当然次は、売主との売買契約を結ぶことになる。
「だが、その前にやるべきことがある」と示唆してくれたのは土地売買に詳しい友人だった。いったいなにをやるのか、といえば、その土地が本当に「家の建てられる土地」なのか、「農振」はかかっていないか、などなどを自分でも確かめておくように、というのだ。
もっともな話だと思う。土地は決して安い買い物ではない。慎重には慎重を重ねてしかるべきだ。友人から手ほどきを受け、ぼくが行った事前確認は以下の通り。
1)地主から土地の「公図」(こうず)をもらう。
2)「公図」に記載された土地の「地番」(所在地)を控えておく。
3)法務局に出向く
4)土地のある市町村の役所に出向く
法務局とは土地登記などを管理する役所のことだ。法務局に出向いて登記簿を閲覧、公図と地番をもとに土地の現所有者、抵当権の有無、分筆されているか否かなどを調べる。登記簿とは土地の戸籍だと思えばいい。この戸籍を洗いざらい知っておくことだ。
土地もまた人と同じように誰かと結婚したり、子供が出来たり別れたり、はたまた借金の保証人にさせられたりしてしまうわけで登記簿にはそのすべてが書いてある。もしも借金のカタになっていたら、さあ大変。負債ごと自分が背負うことになる。手に入れる土地は、もちろん文字通りの「キレイな身体」でなくてはならない。
自分で分からなければ、法務局で登記簿のコピーを取ってもらい、土地に詳しい信頼できる知人または司法書士に必ず確認してもらうこと。また念のため、周辺の土地についても問題がないか調べてみること。
4)土地のある市町村の役所に出向く
ふたつの重要事項を確認しておくこと。
第一は、その土地が公道に接しているかどうか。土地が県道など公道に規定以上接していない場合、建物の建築許可が下りない。そこで公図をもって役所の管轄部所、例えば土木課などを訪ねて直接係員にきくこと。
第二は、その土地が「農振地」かどうかの確認。農振地も同様に建築許可が下りない。役所の受付で「農業委員会」の部屋を聞き直接訪ねていくこと。やはり公図にある地番と、土地の購入を検討している旨を伝え「農振」の有無を問うこと。
以上、すべてに問題がなければ、いよいよ土地の購入へと駒を進めていくわけだ。
ふーっ、案外大変だよね。
日常的な事項ではないから妙に神経を使う作業がまだまだしばらく続いていく。
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