▼候補地探し、初日

▼調査報告書

 [cocolocos計画]
 Research Report NO.1
 2002/10/21

 

宿をどこにつくるべきか。
まずは土地探しから始めなければならない。
ぼくの場合はともかく
沖縄本島に住みながらじっくり見ていこうと決めた。

だが、肝心な事を忘れていた。
一体自分が求めているのは、どんな土地か、
という条件の具体的な絞込み。
無論、漠然としたイメージだけならあった。

気軽に考えていた。

「ビーチまで歩いてすぐ。夕日が正面に見え、
 ほかに人工物のない絶景の地」
ここは沖縄だもの、
散歩がてら島を回ればすぐに見つかるさ。

ところが、ところが…。


   

候補地探し、初日

 

沖縄には何度も来ていた。ダイビング、仕事、遊びに、三線の道具を買いに、ただぶらぶらしに。本島はかなり見てきた自信もあったし観光地なら地図なしでドライブも出来た。だが、全部を知っているわけではもちろんない。

で、とにかくまずは本島の海岸線を完全に一筆書きで一周してみることにした。当然、家から近いところから見て回り始めた。ロードマップを開きペンで印を付けながらドライブがてらの土地ハンティングだ。まずは見ないと始まらない。

いま考えてみると、涙が出るほど「大アマ」なのだが、この時点でぼくには、内心、勝算がある気でいた。地図を見ると、本島中部、太平洋側に、緩やかないい感じのビーチラインが続くエリアがある。しかも宿らしい宿はいまのところない。なぜか自分でも行ったことがなかった。

どうしてみんな気がついていないのだろう。ここに那覇に近く、絶好の海岸線があるのに。「ここ、穴場だな」。たぶん、決まりだろう…意外に早く決着するかな、といい気なものだった。

土地探しの初日。自信満々でそこに初めて足を運んだ僕は、呆然とした。地図で表示されていた海岸線は、砂浜などではなく延々と続く、泥の干潟でしかなかった。その上、視界には石油のコンビナート、工業地帯。殺風景極まりない景色が続いていた。これがぼくの土地探しの初日だった。痛烈な一撃。発見したのは土地どころか「大アマの自分」だった、というわけだ。ああ!!

これではいけない。地図を見ただけでは結局何も分からないのだ。そこで心を引き締めて、ぼくはとにかく沖縄の海岸線すべてをまわってみようと決めた。

クルマに地図とメモを忘れずに乗せると、それからしばらくの間、ぼくは調査に没頭した。



   
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調査報告書
 

以下、土地について自分用にまとめた調査リポートをほぼそのまま転載してみる。

偉そうに土地の「評価」などと書き連ねてはいるが、あくまで個人的な主観でありその土地固有の歴史や本来のポテンシャルなどはまったく加味されてはいない。人によってはぼくとまったく逆の感想を持つことも当然ありうる。

したがって、見てまわった土地は、自分の単純な好みとは別に、それぞれが個性的で素晴らしい場所であることを付け加えさせていただきたい。





[調査報告メモ]

 

[cocolocos計画]
Research Report NO.1
2002/10/21


概要


・2002年7月24日に沖縄本島に移転。
・宜野湾市を仮の拠点として10月中旬まで、宿の候補地を求め本島各地を巡回。
・巡回ルートとしては本島外周海側のほぼ9割。
・以下その第一回リポートを総括、候補地を具体化すると共に今後の指針を見つめていく。


本島巡回ルートの概観


まず前提として、都市部(那覇・浦添・宜野湾・嘉手納)、ならびに海から離れた島内部は候補地として除外。

本島南部 東シナ海サイド 糸満
太平洋サイド 玉城、知念、佐敷エリア
本島中部 東シナ海サイド 読谷、恩納
太平洋サイド 中城、北中城、勝連半島、勝連半島の島々
本島北部 東シナ海サイド 名護、本部、今帰仁、大宜味、国頭
太平洋サイド 具志川、石川、金武、宜野座、名護、東、国頭


 
全体の所見

▼南部への調査

 南部の印象

丘陵地帯にあり丘からの風景は素晴らしい。
 特に久高島の遠望は一幅の絵画である。
 →風景の爽快度★★★

海は泳ぐ気にはなれなかった。
 →海の健康度

残念ながら糸満を除き太平洋側であり夕陽は望めない。
 →ロマンチック度(朝日が好きなら★★★か)

 南部の感想 風薫る、という印象。特に知念村の吉富からのコマカ島、久高島の眺望は見事。美しいビーチとなると、こうした島へ出向くということになりそうだ。

だが午後遅くなると、陽の陰りは予想外に早い。したがって、昼間だけ営業する「喫茶」により向いているかもしれない。

エリア全体に意外に住宅が多くビーチサイドの土地はほとんど見出せなかった。


▼中部への調査

 ・東シナ海サイドと太平洋サイドでは、別の島といってよいほど大きく印象が異なる。
 ・中城から金武までは工業ベルト。
 ・勝連半島とその島々は思いのほか「遠く」感じた。
 ・したがって、候補地としての実質的なエリアは、読谷と恩納村に絞られるか?
 ・以下は、読谷(ことに残波北部)と恩納村についての所見

 中部の印象

残波岬北部からの景観はとりわけ素晴らしい。
 恩納村のビーチラインは国道近し。
 →風景の爽快度★★★

波打ち際がいい。シュノーケリングは真栄田岬以外つらいか。
 →海の健康度★★

読谷北部からは夕陽は望めない。恩納村ならば美しい夕日を堪能できる。
 →ロマンチック度★★

 中部の感想 太平洋側:
太平洋側のほとんどは干潟であり、勝連の島々へ続いていく。
浜比嘉は裏のビーチへアクセスする道がなく断念せざるをえない。
勝連半島エリアは、案外に遠く感じた。道路システムの不備?
金武から屋嘉の中程に見晴らしのいい一帯があったが「別荘」向きかも?

