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490 ランナー,すぐ戻りなさい! −私が真っ青になったある試合−
2002/8/21(水)12:09 - 久間(くま) - ns.meiji.co.jp


草審判の久間です。
笑い話として読み流してくだされば
結構です。

今から十年くらい前のお話です。
球審は他の団体からの助っ人さん。
塁審二人は私の団体の専属審判員でした。
私自身は本部席で観戦中のことです。
一死走者一塁でした。
走者は投手の投球動作と同時に走塁を
開始しました。
打者はこのときの投球を打ち外野飛球
となりました。
走者はおかまいなしに走塁を続けます。
そして,二塁から三塁へ走者が向かって
いる最中に,飛球は中堅手によって
捕らえられました。
これを見た球審である助っ人さん。
大きな声を上げたのでした。

「ランナー! すぐに一塁へ帰りなさい!」

椅子に座っていた私が一瞬の間に凍り付いて
しまったことは,今でも鮮明に記憶しています。
中堅手はすぐさま一塁へ送球。帰塁する
ことの間に合わなかった走者はアピールアウト
となってしまいました。
しかし,これでおさまるわけがありません。
攻撃側の監督さんが血相変えてダッグアウトから
飛び出してきました。

「審判がどうしてそんなこと言うんだ! だまって
ないといけないのではないのか!!」

私ははっきり言ってこのときほど,赤の他人,
通りすがりのにいちゃんを演じたいと思った
ことはありませんでした。
けれども審判部の責任者という意識がそれを
許してはくれませんでした。
助っ人さんの返答はしどろもどろです。
私が間に入らないと試合続行は不可能でした。
私は監督さんに何度も頭を下げ,何とか許しを
乞いたいと思いました。
そのチームは監督さんを含め,選手全員が
血の気の多い戦闘集団であるかのごとく
有名なチーム。
私はただただ頭を下げるしかありませんでした。

五分間くらいの中断でしたでしょうか。
そのへんの記憶は定かではありません。
攻撃側の監督さんもやっと冷静になってくれて,
試合は再開できました。
試合に出場していたわけでもないのに,私は
全身汗でビショビショ。

本当に疲れた一日。
その日は計六試合が組まれていたはずですが,
それ以外の試合の出来事なんて,もはや
覚えているはずありません。

その助っ人さん,その試合が原因というわけでは
ないのですが,それ以来疎遠になってしまいました。
今頃どうしておられるでしょうか。
もうお孫さんが大きくなっていて不思議ではない
ご年齢のはず。
私としてはお元気で審判されておられることを
願うのみです。
ごれをお読みになっても,もう十年前の
話ですから,きっと笑って許していただける
だろうと思いましたので,投稿させていただき
ました。

失礼致しました。


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