草審判の久間です。

守備妨害と一言で言いましても，打球を処理
している野手に対する妨害，送球しようとし
ている野手に行われる妨害，盗塁を阻止しよ
うとしている捕手に対する妨害等，さまざま
なケースがあります。
そこでここでは，打球を処理している最中の
野手に対する守備妨害に限定して例を挙げる
ことと致します。

フィールド内に立っていた野手が打球に向か
って移動を開始し，打球を手やグラブにおさ
め，一塁などの塁へ送球を完了するまでの状
態を「野手が打球を処理する」と言います。
攻撃側プレヤーはこの状態にある野手に対し
て妨害を行った場合，故意偶然を問わず守備
妨害が宣告されます。

1) 飛球やゴロの打球を捕球しようとしてい
る野手に走者が衝突した。
2) 打球をつかみ，塁へ送球しようとした野
手に走者が接触した。

上記のような場合，偶然に走者が野手と接触
しましても，守備優先の原則により守備妨害
が宣告されます。

3) ゴロの打球の前を走者が横切ることによ
り野手の視界がさえぎられ，野手は捕球でき
なかった。

3) は野手と走者との間に物理的な接触がな
かった場合の妨害です。
このケースでは審判員の判断に委ねられる要
素が大きいのですが，野手が打球を捕球でき
なかったのは，走者が陰になり打球を隠して
しまったからだと審判員が認めたときには守
備妨害が宣告されます。
私もこれまでにこのケースの守備妨害を何度
か宣告したことがあります。
走者からは「私は打球にも野手にも衝突して
いません」と抗議がありましたが，物理的な
接触だけが妨害となるわけではないとの説明
を行いました。

4) 走者がフェアの打球にフェア地域で触れた。

走者自身が偶然であってもフェアの打球に当
たってしまった場合は守備妨害となります。
このケースでは条件次第で走者がアウトにな
らないこともありますが，そのお話は別の機
会に致します。


失礼致しました。

〔ツリー構成〕

【979】 走者と野手の接触 2003/4/14(月)22:17 カステラ

┣【990】 送球を処理中の野手と走者が接触した場合 2003/4/15(火)13:15 久間(くま)

┣【992】 re(1):送球を処理中の野手と走者が接触した場合 2003/4/15(火)19:34 カステラ

┣【996】 打球処理中の野手に対する守備妨害 2003/4/16(水)07:52 久間(くま) ≪

┣【1006】 re(1):打球処理中の野手に対する守備妨害 2003/4/23(水)20:07 カステラ