852 たいへん難解な自責点の規則 |
草審判の久間です。 投手の自責点となるかならないかの決定は個々 のケースによって異なってきます。ですので, 絶対この場合は自責点にはなりませんとはなか なか説明しづいところです。 今回は一例を挙げてみます。 例1 一番打者Aは二塁打で出塁した。 打者Bのとき, ア)投手が暴投し,Aは三塁へ進んだ。 イ)捕手が投球を後逸し,Aは三塁へ進んだ。 ウ)投手が二塁へ悪送球し,Aは三塁へ進んだ。 この後,BはスクイズプレイでAを生還させた。 Aの得点は投手の自責点となるか? 答 ア)の場合…自責点となります。 投手の暴投は投手自身の責任と考えます。よっ て,Bのスクイズプレイで本塁を得たAは投手 の自責点となります。 イ)の場合…自責点にはなりません。 捕逸による走者の進塁は投手の責任ではありま せん。ですからBのスクイズプレイによるAの 得点は投手の自責点とは考えません。 ウ)の場合…自責点にはなりません。 投手の悪送球も投手自身の責任と思われるので すが,規則上は暴投とは区別して考えることに なっています。ですから,Aの三進は守備側の 失策によるものとみなしますので,Bのスクイ ズプレイによって本塁へ進んだAは自責点の対 象外ということになります。 例2 一番打者Aは単打で出塁した。 続く打者Bへの第一球目を捕手は後逸し,Aは 二進した。この後, ア)Bは場外二塁打を放ち,Aを得点させた。 イ)Bは場外本塁打を放って,Aを得点させた。 Aの得点は自責点となるか? 答 ア)の場合…自責点にはなりません。 捕逸がなければAは二塁へ進塁できてはいませ ん。Bの場外二塁打があっても,Aは一塁にい たとすれば得点できません。 Aの得点は捕逸のおかげ…と考えて,投手の自 責点とはしません。 イ)の場合…自責点になります 捕逸がなければAは二塁へ進塁できてはいない ということはア)と同じです。 しかしBは場外本塁打を打ったので,Aが一塁 にいようが二塁に進んでいようが関係なくなり ました。Aの得点は捕逸とは無関係であると判 断されるのです。よって,捕逸という自責点の 対象外となる失策があったものの,Bの場外本 塁打のために捕逸は無視される結果となるので す。 自責点の規則は本当に複雑です。上記はほんの 一例であり,各々のケースによって自責点とす るか否かを考えます。 なお,当フォーラムの【762】とそのツリーに も自責点についての記述がありますので,ご参 考になさってください。 失礼致しました。
〔ツリー構成〕
【849】 自責点について 2003/2/4(火)12:31 徳ちゃん |
┣【850】 自責点とはならないケースです 2003/2/4(火)13:06 久間(くま) |
┣【851】 re(1):自責点とはならないケースです 2003/2/4(火)14:09 徳ちゃん |
┣【852】 たいへん難解な自責点の規則 2003/2/4(火)16:57 久間(くま) |
┣【853】 re(1):たいへん難解な自責点の規則 2003/2/4(火)18:17 徳ちゃん |
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