草審判の久間です。
カステラさま，お久しぶりですね。
もう投稿していただけないのかなと思ってお
りました。お元気そうで。

打球を処理している最中の野手と走者が接触
した場合は守備優先として守備妨害が宣告さ
れます。例え，接触した場所が走路内であり
ましても，守備が優先されるということはご
存知のことと思います。
では，送球を処理している野手が走者と衝突
した場合も同様に守備優先か？ となります
と，必ずしもそうとは言えません。
ケースバイケースで審判員に一任される と
いうのが正直な回答です。

今回ご質問の1)の場合も2)の場合も，文面か
らだけで判断しますと，当該審判員の「その
まま流した」判定には無理がないように思え
ます。私が当該審判員でありましても成り行
きに任せたプレイであると考えます。
野手も走者も双方に相手を妨害するような意
図を感じないからです。

1)によく似たケースで，私が過去に一度だけ
走塁妨害を宣告したときのことを紹介します。

打者は三塁手前のゴロを打ちました。
三塁手は捕球後一塁へ送球しましたが，これ
が本・一塁間へそれてしまいました。一塁手
は片足を一塁につけ，一生懸命のびて，この
それた送球を捕ろうとしました。
けれども送球は彼のミットをかすめてファウ
ル地域へ転がりました。
このとき，打者走者はまだ本・一塁間の半分
くらいまでしか到達していませんでした。打
者走者はアウトを覚悟して全力疾走していな
かったのです。
でもこの悪送球を確認した彼はスピードを上
げて一塁へ走り出しました。
その直後のことです。のびをしていた一塁手
がバランスを崩して走路内へ倒れこんでしま
ったのです。
打者走者はこのときとっさに自分の足にブ
レーキをかけました。このまま走ると一塁手
を蹴飛ばしてしまうと思ったようです。
一塁塁審であった私はその様子を見てタイム
を宣告し，続いて走塁妨害を宣告しました。
そして私は両チームの監督を呼び，宣告の理
由を説明しました。
「送球を処理中の野手と走者が接触したとき
はどちらかの故意でない限り通常は成り行き
に任せます。でも今回の場合，一塁手は送球
の処理に失敗していて，送球処理中とは言え
ない状況で走路をふさぐ格好で倒れこんでし
まいました。私はこれを球を持たない野手の
走塁妨害と判定します。よって打者走者に一
塁を与えます」

とまあ，以上のような感じなのですが…。

失礼致しました。

〔ツリー構成〕

【979】 走者と野手の接触 2003/4/14(月)22:17 カステラ

┣【990】 送球を処理中の野手と走者が接触した場合 2003/4/15(火)13:15 久間(くま) ≪

┣【992】 re(1):送球を処理中の野手と走者が接触した場合 2003/4/15(火)19:34 カステラ

┣【996】 打球処理中の野手に対する守備妨害 2003/4/16(水)07:52 久間(くま)

┣【1006】 re(1):打球処理中の野手に対する守備妨害 2003/4/23(水)20:07 カステラ