5.編集


 さて、上達のコツとして「他人に見せましょう」と書きましたが、撮ったそのままを見せるのも大切ですが、あきらかにミスしたところはやっぱり削りたいでしょう。そして、ある程度撮影が上達してくれば撮りっぱなしではなくて編集してみたくなるでしょう。
 編集をするということはそれはやっぱり誰かに見せるわけですから、その評価を聞いてまたあれこれやってみるようにもなります。撮影中も「この次にはここを繋ごう」とか「オープニングにはこのシーンを使おう」とかいった具合に、作品としての映像を意識した撮影をするようになり、また一段と撮影のレベルや映像の幅が広がる事になります。
 編集するとなるとそれようの機材を別途揃えなければならないと思われる方も多いかと思います。しかし、最近のビデオカメラには欲しいシーンだけを再生できる機能が付いている物もありますので、そういったビデオカメラをお持ちであれば、欲しいシーンを指定してそれを繋ぎ合わせる事で明らかにミスしている部分を削る事ができます。テープに記録された順番を入れ替えてシーンを指定する事もできますので、機材の追加無しにお手持ちのビデオカメラとビデオデッキだけで簡単な編集をする事ができます。お手持ちのビデオカメラが再生時にフェードイン/フェードアウトをかける事が出来たり、メモリーカードに入れた画像と合成して出力する事でタイトル的な映像を作れる機能を持った機種であれば、ちょっとした作品として作り上げる事もできます。
ただ、この方法はあくまで手持ちの機材だけで実現できると言う条件付ですので自由度は高くありません。例えばBGMを付けようとした場合、各シーンのタイミングを計ってBGMの頭出しをしてと言う作業が必要になってきます。
このようにビデオカメラだけで作品を作る事は出来ないわけではないのですが編集機を使うとある程度楽にできるようになります。特にパソコンを使ったノンリニア編集ではBGMのお尻を見ながら映像と合わせる事が出来たり、ある長さの中でシーンを前後させたりと、かなり楽に編集する事が出来ます。ノンリニア編集をするためには撮った映像をパソコンに取り込まなくてはいけません。その為にはパソコンにDV端子/Firewire/IEEE1394と言った名前の端子が付いている必要があります。これらの端子があればテープに記録されている映像データをそのままパソコンにコピーする事が出来ます。パソコン上にデータとして持ってくることが出来れば後は自由自在。いろいろな加工を施す事が出来ます。最終的に加工し終わったデータはまたビデオカメラに書き戻す事もできますし、Webに載せる事も出来ます。
パソコンでのビデオ編集ソフトは安い物からプロが使う高価な物までさまざまな物がありますが、最近ではビデオ編集のためのソフトがプリインストールされているパソコンもありますから、とりあえずはそういったソフトを使って切った貼ったをやってみるのがいいでしょう。例えばMacintoshであればiMovieが付いてきます。これだけでも結構いろんな事ができるのでまずは使ってみる事をお勧めします。
編集のテクニックなどに関してはインターネット上にいろいろなページがありますのでそちらを見てください。ただ一つ言えるのは、編集ソフトはいろいろ凝った事ができますが、何が見せたいのかを忘れないでください。派手な映像効果は目を引きますが、やり過ぎると逆に飽きてしまいますし、見た人から「君が撮った映像が見せたいんじゃないの?編集ソフトでできる事が見せたいの?」と言われてしまいます。自分の撮った映像が見せたいのであれば、切り貼りをしてBGMを付けてオープニングタイトルとエンディングにスタッフロールを付ける位がちょうどいいのです。BGMをどんな曲にするかによって同じ映像でも見る人が受ける印象はがらっと変わります。編集ソフトで映像効果を付ける労力をかけるのであれば、映像にどんな印象を付けたいかを悩む時間をかけた方が、いい作品が出来上がると思います。実際TVでもほとんどこのパターンです。派手な映像効果で目を引くCMで使われた映像はほとんど記憶に残らないでしょう。逆にドラマは派手な映像効果は多用されませんが、いろんなシーンが記憶に残ります。
 編集もやればやるほど、映像効果を付ける場所がわかってきますし、編集をする事によってBGMを付ける為にはそれなりの長さのシーンが必要になる事も実感できるようになり、撮影の腕もまた上がると思います。


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