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874 あれ? けん制球が来ない!
2003/3/4(火)16:25 - 久間(くま) - ns.meiji.co.jp


草審判の久間です。
先日の失敗談です。

二人制審判の塁審を担当した試合でのこと。
走者二・三塁でした。私は二塁ベースと遊撃
手の中間付近の内野内で構えていました。
私としては投手のけん制球に備えます。
「けん制球を投げてこい。ベストアングルで
判定してやるぞ」
あまり意気込みすぎるとかえって失敗するも
のです。今回の例もまさしくその通りとなり
ました。
投手がクルリと二塁へ振り返りました。球を
握った右手を後方にひき,送球の姿勢です。
「それきた!」
私は立っていた場所から移動し,タッグプレ
イを判定できる角度をとりました。両膝に手
を置き,ルックの姿勢です。
ところが…。
「けん制球が来ない。偽投か! 軸足は投手
板から外れていたぞ! ボークではない」
私がそんなことを一瞬に考えたその直後でし
た。
「セーフ!!」
球審の声が球場内に響いたのでした。
「しまったぁ!!」
投手は二塁ではなく三塁へ送球していたので
した。投手の送球の姿勢から私は投手が二塁
へ送球するものだと信じこんでいたため,三
塁走者のことが頭から飛んでしまっていたの
です。投手は二塁へ送球するふりをして実際
には三塁走者を狙っていたのでした。三塁走
者を油断させるつもりの二塁送球という動作
のわなに,審判員の私がまんまとはまってし
まったのです。投手の三塁送球は私の背中で
行われました。球審の宣告が私を危機から救
ってくれる結果となったのです。
私はその場で軽く左手を顔の付近まで上げて
球審に「ごめんなさい」を合図しました。球審
も右手で答えてくれました。
「ドンマイ」

攻守交代の際,私は何度も球審にお詫びしま
した。と同時に,仲間っていいものだなあと
改めてしみじみ感じたのでした。

失敗の積み重ねで審判員は上達してゆきます。
今回の例を貴重な教科書として,さらにいっ
そう己の技術に磨きをかけようと思います。

失礼致しました。


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【874】 あれ? けん制球が来ない! 2003/3/4(火)16:25 久間(くま)

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