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−−−  69日目(8/22)  −−−
積算距離:7062.7km
最高速度:49.3km/h
走行距離:110.48km/day

 朝普通に起きて、朝食を摂っていると、夕べのはた迷惑な彼も朝食を摂りに食堂に入ってきました。が、夕べの私の一言がよっぽど効いたのか私から離れるように遠くの席に座ってました。
 朝食後、準備をして8時出発。月読神社を経て奈良公園に入り、春日大社、東大寺南大門に12時半着。
 大仏参拝で400円は高いと思うぞ。
 奈良公園に入ってまず思ったのは人力車の多さ。人力車は元締めから貸与されるらしいんで、身体1つで稼ぐにはいい仕事なのかもしれませんが、その考え自体が安易過ぎる気がします。そのせいで需要と供給のバランスが崩れて、暇を持て余す人力車がタムロ。はたから見ていてちょっと怖いです。
 奈良公園ではモモちゃんなる白鹿を探してみたんですが、やっぱり見つけられませんでした。その代わりと言っちゃなんですが、真っ白な鳩を見つけました。だから何なんだか…。

 散策を終えて奈良駅前に行くと献血車が。夕べYHの談話室で話しに上がっていたので多少気にはしたのですが、献血手帳を持っていないので通りすぎるつもりで目の前を通りました。すると、
「献血手帳がなくても献血できますよ。とりあえず発行するので後で書きかえることでつなげられますし」
 ということで、流されるままに受付へ。
 しかも勢いに乗って400cc。私の場合、献血するとあからさまに体力知力が落ちると言う事実を過去の献血で感じ取っていたので余り乗り気じゃなかったのに…。
 献血車に入ると、順番待ち。結構盛況なのね、と感心しながら順番待ちをして、番が来たのでベッドへ。
 夕べの話の中で、下手な人に刺されるとずっと痛いなんて話をしていたし、久々の献血なので少々びくついていたのですが、担当の看護婦さんは上手な人だったので助かりました。
 私は血圧が低いわけでもないのにどういうわけか献血するときは普通の人の倍近くかかります。なのに今回はまるで200cc献血程度の時間で終わってしまいました。
「え、もう終わったんですか?いつもは出が悪くてえらく時間がかかるのに。本当に400ですか?」
「本当ですよ。夏だからじゃないですか?」
 驚いている私に、処理をしながら看護婦さんが答えてくれました。
 そう言うもんか?と思っていると、
「でも、あなたの血管、見つけるのに苦労する人もいるでしょう」
 さすが分かってらっしゃる。
「ええ、そうなんですよ。新人看護婦さんだと見つけきれないことがあるんですよ」
 しかし…こう言うせりふが出ると言うことは、何ら苦労せずに見つけたように感じていたこの看護婦さんも探すのに手間取ったのでしょうか。
「あなたのは少しずれてるから、見つけづらいんでしょうね」
 はじめて知りました、私の血管がずれているとは。

 ということで献血呼び込みのオジサンたちにえらく感謝されて献血会場を後にした私は駅構内の観光案内所に行き、奈良市の地図を入手。残念ながら奈良県の地図はないんだそうで。
 駅前商店街では祭りと24時間テレビが重なって大騒ぎになっていましたが、奈良周辺は泊まれそうな場所がないのでパス。
 50kmほど南下してやっと和歌山まであと数kmと言う五條に到達しました。ほんの少し先、峠のようなところを越えると和歌山県橋本市です。
 が、このときすでに19時ほど。ということで地図で確認してあった運動公園へ。しかしここは入り口が閉ざされていて簡単には入れそうもありません。しかも目の前に誰か乗っているかも分からない車が1台止まっているので無理に乗り越えて入ることもしたくないところ。
 しかし、いまさら別の場所を探す気にもなれず、車が立ち去ってくれたのですぐに中に入って球場の外野ベンチに当る草原で就寝としました。
....つづく
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