1117 テイク・ワンベースの誤解 |
草審判の久間です。 校庭などで試合を行う場合「この白線から向 こうへ送球が入ったらワンベース」という取 り決めを行うことが多いですね。 けれども試合の様子を見ていると,内野手の 一塁送球がその白線を越えたとき,打者走者 には二塁を与えるのに,二塁走者には三塁し か与えず試合を再開しているケースをよく見 かけます。 かと思えば,走者一・二塁のときは,二塁走 者を本塁,一塁走者を三塁,打者走者を二塁 に進めるのです。 これって,変ですよね。走者の位置と人数に よって進塁できる個数が変わるはずありませ んのに。 私が学童野球の練習試合の審判員を一人で勤 めたときのことです。 ゴロを捕球した遊撃手が一塁手の頭上高く悪 送球してしまい,球は白線を越えてしまいま した。 「テイク・ワン! ユー・ファーストベー ス!」 私はそう宣告しました。すると打者走者は一 塁から二塁へ向かおうとするではありません か。私は彼を呼び止め,一塁へ戻しました。 途端に攻撃側監督から抗議です。 「ワンベースは一塁から数えてひとつなんだ。 悪送球があった時点で打者は一塁セーフ。そ こからさらにワンベースだから打者は二塁へ 行く権利があるんだ」 実に滑稽な説明です。 一塁セーフの意味がわかりません。打者走者 はあくまで本塁から数えて一個二個と進塁さ せます。打者走者が一塁に生きる安打をワン ベース・ヒット,二塁へ到達する安打をツー ベース・ヒットということと同じ理屈です。 打者走者を二塁へ進ませるにはワンベースで はなく,ツーベースでなければなりません。 守備側の監督も招集して,私はその規則説明 を延々と続けました。守備側の監督も同様の 誤解をしている様子でした。そしてようやく ご理解いただき,試合を再開することができ たのでした。 その間約10分。大人の言い合いのために待た されることとなった学童選手の皆さん,本当 にごめんなさい。 打者走者を二塁へ進めるためには「テイク・ ツーベース」という規則を設ける必要があり ます。 その際の二塁走者は二塁から数えて二個進塁 できますから,本塁が与えられるわけです。 打者走者には二塁を,でも二塁走者は三塁ど まり。これは規則適用を誤っています。 「テイク・ワンベース」ならば打者は一塁ど まり,一・二塁走者は二・三塁どまりです。 どうぞ未来の大リーガー達へ正しい野球規則 を伝授してあげてください。 失礼致しました。
〔ツリー構成〕
【1116】 特別グラウンドルールでお聞きしていのですが 2003/5/20(火)13:13 自来也 |
┣【1117】 テイク・ワンベースの誤解 2003/5/20(火)16:54 久間(くま) |
┣【1252】 re(1):テイク・ワンベースの誤解 2003/6/11(水)23:53 審判見習い |
┣【1254】 打者走者には一塁が与えられるだけです 2003/6/12(木)01:24 久間(くま) |
┣【1255】 re(1):打者走者には一塁が与えられるだけです 2003/6/12(木)01:37 審判見習い |
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