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173 これってタッグですよね?
2002/4/4(木)10:56 - 久間(くま) - ns.meiji.co.jp


草審判の久間です。

先日球場で選手からタッグの定義についてご質問があり,
その場で答えたのですが,その際にずっと忘れていたプレイを
思い出しました。

今から十年ほど前のことです。
私は専用の球場を持つとある私設リーグで審判員を
していました。
私は当時全試合の審判員の手配を請け負っておりましたが,
その日は欠員が発生したために,よそのリーグの審判員一人に
応援を頼みました。
その審判さん(Hさん)が球審で,二人の塁審がHさんを
サポートし,私は一人の休憩中の審判員と二人で本部席にいました。
そんな試合でのこと。
一死走者一塁のとき,打者は遊撃手寄りの二塁付近にゴロを
打ちました。
遊撃手は捕球後自ら二塁を踏んで一塁へ送球するつもりでした。
けれども,焦る気持ちからか,遊撃手は捕った球をグラブから
こぼしてしまったのです。
でも彼は冷静にグラブをはめた反対の手である右手で球をつかみ,
そのつかんだ球を二塁キャンバスバッグに触れさせたのでした。
二塁で構えていた三塁塁審は「アウト」の宣告。続いて遊撃手は
一塁へ送球。打者走者もアウトになりました。
お見事な併殺です。
が,ここからが問題でした。
攻守交代時に,Hさんは本部席の私に向かって言ったのです。
「二塁は本当はセーフだが,おまけにしておいてやるよ」
私は思わず「え! どうしてですか」
「球を直接塁に触れさせてもタッグじゃないんだよ。塁にタッグ
するときは球を持った身体を触れさせないとダメなんだ。塁は
地面と同じだから,塁と球が触れているときはタッグとは言え
ないんだ」
まだ試合中でしたので,Hさんとの話はそれで中断しました。
その日の全試合終了後,私はHさんとタッグの件で他の審判員全員
を交えて意見を聞きました。
「球を走者の身体に直接触れさせてもタッグになる。また,球を
持った手やグラブを走者に触れさせてもタッグだ。しかし,塁に
関しては,球を持った手や身体を触れさせない限りタッグには
ならない」
私を含め,審判員全員が「そんなことないでしょう」という考えでした。
「規則書にはそう書いてある。しっかり読みなさい」
「え?」
皆は一斉に公認野球規則のタッグの定義の頁を開きました。
「あ,ホントだ…」
規則書によると,タッグとは確実に保持した球を走者に触れさせるか,
球を保持した手またはグラブを走者に触れさせる行為,あるいは球を
確実に保持してその身体を塁に触れさせる行為と書いてあるのです。
そこには保持した球を走者に触れさせる行為はタッグであると書いて
あるのに,保持した球を塁に触れさせる行為はタッグであるとは書いて
ないのです。
これには私も他の審判員も反論できず,その場はそれでお開きとなりました。

その後,いろいろな審判さんにタッグについて質問したのですが,
どなたもタッグになるという回答でした。
規則書には明確に書かれていないかもしれないが,保持した球を塁に
触れさせても立派なタッグだ。
これが私が質問した審判さん全員の一致した答えでした。
Hさんとはそれ以降お会いするチャンスがなく,この件は未解決
のまま時が流れてしまって,私自身忘れてしまいました。

随分と状況説明が長くなってしまいました。
この場で全国のみなさまに改めてお聞きしたいのですが,
Hさんの主張は正しいのでしょうか。
私は球を直接塁に触れさせても立派なタッグになると今でも信じて
います。

どうぞ,ご教授くださいませ。

失礼致しました。


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【173】 これってタッグですよね? 2002/4/4(木)10:56 久間(くま)
┣【176】 re(1):これってタッグですよね? 2002/4/5(金)00:45 伊勢 美剣
┣【179】 私もタッグと思うのですが… 2002/4/5(金)01:24 久間(くま)
┣【193】 木を見て森を見ず 2002/4/7(日)16:34 伊勢の弟
┣【198】 角を矯めて(ためて)牛を殺す 2002/4/8(月)11:16 久間(くま)

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