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−−−  42日目(7/26)  −−−
積算距離:4772.5km
最高速度:43.3km/h
走行距離:29.33km/day

 朝起きてみるとやっぱり土砂降り。こういう場所では帰って寝づらいかなと思ったんですが、他にもすみで寝ている若い旅行者がいたことで安心したのか、4時までぐっすり寝てました。
 台風、上陸しそうなんでしょうか、朝は6時にならないとまともなラジオ番組がないので、待ちました。
 すると、5時50分に奄美大島に暴風波浪警報…。九州南部は1日中雨…。普通の雨ならまだしも台風の雨ではとてもじゃないけど動けません。
 幸い、鹿児島には天文通りという巨大なアーケード街があります。今日1日はそこで過ごそうかと思案しました。
 思案しているうちに8時を過ぎ、雨が心持ち小降りになったので行動開始。
 天文通りに入って吉野屋で朝食。店構えは小ぢんまりとしていて、牛丼は火が通っていないのに濃い味。店員も無愛想で、今一つでした。ま、いつぞやの二度と行きたくないと思った吉野屋よりはマシですが。
 朝食を済ますと、小雨なのをいいことにアーケード街を抜けてふるさと館へ。
 ここはいいです。まずスタッフの対応がいい。
 目の前でカッパを脱いで荷物のビニールを外している私を見ていたのか、即座に出てきて無料ローカーで荷物を預かってくれました。
 館内には300円で入るわけですが、この館内で300円は絶対に安いです。
 けっこう見ごたえがありますし、西郷隆盛やら何やらの人形は動きが非常に不気味なんですが、一見の価値はあります。
 スタッフの対応が良かったので、すっかり気をよくした私は、ついでに安いビニール傘が余ってたらくれないかななんて甘い期待をしましたが流石にそれはありませんでした。
 が、意外なところから甘い期待がとんでもない現実に。
 ふるさと館を出て少ししたらまた雨が降ってきました。ということでちょっとした軒先で雨宿りして合羽を着ようか迷っていたら、ビル内の事務所に戻る途中らしい見知らぬ女性が、
「傘がないの?」
「ええ、カッパはあるんですけどね」
 正直に、実はカッパは着たくないという思いを込めて話すと、女性はハイッと傘をくれました。
 驚いていると、「傘なんて、うちにいっぱいあるし、事務所にも置き傘があるから」
 見れば、普通に買えば2〜3千円はしそうな立派な傘。
 私にはとても真似が出来ません。礼を言ってあり難く貰いました。
 その傘をさして、蒸気屋でカスタドンを買い、食べながら移動して天文通りに復帰。そこのマックで昼食にしましたが…ポテトは冷め切ってて塩は掛ってないし、コーラは完全に気が抜けてるし、フレッシュマックは届くのに10分以上も掛っていて味が変だったし、ちょっと酷かった。
 やはり地方のファーストフード店は駄目なんでしょうかね。

 その後、博多のY氏に取り次いでもらった鹿児島に済むというY氏の親戚M氏に電話をしました。
 台風は来てるけど40kmなら走れるだろうとよんだからです。それが14時頃。余裕を見て18時に着くので宜しく願いますと連絡したのですが、大アマでした。
 走り出して1時間半。10km程しか走れず、しかも道に迷ってしまいました。雨のせいで標識を見損ねてしまったようです。
 これではM氏のいる市来に辿り着けないと判断した私は、道を戻って西鹿児島駅まで戻りました。
 そしてとうとう輪行袋の活躍です。桜島からのフェリーの時に使ったきりですが、すでに慣れたもので、最初に向きを間違えましたが10分少々で完成。
 5百数十円で目的の市来に到着。嵐の中、自転車を組んで出発、何とか到着できました。
 Y氏の話では目印から2kmほど行ったタバコ屋が目印とのことでしたが、実は1キロ少々。
 行き過ぎたものの、さすがは田舎、M氏の家は聞いたらすぐに分かりました。
 戻る最中、横風に煽られ、危ないかと思いきや、トラックの水飛沫を横風が押し戻してくれるという多少ラッキーな現象に出会いつつ到着すると、おばちゃんが出迎えてくれ、まず風呂を貸してくれました。
 温泉がいいなら来るまで連れていってあげるよという言葉にピクリと反応しながらも、そこまではずうずうしかろうと遠慮してぬくいお風呂で数十分。
 着替えて飯。ぢゃなくて酒。つまみに出してくれたおかず類はどれも美味。何でこんなに美味いんだろう。刺し身も美味いし肉も美味い。宮崎牛だそうで。そしてなんと言っても野菜が美味い。
 農家だから自宅で作ったものなのだそうですが、トマトが絶品。なんとトマトをお代わりしてしまいました。
 そして最後のご飯はうな重。豪勢ですねぇ。これのタレは少々濃い味ですが美味しかったです。
 焼酎も戴きました。鹿児島というと、強い酒というイメージがありますが、25度。なんだ、関東と変わらんじゃないの、ということでこれもお湯割りで美味しく戴きました。
 食事の最中、
「こうしてると博昭(Y氏の下の名)が来とるみたい」
 私がY氏と似ているという。思わず、 「それって…喜んでいいんですか…?」  言った瞬間、しまった、失礼な言い方をしてしまった!と思ったんですが、即座に、 「ええ!」  と返されました。つ、強い(^_^;)。  田舎の、特に農家の夜は早いのですが、私に付き合ってくださり、夜22時まで起きてました。ということで22時に就寝…。
....つづく
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