774 打者へ重心が移動していなければ… |
草審判の久間です。 投手の投球動作やけん制球の送球動作は 個人個人によって癖がありますので, 一様に貴方のその動作はボーク,これ は合法などとは文面だけでは言い表す ことが難しいのが実情です。 実際にその投手の動作を見てみないこと には,はっきりしたことが申し上げられ ません。 ですので,一般論的なことしかここでは 書けないことをお許しください。 投手が当初から二塁へ送球するつもりで 自由な足を上げましたのなら,投手の 重心は打者にかかってはいないでしょう。 このときは二塁へ振りかえり送球する ことが十分可能です。 ところが,打者に投球するつもりで 自由な足を振ったときは,投手の重心 がすでに打者へ移動していることが 多いものです。その状態から本塁以外 へ球を投じますと,それはボークと なります。 私の経験ですが,走者二塁で右投手の 左足が上がったとき,選手の誰かが 「走った!」と叫びました。走者は 実際に三盗を試みたのでした。 投手はこのときは打者へ投球しようと していたのでしょう。球審の私からも すでに投手の重心は本塁へかかっていた ことが判断できました。 けれども走者が盗塁したものですから, 投手はけん制球を行いたいと思ったことだと 思います。重心が二塁へ戻ったように 感じられました。右投手の左足はその時点 では軸足と交差していませんでしたが, 彼の身体は投手板上でビクビク!と震えて しまったのです。 私はその瞬間にボークを宣告しました。 投手の自由な足が軸足と交差したときは その時点で打者への投球義務が発生します。 しかし交差するまでは本塁以外の塁への 送球が可能です。 ですので,このときまでは投手の重心が 打者にかかっていたか否かによってボークで あるかどうかを判断することになります。 また,投手の動作に"ぎこちなさ"がない ことも判断材料になります。 送球動作が一連の,流れるような不自然さ のないものでしたら,ボークの宣告が なされないことでしょう。 失礼致しました。
〔ツリー構成〕
【771】 ランナー2塁での牽制球 2002/11/23(土)23:27 トクダ |
┣【772】 二塁への踏み出しにご用心 2002/11/24(日)02:12 久間(くま) |
┣【773】 re(1):二塁への踏み出しにご用心 2002/11/24(日)20:55 トクダ |
┣【774】 打者へ重心が移動していなければ… 2002/11/25(月)04:31 久間(くま) |
┣【775】 re(1):打者へ重心が移動していなければ… 2002/11/25(月)11:28 トクダ |
※ 『クリックポイント』とは一覧上から読み始めた地点を指し、ツリー上の記事を巡回しても、その位置に戻ることができます.