ハートウェーブは、ハートランドがお届けする読み物メールマガジンです ÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷            ハ ー ト ウ ェ ー ブ ÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷ 花号 2000.01.17 ÷÷÷÷ ☆こんにちは。花山ゆりえです。  今年は、新年第一弾のハニー号が幸先良く期日通りに発行できたのに、花号 が後に続けずごめんなさい。  いろんなことを考えたりしている今日この頃の気持ちを、今日は綴ってみた いと思います。みなさまに、少しでも楽しんでいただけることを願って。 φ本日のメニューφ  1.言葉  2.冬の吐息 @言葉@  誰かを励まして上げたいとき。力づけて上げたいとき。慰めて上げたいとき。  人は、言葉をかけます。もちろん、ただ黙って側にいて、抱き締めて上げる のでも構わないのかもしれない。でも、そうやって気持ちを通じ合わせられる 人は、とても近くにいる人だけで、やっぱり大概は、言葉をかけるものだと思 うのですが。  言葉をどんなに尽くしても、その言葉がちっとも本当に聞こえない時って、 ないですか?  結局は、どんな言葉を選ぶかよりも、その言葉に込められた本当の気持ちが、 人の心に届くのではないか、と思います。うすっぺらな口先だけの言葉では、 所詮だますことなんて出来ないのでしょうね。  去年の9月頃に出会った人で、とても心にストレートに伝わる言葉を選ぶ人 がいます。  決して、多くの言葉では語らない。ごくごく短いセンテンスを、2、3行だ け。それなのに、その言葉の中には、見かけよりもずっとずっとたくさんの彼 の想い、彼の真実が込められていて、それがこちらにすうっと真っ直ぐに、素 直に届くのです。  それは、彼の強さであり、優しさであり、また、広さでもある。私はそう思 っています。他人の痛みや辛さ、苦しさを、そのまま受け止めようとする彼の 大きさが、そうさせるのだと思っています。  人の器。簡単に言ってしまえば、それだけのものなのかもしれないけれど。  そんな人が存在することが、とても嬉しく思えてしまいます。  私は、言葉を使って人に気持ちを伝えることを仕事にしようとしている人間 です。だからこそ、ものすごくたくさん、考えます。一番相応しいたったひと つの言葉を選ぶために、とてもたくさん考えます。  でも……近頃、思うのです。  本当に大切なのは、自分がその言葉に本当に込めたい気持ちがあるのか、と いうことなのかもしれない、と。 @冬の吐息@  吐く息が、白く煙る様子を楽しむように。  彼女が何度も何度もそうやって息を吸っては吐くのを繰り返しているのを眺 めながら、僕の心は静かに沈み込んでいった。  一体僕は、これからどれくらいこうして彼女の側にいるのだろう。  僕は知っている。彼女が僕に恋する日なんて、永遠に来ないことを。  初めて会ったその時から、他の女の子のことなんて考えたこともないこの僕 を、きっと彼女は永遠に好きにならない。  それは、聖書に書かれている言葉と同じくらい、僕にとっては絶対的な真実 なのだ。    雪だるまを作りたいから。それだけの理由で呼び出された僕は、今、こうし て彼女のために、大きな雪の玉をこさえようと、道の端に寄せられて積まれた 雪の上を、まだそんなに大きくなっていない雪の玉を転がしながら、何度も往 復している。  そんな僕のけなげな働きぶりを眺めながら、彼女は嬉しそうに微笑み、また 大きな吐息で冬の空気を白く煙らせる。  ねえ、煙草の煙を吐く時ってこんな感じ? なんて言葉を無邪気に投げつけ ながら、少し寒そうに足踏みした彼女の足下の雪が、ブーツに踏みつぶされて しゃり、と驚くほど大きな音をたてた。  僕の心も、あの雪のように踏みつぶされてしまった方が、ずっとずっと、楽 なのに。  彼女が僕を呼ぶのは、いつも辛くて、悲しいとき。一人でいるのにたえられ ないほど、寂しいとき。僕はちゃんと、知っている。  彼女は僕に、一緒にいること以上のことなど求めはしない。それでも僕は、 彼女の顔を見る度に、募る想いをどうすることもできない。  今度こそは。そんな期待が、胸の奥でぽわっと熱く、灯る。  けれど、灯火は長くは灯らない。  彼女は、誰かを好きになる度に、僕の心の中に芽生えた淡い期待を蹴散らす。 それなのに、彼女が誰かにふられて僕に泣きつくたびに、僕の恥知らずで諦め の悪い期待は、決して消えることがない。  ほら、今だって、こうしていても、僕は彼女がもしかしたら、ひょっとして もしかしたら、僕を好きになるかも知れないなんて、また性懲りもなく思い始 めている。  本当は、僕だってわかっているはずなのに。  聖書を誰かが、書き換えることなんてないのだ。  できあがった雪だるまに、彼女が嬉しそうに抱きついた。僕ではなく、雪だ るまに。  僕の気持ちなんて、とっくの昔に知っているんだろう。だから……なのだ。  それなのに、彼女はいつだって、こうやって僕を呼び出さずにはおかない。  残酷だ、と思うのに。  僕は彼女の誘いを断ることが出来ない。  これから先も、僕が彼女から離れると決めない限り、きっと僕は、ずっと彼 女の側にいるのだろう。たとえ彼女が結婚しても、母親になっても、きっとそ うなんだろう。  そして、たぶん僕は、それでも構わないと思っている。  僕の胸の中に淡い期待が、灯らなくなることは、ないのだから。 ″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″″ ☆今回の花号、お楽しみ頂けたでしょうか?  ミレニアムの最初の花号なのに、これまたずっこけてしまって本当にごめん なさい。今度こそは...と思ってはいるのですが...みなさまには、温か く見守って頂ければ嬉しいです。なんて、甘えちゃってごめんなさい(><) ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆発    行  ハートランド ☆本日の担当者  花山ゆりえ(yn6y-iruc@asahi-net.or.jp) ☆このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して  発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ☆バックナンバーはhttp://www.age.ne.jp/x/sf/NOVEL/HW/ でご覧いただけま  す。掲示板もありますので、ふるってご参加ください。よろしくね。  メールでのおとりよせもできますのでお気軽にどうぞ。 ☆みなさまからのご感想、リクエストなどを心から、お待ちしています♪ ☆お願い 掲載された内容を許可なく、転載しないでください ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