目次 前へ
−−−  11日目(6/25)  −−−
積算距離:1108.7km
最高速度:41.2km/h
走行距離:79.70km/day
 今川橋で水没しそうな恐い一夜を過ごして、朝10時頃小雨降る中を出発しました。
 姫路城は予想通り目と鼻の先。小雨の中を7kgの荷物を担いで天守閣のてっぺんまでと言うのは結構辛いです。
 そうまでして見る価値はあるのかと言うとちょっと難しいところですね。

 雨の姫路城を出てすぐの屋根付のベンチに入ったら、いかにも的なフリーマン(ホームレス)。
「あの自転車、兄ちゃんの?あんなところに置いとったら盗まれちゃうよ」
 だからワイヤーロックで固定しておいたんですが。周りを見ても盗むとしたらこの人だろうなと言う感じ(見た目で判断するのは失礼ではありますが、何やらペンチと思しき代物を隠すように閉まったのを私は見てしまった)。
 顔に酷い傷があります。出所したばかりだとかいう話から入り、いきなり、
「兄ちゃん、タバコ持っとらへんか?」と在り来たりなねだり。
 私は吸いませんから正直に言うと、しぶしぶ自分のポケットから最後の1本だと言うタバコを出して吸い出しました。
 吸いながら小銭を見せびらかします。そして間を置いて、
「兄ちゃん、100円持ってへんか?」
 うわー、やっぱり来たか。予想していた私は、
「私もぎりぎりで旅行してるから」
 と、すんなり断りました。それでも向こうは何とかしてせしめようと言うのか、妙にでかいラジオを出しました。
「これがええんや。ラジオバッチリはいるし、テープあればテープ聞けるし」
 何が言いたいんでしょう。
「兄ちゃん、ラジオ持っとるんか?」
 そう来たか。
「ええ。ないと旅行中寂しいですからね。ポケットラジオを」
 私からはなにもせびれないと判断したのか、やっと諦めてくれたようです。
 他の人へ話しが切り替わったので、私はその場を早々に立ち去りました。
 姫路はそういう輩と暴走族が多いようで、ちょっと困り者ですね。

 姫路周辺は自転車を置ける場所が見当たりません。雨も降っていたし、他に見るものもないのでとっとと次へ向けて出発しました。
 次は…赤穂です。地図で見る限り少々距離があります。
 それでも無理をして走行。途中、揖保川を見つけて揖保の糸はここから作られているのかと感心したり、自転車の修理(ビスの増締め)にハマリながら着いたのは17時。
 赤穂の城跡は残念ながらお役所仕事で閉まってしまいました。
 諦めて周囲の観光物を見学。
 そこから岡山に向けて出発です。時間的にかなりきついです。
 ということで、岡山の手前にある吉井川の橋での野宿を想定して走りました。
 途中、備前を通り、ああ、備前焼を見たかったな、と思いつつも19時では見られる筈もなく、駅前で一休みして再出発。どうにか20時に着けました。
 橋の下に入り、準備をするとさっそく蚊に食われる。早すぎ…。しかもかなりかゆい。
 が、ここの蚊は薬には弱いようで、虫除けのおかげで良く眠れました。
....つづく
目次 次へ
.