草審判の久間です。

【230】で走者一人のときの走塁妨害はまずａ項である
と書きました。しかし，絶対に必ずしもそうとは
言い切れないこともあります。
むしろｂ項を宣告して，走者に進塁できるところまで
進塁させておこうということもあります。
私の経験ですが，走者なしのときに打者が右翼線へ
長打を放ちました。
一塁塁審が打球を追います。球審だった私は打者走者の
一塁触塁を見るために一塁へ向かいました。
そして，打者走者は二塁へ向かおうとしたときに
一塁手と衝突してしまいました。
私はこのとき球がまだ外野を転々としていたことを理由に，
走塁妨害のｂ項を宣告しました。
彼はその後よろけながらも走塁を続け，本塁に達しました。
私はこの後に両チームの監督を呼び，走塁妨害を宣告
したが打者走者は本塁に達したので得点を認めると
告げました。
もし私がａ項を宣告していたら，打者走者はせいぜい
三塁どまりだったことでしょう。
そのことからしても，打者走者一人だけでしたが，
走塁妨害ｂ項を適用した私の判断は誤っていなかった
と思います。

【230】でも書きましたが，今回のご質問では，
一塁走者が三塁に到達した後，タイムが宣告されていない
様子からしましても，審判員は走塁妨害の宣告を行って
いないのではないでしょうか。

もし一塁走者が三塁でアウトになった場合ですか。
もし審判員が走塁妨害の宣告を行わずに成り行きに任せて
いたとしたらアウトです。
もし走塁妨害のｂ項を適用していたとしたら，三塁への
進塁が認められることとなります。
しかし，例外もあります。妨害がなくとも走者は二塁まで
しか進むことはできなかった，三塁への進塁は無理で
あったと審判員が判断したときは，走塁妨害ｂ項の宣告にも
かかわらず走者のアウトが認められます。
アウトになったからといって，走者をアウトになる前の
塁へ戻すということはありません。

失礼致しました。

〔ツリー構成〕

【229】 オブストラクション 2002/4/28(日)17:55 カステラ ≪

┣【230】 守備妨害か走塁妨害か微妙なところですね 2002/4/28(日)18:51 久間(くま)

┣【231】 走塁妨害ｂ項の場合の処置方法 2002/4/28(日)19:44 久間(くま)

┣【234】 re(1):走塁妨害ｂ項の場合の処置方法 2002/4/29(月)06:59 カステラ

┣【235】 審判員の的確な判断であったと思います 2002/4/29(月)16:02 久間(くま)