草審判の久間です。

無死や一死のときにスクイズプレイが行われ，
その際の投球を打者が反則打球した(バット
に投球が触れた)場合は，三塁走者をアウト
にしようとした野手の守備を妨害したという
理由で，守備妨害が宣告されます。
そして，守備の対象である三塁走者にアウト
の宣告が行われます。
(公認野球規則 7.08ｇ注2)

打者が片足もしくは両足を完全に打者席から
出して，投球にバットを触れさせると，それ
は反則打球となります。
この後，球が内野を転がろうが，ファウル
ボールになろうが関係ないのです。
守備妨害が宣告されて三塁走者はアウトにな
ります。

ただし，例外があります。
打者がスクイズプレイの際に反則打球すると
いう妨害行為を行ったとしても，守備側が三
塁走者をアウトにすることに成功した場合は，
妨害はなかったものとして扱われます。
(同規則 6.06ｃ原注)

例えば，打者は片足を完全に打者席から出し
てバントしたが，内野を転がる打球を素早く
拾い上げた投手が本塁へ送球し，捕手が本塁
へスライディングしてきた三塁走者に触球し
て，この走者をアウトにした場合です。
またご質問にありますように，打者は打者席
を出てバントしたが，球はファウルチップと
なって捕手に捕らえられ，この後の捕手の守
備によって三塁走者は本塁直前でタッグアウ
トとなった場合。
このようなときも，打者の守備妨害はなかっ
たものとして処理されます。

>３塁走者が３塁に帰塁してもアウトですか？

捕手が反則打球した球を直接捕らえた(ファ
ウルチップとなった)ことを見た三塁走者が
三塁へ引き返して帰塁に成功したときは，打
者の守備妨害が適用され，三塁走者はアウト
の宣告を受けます。これは，反則打球という
守備妨害が行われたのに，三塁走者はアウト
を免れたことによる処置です。
ファウルチップを捕った捕手が本塁へ滑り込
んできた走者へ触球したが，審判員の判定は
セーフであった場合も，三塁走者は打者によ
る守備妨害が適用されてアウトとなります。

>その打球を捕手が捕球できなかった場合は
>ファウルでしょうか？

いえ，反則打球というものは打者がバットに
投球を当てることだけで成立する反則行為で
す。
したがいまして，打球がファウルボールとな
ったためアウトを免れるに至った三塁走者は，
打者の反則打球のため(守備妨害のため)アウ
トが宣告されます。

失礼致しました。

〔ツリー構成〕

【1996】 スクイズの際の反則打球について 2003/10/24(金)09:19 ヨッシー

┣【1997】 三塁走者はアウトになります 2003/10/24(金)12:13 久間(くま) ≪

┣【1998】 両足でジャンプした場合は？ 2003/10/24(金)12:55 東浦和

┣【2000】 その場合は反則打球ではありません 2003/10/24(金)14:22 久間(くま)

┣【1999】 re(1):三塁走者はアウトになります 2003/10/24(金)13:55 ヨッシー

┣【2001】 削除