてしまった自分を激しく責めました 「ばかばかばかばか。俺のばか!晩飯くらいで釣られるなんてェ」 今更こんな事を言ってもはじまりませんので、一緒に地図を見て、道を調べて おきます。  7:15頃出発しました。 こんなに気の進まないドライブというのは初めてです。 しかし自分は沈黙が恐い人間ですので、できるかぎり車中でも、明るく振る舞 います。  そのうちに話題も無くなり、彼女に、そのTさんの人となりについて聞いて みると、かなり強力なキャラクターの持ち主らしく、露骨に、会うのが嫌そう なそぶりを見せます。 「で、でも、お金落として困ってるわけやし・・・」 「あの人の性格、知らんから、そんな事言えるんだよぉ」 「・・・・あ、で、でもさ、こう考えようよ。楽しいドライブ! 考えてみれば、こうやってドライブするのも久しぶりだなぁ!楽しいなぁ! 白子には、きっと楽しい事が待っているさ!」 「そうね。たぶん白子にはTさんが待っていると思うよ・・・」 「・・・・・」僕の努力は2秒で水泡に帰しました。  そしれ再び、つみれちゃんは不機嫌になってしまいました。  なるべく、楽しい話題に切り替えようと僕は努力を続けます。 「あ、でも、とりあえず、晩ゴハンは美味しいモン食べようよ」 「うん!」 彼女は満腹にしておけば満足する人間ですので、アッサリひっかかります。 「んじゃぁ23号線沿いに”トマト&オニオン”っていうお店があるらしいんだけど 友達が、美味しかった、って言ってたよ」 「トマト&オニオン?」 その名には聞き覚えがあります。 「そう。ファミレスだって」 「知ってる。チェーン店やろ。俺の地元にもあるわ。それ」 「そ、そう・・・・」  地元にもあるチェーン店になぜ3時間もかけて行かねばならんのでしょうか? 私たちはますますブルーになってきました・・・。  と、その時、我々の車の目前に明るく輝くオレンジ色の発光体が猛速で近づ いてきました。 「危ない!ぶつかる!」 しかし、まったく衝突する様子はありません。 気が付くと車は完全に停止しており、エンジンはおろか、カーラジオも、カ セットも切れており、 周りの道路からも、我々の車以外、気配がありません。 もう一度エンジンをかけようとするのですが、かかりません。 「困ったな。どうしよう」 「さっきのオレンジ色の光は何だったのだろう」 と車外に出てみると、もうオレンジ色の物体はいなくなっていました。  と、その瞬間、急激に接近してきた「モノ」に私のからだは包まれ、吸い込 まれていきました。どんどん私の体は上昇していき、上空に待機していたオレ ンジ色の発光体に格納されたのです。  そのオレンジ色の物体の中では・・・、グレー色の体にぴったりしたスーツ を身にまとった小柄な男達がせわしなく立ち動いています。 まわりを見渡すと、いろいろな計器類が沢山はめ込まれたパネルや、 複雑な形をした機器類が所狭しと並んでいます。 私は、その中で、ベッドに寝かされていました。手足は固定されていて動かす 事はできません。  しばらくすると、小柄な男のうちの一人が私に近づいてきて・・・、    「感動実話! 私はこうしてUFOにさらわれた」(著:堀田つみれ)より引用  3時間かかるはずが、、2時間20分で近鉄白子駅に到着。 「3時間くらいかかるはずなのに。おかしいね?」 そう言えば、途中、「何か得体の知れない異形のモノ」や「アヤシク輝く発光 体」などを見たような見ないような、記憶があいまいな部分がありますが、こ の際どうでもいいです。 「西口で待ってるって言ってたけど」 「そんならあっちだね」 西口に回ると、駅前のベンチにその夫婦がたたずんでいます。 「いやーどうもどうも。すいませんホントに」 そうしてその人はどうしてこうなってしまったかをクドクド説明しだしました。 「・・いや、もう理由はいいですから。早いトコ済ませましょう」 そうして帰りの電車のキップ(3000円あれば充分)を買ってやろうとしたら 「まだ僕ら晩飯食べてないんですよぉ」 俺の心の叫び  ほぉ。偶然やなぁ。俺もまだや。  ちょうど晩飯時に2時間もかけてここまでとばしてきたんでなぁ (↑ご飯を食べていないので、低血糖になっている) そこで仕方なくつみれさんが食事代を入れて5000円渡そうとしたら、 「ちょっと買いたいものがあるんでぇ。5000円じゃ、ちょっと・・・。  1万円じゃ駄目ですか?」 