594 考えれば考えるほど難しい規則ですね |
草審判の久間です。 故意落球の宣告には何といっても内野手の 「故意」が絶対に必要ですので,野手の様子を じっくり見極めることが必要でしょう。 故意による落球と同時に宣告を行うことが 基本ですが,この宣告はボールデッドにする ものですから,あわてることはありません。 極端な言い方ですが,落球後に内野手が 球をつかんで塁へ送球した直後でも構いません。 あわてる様子もなく落球し,沈着冷静に送球を 行ったことを確認した後からでも宣告は結構です。 私の経験では,内野手が飛球を落球した後,併殺 となった例はほとんどありません。 落球した後,転がる球を追いかけてそれを拾いあげ, 二塁や三塁に送球して一走者を封殺することだけ 成功したという例が多いです。 なお,故意落球の宣告は基本的に球審が行いますが, 塁審でも宣告することは可能です。 インフィールドフライを宣告しなかったために 併殺となったケースはいくつか経験があります。 直近の例ですと,一人で私が審判した試合でのこと。 一死一・二塁で投手と捕手の中間くらいの距離の やや三塁寄りにフラフラフラ〜と小飛球が打たれ ました。 野手が見上げなければならないように高く上がった 飛球でしたら文句なしにインフィールドフライを 宣告したところですが,それには該当せず,また 投手がマウンドを駆け下りてくるわけでもなく, 捕手が内野内に入ってくることもありませんでした。 三塁手が勢いよく前進してくることもなかったのです。 要するに野手の誰もが捕球を試んではいなかったのです。 そのような飛球ですから,私は何の宣告もしませんでした。 飛球は内野内に落ちたあと,反転して本塁付近へ跳ね ました。そして,本塁上に立っていた捕手に捕らえられた のです。結果はフェアボールです。 捕手は三塁に送球,三塁手は続いて二塁へ送球,2-5-4の 併殺が完成しました。 「しまった。インフィールドフライを宣告したほうが よかったかな」 攻守交代時に私は守備につこうとするチームに説明を 行いました。格別攻撃側からは何のクレームもつかなかった のですが。 「今の打球は野手の誰も落下点に至ることもなく,また 普通の守備行為で捕球するには危険を伴うと判断した ためインフィールドフライは宣告しませんでした。 結果として併殺となりましたが,ご理解ください」 インフィールドフライの宣告を見送った私の判断は決して 誤りであったとは思いませんが,結果的に併殺となって しまったわけですから,何とも苦々しい思いがしたものです。 宣告のタイミングとしては遅くなりますが,捕手が打球を 捕らえる前ならば,飛球が地面に触れた後であっても インフィールドフライを宣告してもよかったかなあ・・・と 今は考えています。 失礼致しました。
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【582】 故意落球の故意とは? 2002/9/19(木)20:21 丁稚(でっち) |
┣【585】 記録員にとっての故意落球 2002/9/21(土)01:14 記録係 |
┣【588】 re(1):記録員にとっての故意落球 2002/9/23(月)09:32 REI10 |
┣【591】 ありがとうございました 2002/9/24(火)11:43 丁稚(でっち) |
┣【594】 考えれば考えるほど難しい規則ですね 2002/9/24(火)13:37 久間(くま) |
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