草審判の久間です。

打者はバントを企てたのですね。そしてこの
ときの投球は手とバットの両方に当たってし
まったのですね。
投球は手に当たってからバットに触れたので
しょうか。それともバットに当たってから手
に触れたのでしょうか。
この当たる順番によって，審判員の判定は異
なります。


1) 投球が手に当たってからバットに触れた場合

このときは，空振りのストライクが宣告され
ます。打者が投球を打ったが，バットに(最
初に)当たらず，打者の身体に(最初に)触れ
てしまった際は，空振りのストライクとなる
のです。
(公認野球規則 2.72ｅ)


2) 投球がバットに当たってから手に触れた場合

このケースでは，ファウルボールが宣告され
ます。打者が投球をバットで打ったが，両足
が打者席から完全に出る前に打球に身体が触
れてしまったときは，ファウルボールとなる
のです。
(同規則 2.32注1)


打者はファウルボールを主張したのですね。
ということは，バントした打球が手に当たっ
たからそのように審判員へ訴えたことでしょ
う。

ところが，審判員はフェアの宣告を行ったと
のことです。
これは，投球が打者の身体には一切触れてい
ないということを表しています。球はバット
に当たった後，打者の身体へは触れることな
く内野を転がったという判定です。
審判員のこの宣告には規則適用上の誤りはあ
りません。

打者はバントした打球が手に当たったからフ
ァウルボールと主張した。
審判員はバントした打球は手に当たらず内野
を転がったからフェアを宣告した。
打者と審判員双方の主張に誤りはありません。
ただ事実はひとつです。
事実がどうであったのかについてはわかりま
せん。


a）打者が投球を避けようとしたが，球は手
に当たってからバットに触れた

投球が手に触れた時点でタイムの状態となり
ます。よって，この後バットに球が触れたこ
とは無視されます。死球が宣告されることに
なります。

b) 打者が投球を避けようとしたが，球はバ
ットに当たった後，手に触れた

球が手に触れた瞬間タイムの状態となります。
ファウルボールが宣告されるのです。上記の
2）と同じ判定です。


失礼致しました。

〔ツリー構成〕

【1364】 初歩的な質問 2003/6/30(月)23:23 ボールボーイ

┣【1366】 私も知りたいです。 2003/7/1(火)00:01 Tinker

┣【1368】 投手板から本塁までの距離 2003/7/1(火)11:59 久間(くま)

┣【1370】 re(1):投手板から本塁までの距離 2003/7/1(火)22:26 Tinker

┣【1367】 どちらに最初に当たったのでしょう？ 2003/7/1(火)11:55 久間(くま) ≪

┣【1376】 re(1):どちらに最初に当たったのでしょう？ 2003/7/2(水)11:42 あんちゃん

┣【1377】 ストライクが宣告されると同時にタイムです 2003/7/2(水)12:43 久間(くま)