=== Weekly GEIRAN =======================================================
　　　　　　　　　　　週　刊　「鯨　卵（ゲイラン）」43
　　　　　　　　　　　1999/04/21号 (毎週土曜日発行)
　　　　　　　　　これを作っている人：稲垣豊（鯨卵編集部）
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＠＠＠　「バカルン超特急」　＠＠＠

報告：鯨卵特派員　マリアさん（元航空会社勤務・現ハワイ在住）

「おみ足が…」
（前回の続きです）
そのA子の先輩の、B美さん。 とても美しく、プロフェッショナルで、言葉づかいも
丁寧な、まるでスチュワーデスの鏡のような存在。 ある日、東京からの最終便で、
テイクオフの体勢に入った時、前に座っていたお客様が靴をぬぎました。 それが、
きょーれつに臭かったそうです。 あまりの臭さに耐え切れず、B美さんはそのお客様
にひとこと。 「お客様、おみ足がくそうございます。」

…丁寧だったらいいってもんじゃないと思うんだけど。 でも、その客は黙って靴を
はいたそうな。 美人には逆らえないってことですね。

（おしまい）
　
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ミ‥ ミ    「ネコ好きさん、いらっしゃいませ」のホームページなのです。
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　＊＊「目黒うらんのコーナー」＊＊
　（現在コーナー名募集中です）

「新発明」

　商品開発課の課長は、発明家が自慢げに新発明の売り込みをするのを聞いていた。
発明家は、手に小さな瓶を持ち、うれしそうにしゃべっている。
課長と発明家の間の机には、大きなビーカーが置かれていた。
「これは世紀の大発明でしてな、この瓶の液体をある物質に百ミリリットルばかり混ぜますと、
なんとビールに変化するのです。その物質とは何かと言いますと――」
　課長は、話をろくに聞いてはいなかった。二日酔いで頭が痛かったし、
そんなときにビールの話など聞きたくなかったのである。
「――では、これが、どのような化学反応で起るかを説明いたします。よろしいですかな？」
「え？　あ、は、はい」
　課長は、何を言われたのか分かっていなかったが、適当に返事をした。
ますます気分が悪くなってきた。こんなことなら家で寝ていればよかった。
発明家はまだしゃべりつづけている。
「――えー、以上のような化学反応でビールに変化するわけです。お分かりいただけましたかな？」
「は、はあ、まあ」
「ではさっそく、実演に移りましょう」
　そのとき、課長は吐き気を覚え、机の上のビーカーに吐いてしまった。
「し、しつれい」
「おお、協力してくださるのですな。なんと優しい方じゃ」
　発明家はそう言うと、瓶から液をたらした。ねっとりとして白っぽい吐瀉物は瞬く間に、
黄金色に変り、発明家はそれをおいしそうに飲み干した。
　課長はまた吐いた。


「大発明」

「やった、ついに、完成じゃ！」
　今年米寿を迎える博士は喜びの声をあげた。
「取りかかってから六十余年、恋人もつくらず、結婚もせず、
わしの全精力を注ぎ込んできた究極の発明がとうとう、とうとう出来上がったのじゃ！」
「やりましたね、博士」
　五十五歳の助手も満面の笑みを浮かべた。
「君にも苦労かけたのう。わしに三十年もつきあってっくれて……。
君も恋人もつくらず、結婚もせず、わしと同じような目にあわせて……。すまんのう」
「いえ、博士、そんな……。好きで博士についてきたんですから」
「うむ、そうじゃったのう……」
　博士と助手は互いに見つめ合い、涙を流した。
「はっ、いかん。感傷的な気分に浸っている場合ではないぞ。早速、試してみなくては」
　博士は緊張しながら発明品の前に立った。
「では、これより、ギャグ製造機を動かす」
「い、いよいよですね、博士。古今東西ありとあらゆるギャグを覚え込み、
それを解析して、究極のギャグを次々とつくりだすこのマシン……」
「うむ、そうじゃ。では、スイッチを入れてくれ」
「はい！」
　助手は震える手でスイッチを押した。
　ギャグ製造機は超高速頭脳を回転し始めた。
　博士も助手も期待に満ちた目で、ギャグがあらわれる超高性能画面を見つめた。
　機械の静かな音だけが聞こえる。
　そしてついに、究極のギャグがあらわれた。

「日本国拳法」

　博士と助手の行方は、誰も知らない。

（おしまい）


「目黒うらん」　プロフィール
1969年生まれ。笑いのとれる文章家を目指して現在修行中。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway/9361/index.html
uran@meguro.104.net



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「編集後記」

　鯨卵を出さねばならぬというのに、
　いろいろと始めてしまったうえに、土曜日曜ともなると、
　不思議とスケジュールが埋まってしまい、そのうえ、
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　ガシガシと遊んでいるのです。
　もっとまじめにやろっと・・。


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