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▼2000.11.15
Vol.12 : Painterでの製作例
Painter Version 6.02 Mac版
記事提供 天瀬晴之@天龍堂神社さん
編集文責 Takam@ProjectAM
■ Photoshopからの入力〜スキャン画像の準備

○ラフを元に下描き

  • コピー用紙にシャーペンで描いています。
  • ライトテーブルという、紙を透かせる台を使用すると正確に主線を起こすこと が出来ます。
  • だいたい、この時点で「どんな色にしようか」と考えます。

○Photoshopからのスキャニング

  • スキャナの入力モードは「グレースケール」を設定します。
    (EPSON、モノクロ写真を使用)
  • 入力解像度
    Webで使用するのであれば200dpiを目安にします。
    印刷媒体であれば実寸で400dpiもあれば良いでしょう。
    スキャン時の解像度に関して
    入力情報(解像度)が多い程に鉛筆線の細部を再現できます。
    その後の線画への修正も細かく行うことができます。
    解像度が大きければスキャナの持っている階調再現力を活かせます。

○スキャンした線画を修正

  • 紙の白さを本当の紙白にする為に「色調補正」→「レベル補正」でライト側の階調を減らします。
  • 同様にシャドー側の階調を強くする為に詰めていきます。
  • 「レベル補正」の下にあるレンジスライダを使えば、濃くなり過ぎた最シャドーを明 るくして馴染ませることができます。
  • はみ出した線や気に入らない歪みをPhotoshopの「指先ツール」や「消しゴムツール」を使い修正します。

レベル補正

  • グラフの下の3つの三角形をスライドさせてシャドウ/中間/ライトを補正します。(入力レベル)

補正後

  • かなりシャドウをなじませています。
    最シャドウで80%位までなじませているでしょうか。

■ Painterでの着彩

○Painterのブラシ設定

  • 大きな画像サイズで作業をしている場合に、大きなサイズで描くと点描に隙間が出て来て変な模様のようなストロークが描画されてしまいます。
    これを解消するには「ブラシコントロール」→「間隔&最小間隔」を調整してブラシの描点が断続ではなく連続したストロークになるようにします。
  • 注意点
    画像サイズや解像度によって間隔の設定を調整することです。
    描点の間隔を狭くしつつも、完全に重ならない様に間隔を詰めすぎてしまわないようにします。
    間隔が詰まるにしたがって、点描同士が重なり描画色が濃くなります。
    補足濃度は筆圧をかければ調整できますので、連続したストロークに見えるようにするだけで良いのです。(筆圧感知タブレット使用の場合)
    猫点同士が重なった部分の必要のない処理をCPUに無駄に計算させてしまうことに繋がりますので処理が重くなってしまいます。

○水彩設定について

  • 初期設定では水彩特有のエッジが使用になっていますが、特にアニメや漫画っぽい絵柄ならば多用することはないので普段は0%で良いと思います。
  • エッジの使用方法は普段、手で描いている時と同じで、物体に輪郭を作る時などに使用すると効果があります。

○肌の着彩

  • 水彩ブラシを使い、大まかに塗っていきます。
  • 光源の位置を意識して中間の調子を置きます。
  • どんどん色を置いて濃度を上げてメリハリを追加していきます。
  • 瞳は全体の色や濃度の基準となりますので、この時点で適当に塗ります。
  • 水彩を乾燥させずに「水彩色消し」で、はみ出した部分を消します。

○髪と衣類の着彩

  • 基本的には肌と同じ方法で色を置いていきます。
  • 最後の仕上げの時に色調を調整するので、最初に想定した色と少し違っ ていても塗ってしまいます。
    注意最後の仕上げで全体の雰囲気を出す為に、この上に色を置く事になりますので、あまり強い色を置くと仕上げで調整が大変になります。

○背景の作業

  • バックの階段を描きます
    まずは、階段の影になる部分を粗く置きます。
    次に階段の光が当っている、明るい部分の色を置きます。
    影面との差が弱かったので、影面に色を追加してさらにアンダーにします。
  • 階段の影に合わせて、少女の影を入れます
    人物の影を入れると遠近感が欲しくなるので、遠近法にしたがって水彩色消し等を使用して調整します。
ここまで作業が進むと、最初に整理した線画が粗く見えてきますので修正します。
Photoshopの指先ツールツールなどを使いなぞります。
印刷した時に鉛筆線が死んでボソボソになってしまうのを予防する意味で、細かくて面倒でも処理しておいた方が良いでしょう。

○仕上げ

  • 仕上げが一番時間のかかる作業です。
    人物に黄色や赤が多いために人物が出てこない様なので、Photoshopを使用して、背景の階段の影をグリーン系から人物の反対色のブルー系へと変えることによってメリハリを出すようにしました。
  • 太陽光の強さを出す為に、肌に色を更に乗せます
    多少濁った色を乗せてもCGなので、失敗しても復旧はできるのでガンガン塗ってしまいましょう。
  • 衣類も同じように色を重ねます。
  • 髪も重ねます。
  • 衣類のボタンに色を入れます
    小さいのであんまり描き込んでも意味がないので適当に塗ります。
  • 綺麗に唇を演出しましょう。
  • 人物の影に複雑な色を置いて心ばかりの深みを出してみます。
  • 背景が寂しいので電柱の影を入れます
    パースだけを気にして適当に水彩ブラシを使って描きました。
  • また、床のコンクリートに存在感を持たせる為にキズを入れます。
  • 最後にPhotoshopのフィルタで少しだけアンシャープマスクをかけて全体を引き締めます。

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