700 例外が認められたケースと言えるでしょう |
草審判の久間です。 ご質問にありますように,打球を 野手が直接捕らえたため,走者が 帰塁を果たす前にその塁へタッグして 走者をアウトにしようとする守備側の プレイは実はアピールプレイなのです。 アピールプレイなのですから,野手は 塁へタッグするという動作と「走者の 離塁が捕球より早いです」という言葉で もって審判員に走者のアウトを求めなけ ればなりません。 とは言うものの,現実のプレイでは野手は 一々審判員にアウトを求める言葉を発して はいません。 にもかかわらず,野手が塁に触れた時点で 審判員はアウトやセーフの宣告を行って います。 走者が塁を空過した場合とは異なり,この ケースは言葉によるアピールの省略が 認められた,珍しいアピールプレイと 言えるでしょう。 走塁中に打球が直接捕球されたのを見て, 走者は全力で元の塁へ帰ろうとする。 打球を捕球した野手はその塁上に立つ 野手へ送球する。野手が送球を受けた ことを確認して,審判員はアウトを宣告 する。 ごくありふれた併殺ですが,このプレイも 立派なアピールプレイであることをお忘れ にならないでください。 ではなぜ,このケースでは言葉による アピールを省略することが認められて いるのでしょうか。 それは,守備側に三重殺をとる機会を 与えるため…と,かつて先輩に教わった 記憶があります。 このプレイにおいて,言葉によるアピールを 義務付けてしまっては,併殺はとれても 三重殺はまず不可能です。 このチャンスをつくりだすためにアピール 方法の例外を認めたのだそうです。 しかし,言葉の省略を認める旨の内容は 規則書には書かれてありません。 そういう意味において,あくまでこれは野球の 長い歴史と慣習から生み出された不文律と 言えるかもしれません。 失礼致しました。
〔ツリー構成〕
【698】 アピールプレイ 2002/10/24(木)18:01 丁稚(でっち) |
┣【699】 re(1):アピールプレイ 2002/10/24(木)19:05 新米審判 |
┣【700】 例外が認められたケースと言えるでしょう 2002/10/24(木)20:47 久間(くま) |
┣【701】 例外だったのですね 2002/10/25(金)09:33 丁稚(でっち) |
┣【702】 成り行き=インプレイ という意味で私も使います 2002/10/25(金)13:24 久間(くま) |
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