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−−−  18日目(7/2)  −−−
積算距離:1991.6km
最高速度:57.6km/h
走行距離:117.61km/day
 夕べはあまり良く寝られませんでした。というか、カニの棲家に私は寝ていたようで、夜中にカサコソと頭の上を歩いたりされました。さらに蚊が強い!
 6時に駐車場に行ってみると菊池氏の車はもうありませんでした。なんて早い。
 そして、少々早いですが最御崎寺に向いました。
 ここは急勾配のスカイラインがあって結構きついんです。
 そこをゆっくりと上がっていると、正面から降りてくる1台の自転車…。
 女性チャリダーです。後ろの荷台に大量の荷物があり、その上には傘が置いてあります。
 凄いですねぇ。すれ違いざま、互いに挨拶して別れましたが、私は感心して見てしまいました。
 女子大生くらいでしょうか。

 そんなこんなで私は最御崎寺に6時半に到着。やはり早すぎました。10分ほど待って、優しい方だったのですぐに開けて納経してくれました。
 よし、これで女性チャリダーを追える!そう思った私はスカイラインを一気に駆け下りました。本日の最高速度はここで出ました。
 第25番は漁港にあります。少々迷いかけましたが、すぐに復帰して到着。
 丁度出ていくところの彼女に会えました。
「自転車で回られてるんですか?それだけの荷物で?」
 声を掛けて来たのは彼女からでした。
 そして、ブレーキの調子が悪いんだけど分からないかと言ってきました。
 見ると、だいぶ遊びがあります。
 普通、隙間は2mm程度なのですが、彼女の場合、5ミリ近く空いています。
 これでは握りが深すぎてしっかりブレーキングが出来ないでしょう。
 しかし、私の手持ちツールではプライヤーがないのでどうしようもありません。
 ということでガソリンスタンド辺りで工具を貸してもらえばいい、きっとやってくれる、と話し、彼女とは別れました。
 26番でも道で会い、27番でも。ま、同じルートなんですから当たり前ですね。
 と言っても私と彼女とでは速さが全然違います。徐々に抜いていってとうとう会わなくなりました。
 26に行く途中から雨が降り出し、私はレインコートを着たものの、またもバケツをひっくり返したような雨に見舞われてびしょびしょになりました。
 しかしその方が良かったようです。なにしろ、27番では道が川になっていましたから。
 しかも、その時のみすぼらしい格好(Gパン、Tシャツ、ポケットレインコートにデカいナップザック)が同情を引いたのか、徒歩と思われたのか、自ら納経を書いてくれた住職が、いきなり
「休んでいきなさい。コーヒーでいいかね?」
 と、優しいお言葉。
 コーヒーだけならありがたく頂戴しても問題なかろうと礼を言って休憩室で待っていると、奥さんがコーヒーとお茶請けにバームクーヘンを持ってきてくれました。
 ああ、無茶苦茶嬉しい。
 土砂降りの雨が1日続くと言う話の後、奥さんの方から、
「夕べは野宿?どこに泊まったの?」
 と聞いて来たので、
「港の側の海岸で寝ました」
 と言ったらじゃあ何も食べてないのね。食パンを焼いてきましょうか?それともラーメンがいい?」
 まじめに耳を疑いました。
 だって、そこまでしてもらうアレはないんですから。だから最初は断りましたけど、野宿している人を世話してあげるだけだ、という言葉に、ついついパンを頼んでしまいました。
 パンを焼くだけなら手間も掛らないでしょうから。
 しかしすぐに戻って来た奥さん。
「もう昼だけど、やっぱりパンがいい?ラーメンの方が良くない?ざるそばもあるけど」
 なんか、凄い話になってきました。
 でも、昼ならば、と私はラーメンにさせてもらいました。
 で、てっきり1人前かと思いきや、なんと2人前。食べ応えがありました。
 食べ終わって、住職にお礼を言って山を下りたところでチャリダーの彼女と最後の再会。
 彼女は赤いてるてる坊主になってました。

 彼女と会わなくなった私はその後も進行を続け、彼女が泊まるといっていた28番を無事に越え、29番では迷ってしまい、30番までどうにか回れました。
 その段階で16時半。寺の方に話を聞いてみたら自転車でも30分で31番へ行くのは無理だろうとのことで素直に諦めて高知に宿を取ることにしました。
 駅前の案内所で聞いて税別3900円のビジネスホテル。お釣を貰う時にいきなり千円ぼったくられそうになりました。恐らく確信犯…。
 そして、夕食は土佐料理。しめて4千円なり。
 いかんなぁ、散財しすぎて。まぁ、本来1泊5千円と見ているので、夕べの野宿分にも満たない額ではあるんですけどね。
 明日は高知のそば、31番から開始です。7時に宿を出て、37番までが限界というところでしょうか。
....つづく
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