むかむかぁッ(プチッ) 「いや、どの道使ってきたんですか?高速で来ると思いましたよぉ」 それは、俺に来るのが遅せぇッていってんのか?オッサン! まぁ、俺はオトナやし、もし俺がここで怒ってしまったら つみれさんが板挟みになって、俺に負い目感じるようになるからね。 抑えたよ。俺はね(←うわ。カッコイイ)  つみれさんはその知人に1万円を渡し、まだシツコク何かお礼らしき事をウ ダウダ言っているその人を尻目に、僕らは車へと乗り込んだのでした。  こうして白子滞在はわずか15分で終了。役目を終えた私たちは サッサと帰路に就きました。    さて、約束通り、彼女は晩ゴハンを”トマト&オニオン”でオゴってくれました。 彼女はステーキと、ハンバーグ、チキンのセット。 僕はスパゲッティミートソースをオーダーしました。 冗談抜きでとても美味しかったです。 (っていうかあんだけ腹減ってりゃ何食ってもウマイと思う) 「ねぇ、これ味見してみるぅ?」 と言われたので味見しようとして、ウッカリ、ハンバーグに手を出してしまい、 「あんた、お昼にマックは嫌だって言ってたのにー」 「え?」 と思わぬ逆襲(とほほ)を受けたりしました。 「しかし、ひどい経験だった・・・」と僕。 「ま、まぁ。犬にでも噛まれたと思って、忘れたら?」と彼女。 「・・・・」  行きは、2人とも、比較的明るく振る舞っていたのですが、 帰り路では、さすがに車中を沈黙が支配する時間が多くなってきます。 そんな時、カーラジオから流れてくるDJの馬鹿話に2人揃って 「はっはっはっは」 と乾いた笑い声をたててしまい、顔を見合わせて妙にムナシクなったものでした。  しばらくしてつみれちゃんの家に着き、 「んじゃ、帰るわ」って言おうとしたら 彼女は、「書き足したい所がある」と言いだしました。 そして「待ってて、もうすぐ書きあがるから」 といそいそと原稿を書きはじめました。  まだ帰れないのね・・・俺。  けっきょく最終的に我が家に辿り着いたのは、午前3時を回っていました。  ここの所はずいぶんと平常心を取り戻してきましたが、まだ 「白子」 「財布スられた」 などの単語を聞くと、 「うぎィ」 などと叫んで、頭をかきむしりたくなる衝動に駆られたりします。 とにかく読者の皆さんにも警告しておきますが、 白子は危険な場所です。近づいてはいけません。 どんな悲劇が起こるか分かりません。それではさようなら。 (おしまい) ### バックナンバーについて ### 「鯨卵」ホームページではバックナンバーを随時追加中です。  ここです。  http://www.age.ne.jp/x/sf/NOVEL/GEIRAN/  または・・・  希望者はサブジェクトにバックナンバー希望と書いて、  本文中にほしい号数、必要な部数(笑)を書いてメールしてください。  折り返し、個人名にて密送します。  その時に感想などを添えていただけると嬉しいなー。 ==================================== 「読者投稿について」    「今週の一発」ではあなたが、「お、面白いな」と思った一節  (小説、TV、ラジオなんでもOK)を引用先を明記して、送ってください。  「ホームページでポン」では、あなたの紹介したいホームページを  紹介文200字程度でまとめてみてください。    もちろん、ギャグ、漫才、ユーモアエッセイ、コラム、小説でもOKでーす。 @@@@@@「アネッセ・インターネットの占いめるコーナー」@@@@@@ ◇【Nov 28,1998 〜 Dec 4,1998】用◇ //////////////////////////////////////////////////////////////////// ★:*:-''☆:*:-''★ 今週のラッキー星座 by アネッセ ★''-:*:☆''-:*:★ ===================【Nov 28,1998 〜 Dec 4,1998】=================== ◇ 恋愛運のいい星座 ◇ 金銭運のいい星座 ◇ 健康運のいい星座 ◇ ◇ ★★ 双子座 ★★ ◇ ★★ 蠍 座 ★★ ◇ ★★ 天秤座 ★★ ◇ http://annesse.d-b.net/ メールde届く今日の占い|アネッセのウララン //////////////////////////////////////////////////////////////////// ◇【Nov 28,1998 〜 Dec 4,1998】用◇(BEST相性編) //////////////////////////////////////////////////////////////////// ★:*:-''☆:*:-''★ 今週のBEST相性 by アネッセ ★''-:*:☆''-:*:★ ===================【Nov 28,1998 〜 Dec 4,1998】=================== ■ ♀♀ 【女性】双子座 B型 ★★★★★ 【男性】双子座 O型 ♂♂ ■ ■ ♂♂ 【男性】双子座 AB型 ★★★★★ 【女性】水瓶座 A型 ♀♀ ■ http://annesse.d-b.net/ メールde届く今日の占い|アネッセのウララン //////////////////////////////////////////////////////////////////// 「編集後記」  さて、きょうはブルース・リー(李小龍)の誕生日です。  それから、ドリームキャストの発売日でもあります。  けっこう、買った人も多いのではないでしょうか?  湯川専務、ハッピを着て、店頭で売り子をしてましたね。  リアカーで全国まわるんでしょうか?  おそらく、滝沢君はスケジュールいっぱいで、参加できないと思われます(笑)  そういえば、専務は昔、  「ロボピッチャ」のCMにも出てたそうですね。  今後、セガのCMは、専務とせがた三四郎に任せておけば安泰ですね(笑)  僕がネーム(ネタ)を書いた  4コママンガを紹介します。  ネットワークRPGのディアブロのマンガで、  ディアブロを通じて知り合った友達のToSINo君に絵をつけてもらいました。  彼のホームページに掲載してあります。  http://www3.osk.3web.ne.jp/~tosino/ 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓「つれづれなるままに」〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓  時々笑わせます。思ったほど笑うことも可能かもしれません。 登録無料です。バックナンバーおよび登録は >http://p1.coralnet.or.jp/pepsi/index.html へどうぞ。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓「つれづれなるままに」〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ==================================== 電力メール雑誌 週刊「鯨卵」34 発行日981127 発行責任者:イナガキユタカ 発行部数 :598部 ---------------------------------------------------------------------- 「鯨卵」はインターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用。  ( http://www.mag2.com/ ) ---------------------------------------------------------------------- 「鯨卵・案内」 鯨卵は、主に「(毒舌)漫才」「ユーモアエッセイ・コラム・小説」を掲載する お笑い系マガジンです。比較的ブラックユーモアきついです。  上記のホームページにバックナンバーも置いてありますので、よろしかったらどうぞ。 「鯨卵雑談所」はいわゆる電子掲示板です。 鯨卵の感想などを書き込んでくだされば幸いです。両方ともリンクフリーです。  「鯨卵」は転載自由です。が著作権まで放棄した訳ではないです。  僕以外の人の原稿も載せていますので。 フリーウェアのソフトなどと同じように扱ってください。 再配布は原形を保ったまま、行ってください。 --------------------------------------------------------------------