アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(4)
Dr. Richter との対談(口臭測定器)について−1



アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(4) Dr. Richter との対談(口臭測定器)について−1 名前:HONDA 11/9(日)21:55
■口臭測定器について■



R:ほんだ歯科で行われている、口腔内のウレアーゼ活性を調べて、その人の口臭を引き起こす能力を調べる手法はは非常に興味ある手法だ。この方法は私の口腔内の微生物量を調べる方法とよく似ている。

H:口臭は、あったりなかったりするので、治療に来られたときに会話で臭わないからといって、問題ないとは言い切れないですが、この口腔内ウレアーゼ活性を調べる方式であれば、その人の予想される最大の口臭レベルを予想することができます。私はこの方法は、間接的口臭測定法と分類しており、その人の口の中の口臭を起こすかもしれない口腔内環境の指標にして再評価しています。治療するときに会話距離で自分たちが感じることができるかどうかは、あまり、関係ないことのように思います。患者たちは、たとえ検査のときに会話などで分からなかったとして、我々の知らない場所で口臭を起こしている疑いがあるからです。

R:その方法は、歯周病などのスクリーニングに応用できないだろうか?とても興味のある手法だ。

H:口腔内のウレアーゼ活性を持つ細菌の量と、歯周病菌などの数との間には相関があるという基礎研究結果がでているので、ハリメーターなどの揮発性硫黄ガス測定器で測定するよりは相関があると思いますが、ただ、ほんだ歯科の歯周治療へは応用していません。

・・・・間接的口臭測定器である「アテイン」を持参してきていたので、その後にプレゼンテーションをした。

R:大変興味のある測定器だと思う。検知管を用いる方法も面白い。問題はその価格だろう。アメリカでは機械的口臭測定は、もっぱらハリメーター(インタースキャン社製)が使用されている。ハリメーターと同じような低価格であれば普及するかもしれないし、歯周治療領域でも使えそうに思われる。

H:現在アメリカの口臭クリニックではどのような口臭測定器が用いられていますか?
R:口臭測定器はアメリカではずっとハリメーターしか使われていない。

H:最近日本では非常に多くの機種が開発されて、色々なタイプの口臭測定器があります。測定器ばかり開発されても治療がない限り意味がありませんが・・
R:基本的にハリメーターだけで大丈夫だと思う。

H:それはどうしてですか?
R:ハリメーターで口臭の測定や呼気も測定できるし鼻臭も測定できるからだ。しかも価格が安い。

H:私は呼気ガス分析については重要視しています。早くから医科用の分析器として開発されたブレスガスアナライザーを流用して、呼気から排出される腸管ガスの分析をしていましたが、大変コストがかかる上にメインテナンスにも大きなコストがかかり、コストパフォーマンスが悪すぎます。
でも、最近ほんだ歯科とガス測定器メーカーで共同開発した、揮発性硫黄ガス以外のガスも測定可能な低価格な測定器を使用するようになりました。
R:それは興味ある機械だと思う。ただ、揮発性硫黄ガス以外のガスを計れるのは優れていると思う。

H:肉や乳製品を多く取る欧米人の場合は揮発性硫黄ガスが問題となると思うのですが、日本人は欧米人とは食性が違うし、揮発性窒素化合物や、酸性臭にも悩む人が多いから色々なガスを測定する必要性を感じています。
R:なるほど、多くの種類のガスを測定できることは重要なことだと思います。

H:ハリメーターで呼気分析ができるのですか?
R:ガスパックを用いて測定ができるよ。後で実演して見せよう。
H:是非方法を教えてください。(後ほど紹介します。)

H:アメリカではハリメーターしか使われていないようですが、開発されてすでに15年くらいなりますが、その間に新しいタイプの口臭測定器は開発されなかったのでしょうか?
R:その必要性がなかったからね。ただ、ハリメーターもその信頼性について限界を知って使うことが重要だと思う。そうでないと、誤った判定を下す危険性がある。

H:それは、おそらくハリメーターのセンサーの交換をこまめにすることと、キャリブレーションをまめにやることで対応できると思います。多くの歯医者は口臭測定の機械的な仕組みに対する知識がないので、いつまでも感度の落ちた不安定な状態でハリメーターを使い続けている人が多いのでびっくりします。中にはキャリブレーションの意味さへ知らない歯医者が大半ですから。
R:いずれにしても口臭測定器の数値だけで判断することは危険だと思う。


アメリカ口臭治療・口臭市場最前線レポート(4) Dr. Richter との対談(口臭測定器)について−2 名前:HONDA 11/9(日)21:56
R:そういえば、先日 Dr.Yaegakiから、硫化水素とメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの分析をできる測定器(オーラルクロマ)を紹介されたが、先生はどう思いますか?実際役に立つだろうか?私はハリメーターと比較して不安定で使いにくい感じがしたが・・アメリカでは価格が高すぎて普及は難しいとも思われる。ハリメーターと同じようなら必要性はないように思われるが・・

H:ほんだ歯科では、治療対象が大半が自臭症患者であるために、非常に役に立っています。オーラルクロマは、発売直前からほんだ歯科に導入されてモニターしています。
ほんだ歯科の治療では、口臭ガスを無臭にすることが治療のゴールなので、治療終了段階では、オーラルクロマではすべてのガス濃度がゼロになることを証明でるからです。
ただこれらの機械も実際にはガスクロではなく、他の測定器と同様にキャリブレーションやメインテナンスをこまめにしておかないと不安定と思います。やはり、官能検査が重要で、機械的検査はあくまでも参考程度で、患者に客観的評価を与えるための補助的なものと考えたほうがいいでしょう。
その意味では、官能検査が十分信頼できる方法で可能であればハリメーターだけでシンプルに行うのもひとつの方法かもしれませんね。

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Dr.Richterは口臭の客観的評価方法としては 従来からスタンダード的に世界的に使用されているインタースキャン社製のハリメーターで十分としつつも、その機械特性と限界を知った上での使用を強調した。

また、日本で展開されている口臭測定器の開発ブームには驚くと同時に、それほど多くのタイプの測定器の必要性はないとした。

彼が使用していたハリメーターは、最新モデルではなく、古いタイプのもので記録装置がついたものであった。
その後、ハリメーターを使用した口腔内ガス濃度試験、鼻臭測定方法などを実演しプレゼンテーションを受けた。

詳細については後に報告します。


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