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673 手に当たりましたか。ではアウトです
2002/10/17(木)12:08 - 久間(くま) - ns.meiji.co.jp


草審判の久間です。

私が球審の際にも同じ経験があります。
ツー・ストライクの後の投球を打者が
スイングしたのですが,投球は打者の
持つバットの根元付近に当たったように
私には見えました。打球の行方にしたがって
私はファウルボールを宣告しました。
ところが打者が口を開きました。
「久間さん,手です,手に当たりました」
「え? バットに当たっていないのですか?」
「当たっていません。手です」
「それならストライクで,あなたはアウトです」
「は?」
打者には気の毒でしたが,私は三振を宣告しました。
打者は投球が手に当たったと主張したなら死球と
なって一塁へ進むことができると考えたのかも
しれません。
しかし,規則はそうはなっていません。
打者がスイングして投球がバットに当たらず身体に
触れた場合,ボールデッドとなってストライクが
加算されるのです。
それが第二ストライクの後でしたら第三ストライクが
宣告されるのです。

この事例,私の審判仲間で不定期に行う審判技術
勉強会(と称する飲み会)の席上で話しました。
ところが,私以外の審判員らは一斉に私を悪者
としてしまいました。
「久間,それはお前が悪い。審判員が一旦宣告
した内容を変更することはあってはならない」
「そうかね…」
「そういう場合は,抗議してきた打者にそのときは
恨まれようが,ファウルボールで通すんだ」
「ふ〜ん,それで」
「そして,試合終了後に両チームの監督を召集して
規則説明を行うんだよ。『投球がバットに当たらず
打者の身体に当たったときは,空振りのストライクが
宣告されます。先ほどのケースでは打者は死球の宣告
を受けようと思って,投球が手に当たったと主張
しましたが,そのとおりだと死球にはならずストライク
になります。私は投球がバットに触れたと判断したので
ファウルボールと宣告しましたが,規則では今ご説明
したとおりですので,ご注意ください』というように
説明するんだ」
「へえ…。そこまでできるか普通?」
「逆のケースだったら久間は判定を覆したか?」
「逆と言うと?」
「もし久間が投球は手に当たったと判断して三振を
宣告していたとして,打者が『手には当たっていません。
当たったのはバットです』と抗議してきた場合だよ」
「…。おそらく無視しただろうな」
「ほらみろ。抗議の内容が抗議してきた選手にとって
不利になる場合だけは判定を覆すなんて,あってはならんよ」
「そんなもんかな…」
「俺が言いたいのは,規則を知らない選手に正しく規則を
伝えることも審判員の仕事だということだ」

と,まあ,このような経験も私にはあります,
ということです…。

失礼致しました。


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