根来寺・紀三井寺(2014.04.03)

 早朝の新幹線に乗って和歌山県岩出市の根来寺に出かけました。新大阪→阪和線の紀伊駅→バスの予定だったのですが、沿線火災発生で電車が手前の泉砂川駅でストップ。めったに来ないバスを待ってお昼過ぎに到着しました。根来寺は、葛城連峰の中腹にあり、36万坪の広大な境内を持つ新義真言宗の本山です。
 根来寺の開祖・覚鑁(かくばん)上人は、堕落した真言宗の立て直しを図ろうとして高野山との確執が生じ、根来に移りました。室町時代末期には寺領72万石、僧兵10,000人の大軍事集団になったため、秀吉から恐れられ攻め入れられて一部を残して焼失しました。その後、徳川氏の外護を受けて復興し現在に至っています。
 根来寺を後にして、もう1か所行けると和歌山市の紀三井寺の桜を見に行きました。紀三井寺は、和歌山駅からきのくに線で二駅、紀三井寺駅の近くです。もとは真言宗山階派でしたが、現在は救世観音宗総本山を名乗っています。
 

根来寺大門
東京を出るときは雨でしたが、バス停・今出図書館を降りた時は、ポカポカ陽気の好天で満開の桜です。6、7分で、1850年に再建されたこの大門に到着します。左右の大きな仁王像が門番をしています。ここは交通の便が悪いからか、団体客はあまりみかけませんでした。ほとんど近所の方のようです。

根来寺の桜
根来寺は葛城連峰の中腹にあり、周りの山々には桜で灯がともったようです。幸せな気分になれる風景です。

根来寺の塀
学頭職の住居であった蓮華院の桜

根来寺・鐘楼門
階段を上って鐘楼門をくぐると本坊に到着します。

根来寺・蓮池
池の桜。右の方に本坊事務所があり、拝観料(500円)を払うと名勝庭園と大師堂を拝観できます。

根来寺のヤマザクラ
根来寺はソメイヨシノの他にヤマザクラもたくさんありました。


大師堂は少しだけ高いところにあり、敷地から見える桜の眺めはなかなかでした。

根来寺・大塔(国宝)
1496年に建立された大塔(国宝)。高さ40m、横幅15mの二重の塔で、真言密教の教義を形の上で示したものだそうです。秀吉の焼き打ちも免れ、当時のままの姿で残っています。大塔の右側に本堂の大傳法堂があります。

大傳法堂
本堂の大傳法堂です。

大塔と桜
本堂の側からみた大塔。大塔には、秀吉が攻めてきた時の弾痕が残っています。
種子島に伝来した鉄砲を最初に国産化したのは堺鉄砲鍛冶の始祖となる津田算長(通称:監物)で、根来寺僧兵は津田監物が編んだ津田流砲術をいち早く取り入れた大軍事集団でした。当時は南河内から和泉、岸和田付近まで勢力を伸ばしていました。

根来寺~見える山
根来寺には歴史や産物を紹介した岩出市民俗資料館(無料)があります。外に出ると広域農道です。近くに近畿大学和歌山キャンパス(生物理工学部)があります。

根来寺から観る山の桜
バス停まで帰る途中、天気は下り坂、青空から曇り模様になってきました。

根来寺から観る桜
道路からちょっとだけ藪をかき分けて撮影した桜。

紀三井寺駅から
ここからは、紀三井寺です。紀三井寺駅からの撮影。電信柱の後ろに見えるのが紀三井寺です。駅のステッカ−に「津波・避難 紀三井寺」とありました。

紀三井寺
紀三井寺は西国三十三所観音霊場の第2番札所です。

紀三井寺
階段は200段以上あり、休み休み登りました。

紀三井寺~~眺める桜
階段を登りきって境内から眺めるとこの景色。

紀三井寺の境内から
紀三井寺は桜百選に選ばれていますが、眺めの良さが寄与していると思われます。