1996年9月14日
カリマバード〜クンジュラフ峠〜タシクルガン


    
朝焼けの山
朝焼けの光り輝く山
ちょっと色が飛んでますけれど
あえて掲載
  

 朝、今日こそ大丈夫かもしれないと、また、5時に起床。結局今日は、すこしピンク色に染まるのが見えたけれど、想像していたのより小規模だった。朝になったら電気がついたので、荷物のパッキングは明るいところですることが出来た。結局、水が濁っているので洗濯はできなかった。今朝からぐっとだるさが増している。高度のせいか、風邪のせいかはよくわからない。食欲も落ち、何となく不調だ。
 朝食後、また、ジープでカリマバードからおりてバスに乗り換え、クンジュラフ峠を目指す。カリマバードから76キロいったところのスストに出入国管理事務所がある。ここを出てからは、いわゆる国境地帯である。出入国管理事務所へ行く前に、PTDCのホテルでランチボックスを受け取った。ちょうど、峠の手前あたりでお昼ご飯になる予定だからだ。
 管理事務所で出国手続きをして、で、PTDCの国境バスに乗り換えた。ガイドさんとイスラマバードから乗ってきたバスとはここでお別れだった。いいガイドさんで本当に楽しかったとお礼を言って別れた。
 スストからクンジュラフまでは80キロ。途中で、先ほど受け取ってきたランチボックスと旅行会社が用意してくれた、パックごとお湯の中で暖めるレトルトのお赤飯でお昼だ。朝、ホテルを出発する前に暖めてもらったものを、保温容器にいれて持ってきていたらしかった。道に沿って流れているバラ・フーン(Bara khun)川が道を横切っているところでバスをおり、川のほとりで、それぞれに居心地のいい岩のいすや、小石の広場を見つけてまず、食事の場を確保した。私は、熱がかなり出てきているのか、食欲がなかったが、それでも何とか食事をとろうと努力してみた。ランチボックスの中は、牛のゆで肉のかたまり、ゆでたまご、キュウリが一つに、ジュースとクッキーとあめ玉だった。
 クンジュラフ峠は、よく写真で見るあの石碑がたっていて、みんなお約束の記念写真撮影をした。ここで、パキスタンから中国にはいるわけだ。もし石碑がなかったら、今までと同じ山道で、いつ中国に入ったかわからないくらいだった。
 峠から中国側に50キロほど下ったところに国境事務所があり、私は個人ビザだったので、自分で入国手続きをした。さらにキロほど走ってタシクルガンについた。 
 タシクルガンのパミールホテルで、予定どおり、カシュガルで8月に予約しておいたチャーターカーのドライバーとガイドには会えたので一安心した。
 夕方には37.4度の熱だった。あまり大したことはないが、大事をとってお風呂には入らず(これで3日入っていないことになるが)早めに休んだ。

シャングリラ日記
山の姿
カラコルムハイウェー
から見た
バツゥーラ山群
 ランチボックスが運ばれてくるのを待つ間に、バスの周りで何となく時間をつぶしていたら、道を隔てたお店にきれいな30センチ立方くらいのピンク色の岩が積み上げられている。まるでバラ水晶(ローズクォーツ)のようなきれいな色である。近寄っていって、店にいたおじさん二人に英語で話しかけたが通じないので、ただ、「ソルト?」と聞いたら大きく頷いて、身振り手振りでなめてみろという。小さな小さなかけらを拾ってなめてみたが、なるほどすごくしょっぱかった。思いっきり、「とてもしょっぱい」の顔をしたら、おじさん達は大笑いしている。なんだか、パキスタンの言葉の単語をくり返しているので、たぶん塩という意味だと思ったけれど、私には記憶出来なかった。手近にあった、10センチX5センチくらいのかけらを拾ってもらってもいいかとジェスチャーすると、年取った方のおじさんが、手を大きく振りながら店から出てきたので、「あ、だめみたい」と思ってそのかけらを下に置いた。ところがおじさんは、ハンマーの様なものを持っていて、いきなり近くにあった岩塩のブロックをたたいて、もっと大きくて、きれいなかけらをつくって、それを3個もくれたのだった。というのは、本当に薄ピンクの半透明の結晶のような部分と原液を泡立てて白っぽくして固めたような部分と同じ岩塩のブロックでも色が違うのだ。おじさんはもっとぶっかいてくれようとしたけれど、私は登山者ではないので(この巨体、見ればわかるか)必要ないし、第一ここはどうも塩屋のようで、つまりおじさんがうれしそうにぶっかいているのは商品なのだから、そうそう好意にも甘えられない。あわてて、おじさんを止めて、それ以上の損失を発生させるのをやめてもらった。そのあと少し、単語の羅列とジェスチャーで会話をした。これからクンジュラフを越えること、今晩はタシクルガンで泊まること、日本から来たこと、バスに乗っていること。何か一つ伝わるたびに、そうかそうかと喜んでくれる。しかし、バスの出発時間も気になったので、お別れに合掌して深々と頭を下げてお店を後にした。
 ところが、同じツアーの人たちにもらった岩塩のかけらを見せたら、みんなわらわらともらいにいってしまい、結局、おじさんはにこにことみんなにぶっかいてくれたようだった。バスに乗りこむ前に、もう一度お店の前の道反対まで走っていって頭を下げたら、おじさん達は、お店の外まで出てきてバスを見送ってくれた。

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