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−−−  52日目(8/5)  −−−
積算距離:5569.8km
最高速度:38.0km/h
走行距離:83.91km/day

 ここも結構、蚊が多いです。虫除けに弱い蚊が多いようですが、この虫除け、効果が2時間程度しか持たない。
 しかも油断した朝方に一気に大量に食われました。うーかゆい!
 と言うことでまずは水場を求めて6時に出発。蚊に食われたから水場なのか?何故かは知りませんが、蚊に食われたところは薬がなくても石鹸で洗うだけでかゆみが止まります。
 これを教えてくれた人は、石鹸の成分がかゆみの成分を分解するんだ、と言ってましたが根拠があるのかどうかは知りません。もっとも、私は実際に効いているので根拠など知ったことではないですが。
 さて、水場は昨夜寝るのを諦めた公園にあります。もっと近くにあるかもしれませんが、さほど遠くないので向かいました。
 行ってみると、夕べいた先客ことホームレスはすでにいなかったのですが、別のホームレスがベンチに座って何やらやっていました。
 さして気にせず水場を占領、顔を洗って蚊に刺されまくった腕と足を石鹸で洗い流し、さっぱりしてから国道34号線を目指しました。
 地図だけを見ると国道263号線で北に向かえば温泉はあるし牧場もあるし、福岡へは一直線なのですが…雨が降るという予報を耳にしていたのでキツい山道はどうしても避けたいところ。ということで残念ながら避けることにしたわけです。
 避けるとなると向かうはただ一線。鳥栖へ向かうだけです。佐賀から鳥栖経由の福岡行き…唯一ほぼ平地を走れるルートです。
 ちなみにこの鳥栖は日本で一番デカいインターチェンジだそうです。それを証明するかのごとく日本で唯一永久ループできる箇所なんですね。道路地図を見れば分かりますが、道が四葉のクローバーのようになっています。よそは多くても3つまでだそうで。
 と、いらん雑学はいいとして、鳥栖を超えて国道3号線に入った当たりで予報通り雨が降ってきました。
 3号線の良いところはすぐ隣を九州自動車道が走っているおかげで雨宿りが容易と言うことでしょうか。降ったりやんだりだったので、道沿いに雨宿りが出来るというのは救いです。
 大宰府を抜け、大野城を抜けるとあっという間に福岡着。九州の基点に戻りました。そう、ここで九州1周が終ったことになります。
 時刻は12時着。福岡のY氏には夕方と伝えてあるので早過ぎました。これでもゆっくり走ったつもりだったのですが。
 ま、福岡市内も見るところはあるかと適当に食事をして福岡市内を観光。キャナルシティ、埠頭、その他諸々。さすがにエネルギー館だけはどう見ても子供だましっぽかったのでやめました。

 そして頃合を見計らってY氏に電話。…しばらく待たされた後、
「Yは出張に出ています」
 は!?いきなりのことで私は全ての思考が止まりました。福岡支店は出張の多い支店だと聞いていましたが、いきなりあるとは予想外。
 などと感心している場合ではありません。私の今日の宿は!?いえ、それよりも私への連絡手段がないまま出張に出たY氏はそうとう焦ったのではないでしょうか。
 出張が急に決まったこと、少なくとも今日中には帰ってこないことを聞いた私は電話を切り、Y氏の自宅に電話しました。Y氏がいないなら泊まる訳にはいかない。福岡はホームレスが多すぎて野宿はまず不可能。ならこのまま北九州まで走ってしまった方が利口だろうと判断し、それをY氏の奥さんに話そうと思ったからです。
 が、Y氏の奥さんは夜帰ってくるということで、子供達に話して通じそうな内容でもなし、いったん電話を切って思案しました。
 さーて、本格的にどうしたもんだか。この段階で14時。北九州に入ってから電話するか、それとも九州行きも福岡市内の公園も諦めて海岸沿いで寝床を探して寝るか。
 他にもいろいろ考えたのですが、何故か福岡を離れない方がいい気がして、海岸沿いの寝床を探すべくまずはベイサイドプレイスに行きました。
 ようはフェリー乗り場ですが、何を思ったか変な名前がついてます。そこからざっと見渡せば何か見えるんじゃなかろうかと考えたんですが…、行くだけ無駄でした。一応観光スポットの一つらしいので見て回りましたが。
 見て回ったおかげで手ごろな時間になり、Y氏宅へ電話。するとトンでもないことが発覚。
「Kさんと連絡取れた?」
「はいいぃ?」
 聞けば、Y氏は出張が決まった時点で私と同じような考えに至ったようで、それでも引きうけてしまった以上は何とかしようとしてくれてK先輩に私の宿を頼んでくれていたらしいのです。
 それは考えられなくもないことでしたが、本当にそう言うことになっていようとは。
 私はY氏の奥さんに礼を告げて、すぐに福岡支店に電話しました。するとK先輩は休日出勤で勤務中ながら連絡がつきました。
 電話をかけた時点で、断って北九州に向かおうかとも考えていたのですが、K先輩は、
「事務所に来い」
 おそらく、K先輩は自覚はないんでしょうが、優柔不断な私からするとK先輩の言葉はやけに威圧感があります。
 素直に従った私は、標識が示すまま空港へ行き、事務所入り。
 幸い他に知っている顔がなく、自転車を事務所内に置かせてもらってK先輩宅へK先輩の車で向かいました。

 K先輩はホークスタウンなどが近くにある結構いい場所のマンション(アパート?)の一室に住んでます。
 以前九州に来たときにも泊めてもらったのですが、場所の良さは相変わらず。ただし、彼女がいれば(苦笑)。
 ま、それは後述するとして、K先輩宅に着いてシャワーを浴びさせてもらってから居酒屋へ。2人で1万3千円。珍しいものがいっぱいあってついつい飲み食いしすぎてしまいました。
 が、なんとまるまるK先輩が払ってくれました。太っ腹と言うか、後輩思いというか。いい先輩です。
 その後、K先輩宅に戻って何事もなく就寝しました。
....つづく
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