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−−−  70日目(8/23)  −−−
積算距離:7154.4km
最高速度:55.4km/h
走行距離:84.85km/day

 ゆべは五條の街中で盆踊りがあったようです。ちゃんちきおけさと月が出ただけを何回も繰り返してました。と言っても、途中で私は寝たので後のことは知りませんが。
 朝は5時に目が覚めたのは寒かったから。蚊が少々いたんですが、食われることもなく、虫除けスプレーを軽く吹き付けただけでいなくなりました。
 寒さの原因は夜露。寝袋がぐっしょりとぬれていました。
 乾かせるほどに陽が昇るのを待っていたら高野山へ登る時間が遅れてしまう。と言うことで迷うことなく寝袋をタオルで拭いて出発しました。
 橋本へは山1つ越えたところ。と言ってもそんなにきつくはなく、本当に十数kmで橋本駅に着きました。
 この橋本駅は南海鉄道とJRが改札口を含め全てを共用しています。知らないとちょっと迷うかもしれません。
 私は窓口で輪行できるかを聞いたついでに聞いたので迷いませんでしたが。
 で、南海鉄道が輪行出来るかどうかですが、結論から言えば出来ます。ただし、別料金を支払って。
「輪行って出来ますか?」
「輪行って何?」
「…自転車をばらして袋に入れて電車に乗せたいんですけど」
「袋に入れるなら普通手回り品切符を買えば出来るよ」
 で、その普通手回り品切符はどこまで行っても同一料金で270円、なんと自販機で買えます。私の分は810円。ということで切符を購入して駅構内へ。
 6時54分発の電車に乗りました。途中でケーブルカーに乗り換えて1時間かけてやっと高野山に到着。
 線路の隣には谷、その向こうに車道が見えたんですが、なるほどこんな道を自転車で登ろうとしたら1日程度の工程では多分無理でしょう。
 さらにケーブルカーの傾斜などとんでもないです。電車が開通するまでにえらい苦労があったそうですが、納得できます。
 と言うことで迷わず電車にして正解だったようです。いろいろな人から高野山は自転車では無理だ、と言われていたのですがその理由も納得できました。
 いろいろと感慨深い思いをしながら到着した高野山駅。駅から徒歩で行く人は少ないようで、そのための設備がないのはちょっとつらいです。降り立ったらとにかくバスかタクシーのみ、という雰囲気。
 それでも私は駅前で自転車を組んで、水を汲んで出発準備。
 本当なら高野山のガイドになるような地図が欲しかったんですが、駅構内の案内所は朝早すぎたためにまだ閉まっていて利用できませんでした。
 諦めて駅前の広場をざっと見ると…道が2本あります。1本は方向から考えると高野山の中央付近への近道のようですが、バス専用道となっていて自転車は入れそうもありません。もう1本は下っているような道なので出来れば通りたくなかったのですがその道しかないんです。素直に諦めて下りのような道へ進みました。
 すると予想通りの下り。途中分岐があり、無視して前進するとやっと登りになりました。で、しばらく行くと高野山の入り口である大門に到着。大門の脇を通って中に入ってみると、イメージとかけ離れていることに驚かされます。
 高野山と言うと修行の場、というイメージがあるのですが…いえ、実際には今でも修行の場なのでしょうが、標高が高いだけで他は普通の町並みと何ら変わりがありません。
 私はこの日のために大事にしまっておいた88ヶ所の納経を済ませた納経帖を取り出して1つ目の納経所に向かいました。
 続いて2ヶ所目。これで全てが終わりです。納経帖を大事にしまって高野山の観光に切り替えました。
 しかし納経をしてもらって思ったこと。高野山の坊さまたちは気にはならない程度ながらも高飛車な輩が多いようです。
 数時間を掛けてあちこちのただで入れる寺を巡り終えて高野山を出発しました。

 大門から山を下り、朝見かけた分岐から下りに向けて更に降下。そう、降下です。結構急なくだりが延々続きます。これは間違いなく登れなかったでしょう。やはり止めて正解でした。
 などと思いながら下っていると、ただ下っているだけなのに極端に体力を奪われます。それほどにきつい坂が延々と続いているわけですね。そろそろ終わりかなと思ってもまだ下る。まだまだ下る。まだまだまだ下る。下りで疲れて休憩したのはこれが始めてです。
 やっとの思いで橋本にまで戻ると再度一休み。そこで改めてルートのチェック。五條まで戻るのは間違いないことですが、そこからどうするか。まっすぐ東へ行くのも面白そうですが、紀伊の一番つらい横断になりそうです。
 ということはやはり一旦北上して…しかし奈良まで戻っては意味がない。ということで橿原市から165号で東へ向かうか、天理市から25号で東へ行くか。
 ルート的には25号を延々といったほうが楽なんですが、それでは面白みがないと言うことで165号へ入ることに決定。
 さらに本屋に入って詳細をチェック。165号沿いで公園があるところをチェック。桜井市に目標を決めました。
 本当はもう少し進めそうだったのですが、名古屋の知人A氏と会う都合で急ぐことはないことが分かりゆっくり行くことにしたんです。
 桜井市の運動公園は165号から2kmほど離れていますが離れていますが離れていますが寝ることの出来る場所はそこそこあります。
 寝床探しのついでに水飲み場があったので空になったペットボトルを持って近づきました。すると、さきに水を飲んでいた老人が、
「ここの水はぬるいよ」
 確かにしばらく水を出しっぱなしにしていてもぬるい。まぁ仕方ないです。ぬるい水を汲んで、老人としばらく話しをしました。
 私は旅の話し、老人は戦時中の話し。結構面白く聞かせてもらいました。
 老人と別れて私は公園内の寝床探しをを再開しました。が、ここで気付きました。場所がいいだけにホームレスが結構います。これはちょっとつらいか。でもま、最悪でも球場のベンチで強引に寝られるだろうということで決定。
 近くのスーパーで食料を確保して寝る準備。していたらホームレス数人が私のそばに来てしまったので、イヤな予感がして私のほうから立ち去りました。
 場所がいいからなぁと思いながらホームレスがまず利用しなさそうな駐車場側に回って、その脇にある東屋に寝床を決めて就寝としました。
....つづく
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