東シナ海側:
本島で現実的なアクセスを考えるとやはりこのエリアは観光偏差値が高い。
特に読谷村北部は、意外な「スーパービュー」に見とれてしまうほど。
恩納村は非常に広いエリア。小さな小さな「マイクロビーチ」が多く点在。
周囲に大ホテルが多いことも、これら立地に恵まれていれば、と納得できるが。

▼北部への調査

 北部の印象
 ・高速の「名護」からのアクセスとなる。やや「遠い」印象。
 ・太平洋側と東シナ海側では大きく印象が異なる。特に東村以北は「緑の秘境」
 ・太平洋側では日没前から足早に暗くなっていき、海は日本海のようにも見える。
 ・「遠距離」を忘れることができるならば、海の美しさは本島では最上級。
 ・集落からいきなり「海」という立地は、クラシックな沖縄のイメージそのまま。

 北部の印象

本部〜今帰仁は沖縄の古い村が点在し離島も美しく遠望。
 ただ、やや過疎の印象も。
 →風景の爽快度★★〜★★★

海は離島のような透明感、シュノーケリングも楽しめる。
 →海の健康度★★★

本部半島の西側から夕陽はまちがいなく望める。
 加えて半島の先の島影も素晴らしい。
 →ロマンチック度★★★

 北部の感想 北部の「太平洋側」は、沖縄というより「西表風」のワイルドエリアのよう。
海も含めて太平洋サイドは静かで大人向き。年配の人には喜ばれそうだが。
今帰仁村の今泊周辺は、穴場的なとりわけ奇麗なビーチが広がる。ただ浜は北向き。
小さな教会のある村落など、ディープな沖縄フリークには面白がられそう。
やはり、那覇から「遠距離」という地形条件が少しばかり引っかかる。
自分なら、わざわざここまで車を飛ばして泊りにくるだろうか。いい宿があればOKか。


全体総括

現時点ではパーフェクトな候補地は見つかってはいない。
だが、こうした巡回の結果、気付かなかった点が多々発見された。以下、整理すると…

◎最重要なポイントは「ドラマチックな展開要素」の多角的充足
 ・突如開ける「スーパービュー」(これこそ「楽園」と思える景観を独占できること)
 ・崖の下の、「途方もなく奇麗な海」(宿から簡単にアクセス可能な)
 ・「自然のみの景観」周囲に人口物が見えてはならない(隠す工夫が前提)
 ・芝生の効果的な配置と「サンセットタイム」というドラマチック要素
 ・「海が庭」「空が庭」という心地良い「孤立感」(だが、アクセスはよく)

ドラマチックな要素をいくつ持ちうるか、それが、ポイントになるだろう。無論「高い理想」には違いないが、これらを念頭に置きつつ決して妥協しないこと。瓢箪から駒、ということも実際ありうるのだから。

そこで、具体的なアクションに移りたい。


候補地の第一次絞込

以下、巡視の結果「気になった地所」を列記してみる。

読谷村 ・瀬名波(瀬名浜集落付近)
・船地原
恩納村 ・宇加地(?与久田ビーチエリア)
・富着(ムーンビーチ「K荘」前)
・瀬良垣(ビーチ近くの側道)
本部町 ・備瀬と周辺
今帰仁村 ・今泊
・与那嶺(長浜ビーチ横のマイクロビーチ前)
名護市 ・済井出
宜野座村 ・国際交流センター近く
・惣慶の海岸より(グラスハウス付近から南より)
知念村 ・吉富

以上、12ヶ所。


今後の具体的な動き

▼候補地についての実質的な調査

 ・「売地」かどうか?
 ・「価格」は?
  これらは「不動産屋をあたっての調査」となる
  その際候補地付近の物件、ならびに不動産屋が持つ情報も同時にあたっていく
 ・「東村」など未だ視察もれの物件にも一応は当たっていくこと

 調査期間
 ・目安として、2002年の11月末日まで

 物件のあらまし
 ・敷地面積は200坪を目安として、
 ・実勢価格は?
 ・住地に転用可能か?
 ・建築許可は下りるか…を具体的に詰めていく

▼同時に「離島エリア」への調査を開始する

 巡視地
 ・石垣島
 ・宮古島(来間島、池間島)

 事前調査
 ・ネットでの不動産屋情報検索とファイル化

 調査期間
 ・2002年内


本島不動産調査

第一回 読谷村 ・瀬名波(瀬名浜集落付近)
・船地原
第二回 恩納村 ・宇加地(?与久田ビーチエリア)
・富着(ムーンビーチ「K荘」前)
・瀬良垣(ビーチ近くの側道)
第三回 本部町 ・備瀬と周辺
今帰仁村 ・今泊
・与那嶺(長浜ビーチ横のマイクロビーチ前)
名護市 ・済井出
第四回 宜野座村 ・国際交流センター近く
・惣慶の海岸より(Gハウス付近から南より)
第五回 知念村 ・吉富


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