3.撮影


・撮影の基礎
 ビデオ撮影の基本等をメーカーが自社のユーザー向けのWebに載せています。メーカーが違っても撮影の基本に違いはありませんので参考になるかと思います。

また、ビデオサロン誌などの雑誌でもちょくちょく撮影の基礎の記事がありますので読んで見るといいと思います。

 僕がこれまで撮影してきた経験からアドバイスするならば
・被写体を撮影する時間はもういいかな?と思う時間の倍でちょうどよい
 水中ビデオにかぎらずビデオを始められたばかりの方が撮ったビデオを再生してみて感じることは"たくさん撮ったはずなのにたったこれだけ?"と思うことでしょう。
これは撮影時には、

  1. 被写体を見つける
  2. 被写体による
  3. 撮影をする
という3段階の手順を踏んでいるのに対し、再生時には撮影時の"3.撮影をする"の間で
  1. 場面が切り替わったことを認識する
  2. 画面上で被写体を探す
  3. 被写体を楽しむ
という事をしなければならないからであろうと思います。
 何を撮ったか覚えている撮影者でも場面が切り替わってからどこに被写体がいるかを認識するには時間がかかりますが、撮ったビデオを見せてもらう人はもっと時間がかかるでしょう。擬態のうまい被写体の場合、最悪被写体を見つけられないまま次の場面に行ってしまいます。こうなるのを避けるためには撮影時の1.2.が無視できるくらいの時間分被写体を撮影する事が必要になります。ちなみに撮影時の2.で寄って行く時からビデオを撮り始めれば、再生時にその方向に被写体がいるというおおよその場所がわかりますので、被写体を探す時間を短縮でき、結果見る人が被写体を楽しむ時間を長くする事が出来ます。

・ズームは使わず自分でよる
 ビデオや写真は被写体に反射した光をCCD/フィルムがとらえて映像を作ります。ところがご存じのように水中では光は陸上の何倍も減衰しますので遠くの物からの光が自分のところまでは届きにくいのです。ということは、ズームしても少ない光しかとらえることが出来ず、CCD/フィルムが作る映像は暗くなってしまいます。オートフォーカスのビデオカメラはCCDでとらえた映像を使ってピント合わせをするので暗くなったりコントラストが無くなったりするとピントが合わせ辛くなります。ですので、陸上以上に被写体に近づく事が大切になります。

・振り回さない
 最初のうちはあれも撮りたい、これも撮りたいと、カメラを振り回してしまいがちです。しかし、それを見る時には止まっているTVで見るわけですから目が回ってしまいます。最初に書いた撮影時間を長くとも関連しますが、一つの被写体の撮影にかける時間を長く取れば自然と振り回すことも少なくなります。ただ、あっちもこっちもを撮っている映像は、ある意味撮影者が興奮していた事を示していますので、そういった意図を表現するためにあっちもこっちもを撮るというのもテクニックではありますが、多用はできません

・TVは縦位置にはならない
 ビデオを縦位置で撮影する人がたまにいます。気持ちはわかるのですが、残念ながらシャープの回転する液晶TVや小型の液晶TVでもないかぎり、あの重たいTVをそのシーンだけ縦にすることは困難です。


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