numb014.gif 料理を味わう

   「日本からの出張者が北京ダックを食べたいと言っている。でも、気の利いた話をできるわけでも、おいしい料理が何なのかもわからない。どうしよう」。こんな悩みも、このコーナーで解決!

           北京ダックのさばき方

  北京ダックで一番おいしい場所は、ダックの皮の部分。そのため、一皿目はカラッと焼けた皮、二皿目は柔らかい肉、最後に皮と肉が一緒になった状態の腿肉をさばく。
  また、ダックは普通、一〇〇枚前後に切る。古くは「一〇八枚に切れ」という調理人もいたようだが、それも、「一〇〇枚前後に切れ」という意味を強調しただけだったらしい。ダックは、その切った形から、大きく分けて「杏葉型」と「柳葉型」と呼ばれる二つの切り方があり、現在では「杏葉型」が主流。

 anib12.gif   北京ダックの食べ方

    大きく分けて三つの食べ方がある。最もポプラ―なのは、@の食べ方。
     @ ダック+醤(たれ)+ねぎ+荷葉餅
        最も流行している食べ方で、荷葉餅で巻いて食べる。
     A ダック+醤(たれ)+にんにくおろし+荷葉餅
        清の時代に特に好まれた食べ方で、荷葉餅で巻いて食べる。
     B ダック+白砂糖

         ねぎやにんにくが苦手な方向けで、ダックに白砂糖をつけて、そのまま食べる。
     ※ @Aには、この他、好みに合わせて、きゅうり、大根を添えても良い。

  anib13.gif  北京ダックのこぼれ話

       heart01a.gif 欧米人の習慣

         欧米人は、内臓料理を避け、米国人は一番おいしいとされるダックの皮にもあま

       り興味を示さない。人気は、ダックでは、「ふろく」的存在の柔らかい胸肉の部分。

       heart01c.gif  コスト削減

       北京ダックは、ナツメの木(紅棗)を使うと一番おいしく焼けると言われ、ナシとリン
     ゴの木も良い味が出る。しかし、三十数元、六十数元など、安価で北京ダックを提供
     している店では、コストと労力削減のために、ガスで焼いているところが多い。ちなみ

     に、ナツメの木は、一斤(五百グラム)で七角。

      heart01e.gif おいしいお店

       人気の北京ダック店の中には、昔「全聚徳」の看板を掲げていて、今はグループか
     ら離脱しているところがある。その代表的な店舗が、団結湖公園の北側にある「団結

     湖北京kao鴨店」、海淀区にある「北京九花山kao鴨店」である。西なら九花山、東なら

     北京kao鴨店、中間なら前門全聚徳がおいしいと評判。ちなみに一昔前までは、中南

     海からアクセスしやすかった九花山には、中国の政府高官がよく訪れていたという。

   

    杏葉型の切り方

       

  荷葉餅(右)の代わりに、芝麻焼餅(左)に北京ダックをはさんで食べることもある。

※「kao」は、「火」へんに、「鳥」

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