四国八十八カ所フォトアルバム



1996年6月7日(第5日)

第33番 雪蹊寺 〜 第37番 岩本寺

 

雪蹊寺本堂 33番 高福山雪蹊寺−−−十善戒

 お経本の中にある。これが一応生活の基本のようなものだと私は理解している。1.殺生をしない。2.盗みをしない。3.邪淫はしない。4.嘘をつかない。5.きれい事、お世辞を言わない。6.悪口を言わない。7.二枚舌を使わない。8.欲張りをしない。9.腹をたてない。10.よこしまな考えを起こさない。
 お遍路の最中にとにかくこれをがんばって実行し、ゆくゆくは東京での当たり前の生活の中でも実行できるようになったらいいなと思ってはいるが、道はまだまだ先が長そうである。
 お遍路に出ている間は、緊張感もあるし、自分自身を律してきちんとしたお参りをして帰りたい、という思いもあるので、結構9番の腹を立てない以外は、実行はそれほど大変ではない。けれど、家に帰ると元の木阿弥というのは、ちょっと悲しい現実である。
雪蹊寺大師堂


種間寺本堂 34番 本尾山種間寺−−−おみえ帖

 おみえとは、納経印を頂くとお寺からおわけいただけるそれぞれのお寺のご本尊のお姿のこと。88ヶ寺納経をさせていただいて回れば88枚集まるわけで、これも、何種類かきれいに保存しておけるバインダーの様なものが出ている。このおみえを集めて、お軸に表装する方もあるし、屏風や額縁に入れてそれぞれ大切にお祀りする家もある。
 このおみえは、私の場合家に帰ってからも、時々取り出してゆっくりとバインダーのページをくることで、心を癒すことができたりして、本当にこれはこれでありがたいものなのだ。
 しかしながら、このおみえは自分できちんと頂いて管理しなければならず、往々にして、いただき忘れたり、紛失したりするそうである。(私は幸い一度もない。)予め、納経所でいただいたら何処に入れるかなどを決めておくといいだろう。なお、途中で紛失したなどの理由で、郵便などでもう一度いただくことはできない。再度入手するには、もう一度いくのみである。心してお受けして下さい。
種間寺大師堂


清滝寺本堂 35番 医王山清滝寺−−−納経

 納経とは、本来はきっと読んで字のごとしで、お写経したお経をお寺に納めることなのだろうが、今では納経の行為自体は、納札という形に一部変容して、納経は、自分たちの持参した納経帳、お軸、白衣などにご宝印をいただくことを言うようだ。
 その費用だが、平成8年7月現在で、
   納経帳、白衣      300円/1ヶ寺
   お軸          500円/1ヶ寺
と、決まっている。
 また、原則として、お遍路さん一人につき、納経帳、お軸、白衣ともに一つずつと決まっている。商売で、一人でお軸を10本ももってお参りに来る人があるそうだ。何しろ前に書いたが、この完成品は高く売れるらしい。そんなことをして、ばちが当たる=お大師様からお諭しがあるとこわいので、私は考えたこともないが。
清滝寺大師堂


青龍寺本堂 36番 独鈷山青龍寺−−−青龍寺の故事来歴

 88ヶ所の開祖である弘法大師・空海は、延歴23年30才の時に、密教を学ぶ為、唐に渡った。唐の都・長安(現在の西安)の西明寺に滞在していた空海は、入唐して半年後、密教を修得するという目的の達成のため、青龍寺の恵果阿闍梨の元を訪れた。
 恵果阿闍梨は、大日如来、金剛薩た、龍猛、龍智、金剛智、不空、恵果と続く真言密教の八祖の八代目であった。このうち、後ろの4人は、実在の人物である。残りの4人のうち、龍猛、龍智のお二人もどうやら実在した方のようだ。
 そして、恵果阿闍梨は、空海の優れた資質を認め、彼を自分の後継者とした。
 それから、わずか2年の滞在期間中に、空海は恵果阿闍梨から胎蔵界、金剛界、伝法阿闍梨の各灌頂を伝授され、密教の奥義をことごとく受け継いだのである。その証拠に、空海が日本に帰国した後、中国の密教はほとんど絶えてしまった。
 さて、その空海が帰国するとき、恵果阿闍梨の様々な恩に報いるため、日本にお寺を建立しようと思い立ち、有縁の地を探し出すため、長安より日本に向かって独鈷杵を投げた。その独鈷杵は一直線に東に向かって飛び、雲の彼方に見えなくなった。帰国後、空海が四国を巡っているときに、この地の山上の松ノ木にその独鈷杵がかかっているのを見つけ、時の嵯峨天皇に願い出て一寺を立て、独鈷にちなんで独鈷山を山号とし、寺の名を西安の青龍寺にちなんで青龍寺としたという。
 現代の西安に、再建された青龍寺があるが、そこにはもはや僧侶の姿はなく、寺としての活動は行われていない。僅かに、空海の遺徳を慕う日本人が建立した空海記念堂が立つのみである。96年の5月に訪れる機会があったが、何となく空虚な感じがして、違和感が有ったのが印象的だった。
青龍寺の塔
青龍寺大師堂


岩本寺本堂 37番 藤井山岩本寺−−−ずた袋あるいはウエストポーチ

 車遍路の場合、お参りのためお寺で持って降りる最低のものを入れるものが必要だ。お数珠、お経本、輪袈裟、納札、ろうそくと線香、ライター、お賽銭、納経帳、お軸。私の場合、納経帳とお軸は、別に小振りなリュックに入れて背負い、線香は線香入れに入れてウエストポーチからさげ、残りのお参り小物はウエストポーチに入れていた。あれこれ手に持っていると、お手水をつかったり、読経の時に手が自由にならず、うまくないからだ。ずた袋はお札所でも1500円くらいで買えると思う。
 お経本がそっくりはいるような大きさのウエストポーチで白を探したが、東京では購入できなかった。今使っているのは、カバンのメーカーでサムソナイトという会社のお弁当箱のような長方形のウエストポーチである。
岩本寺大師堂

"前日"へ   "翌日"へ

"日程"へ


"項目別目次"へ


"四国八十八カ所お遍路の旅"トップページへ


開運招福寺



ニャーニーズ・アイランド