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歯周病は病気なのか?(歯周病に対する考え方)--口臭を起こさず歯医者に歯を抜かれないために

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歯周的問題と口臭
   

歯周病は病気なのか?(歯周病に対する考え方)
--口臭を起こさず歯医者に歯を抜かれないために--

名前:じん 12/14(金)02:05
解答ありがとうございました。
歯周病は完全に完治するものではないということですが、どういった意味でしょうか?
それは健康な歯の方もみんなもっているというとらえ方でいいんでしょうか?
歯槽膿漏に一回なってしまった私は歯周病になりやすいということですか?
話は変わりますが歯医者での専門的な治療が必要とのことですが、歯医者さんにはとりあえず歯槽膿漏の治療は終わりといわれ、いつ行っていいかわかりません。
また何かおかしな所があればきてくださいと言われます。
私の行って欲しい治療が行われているのか疑問です。
歯槽膿漏に一度なると口臭を完全に治すのはそうとうむずかしいとことなんでしょうか?

歯周病は病気なのか?(歯周病に対する考え方)--口臭を起こさず歯医者に歯を抜かれないために 名前:HONDA 12/15(土)03:09
>歯周病は完全に完治するものではないということですが、どういった意味でしょうか?

この質問はとてもよい質問です。歯周病の病態をよく理解することです。大切な考え方なので細菌学的な話を分かりやすくしてみましょう。
歯周病はほかの病気とは全く異なるものです。例えば、コレラという病気(腸管感染症)は、コレラ菌という普段人間の体内には決していない病原菌が、口から取り込まれて、通常は胃などで殺菌され問題ないことが多いのですが、大量に汚染した食べ物などを介して腸管にたどり着き、そこで定着した後に増殖を繰り返し、その毒素によって腸管壁が壊滅的な打撃をこうむり、下痢が発生し体の水分が全部出てしまい、最終的に脱水症状を引き起こして体内のイオンバランスを失い死にいたります。病原菌が口から入ったとしても、この定着という現象と、増殖が起こらない限りは感染を受けることはありません。
したがって、初期の段階で抗生物質などによって、コレラ菌を撲滅すれば急性大腸炎は完治します。あるいは、定着したり増殖するメカニズムをブロックできれば発症しません。

しかし、同じようにして細菌感染によって引き起こされてしまう、歯周病の場合は、コレラ菌のように外界から進入したものではなくその原因となる歯周菌は元々口の中に自分自身の味方の菌として共生している常在細菌なのです。
人間以外の動物の場合は、うまく共生が働き、嫌気性菌である歯周菌が口の中に定着しているために、外部から食事から取り込まれる非常に危険な嫌気性菌群から身を守っています。
歯周菌は哺乳動物(人間も同じですが・・)では、歯の周りに定着する代わりに毒素も出すので、歯の周りの組織や骨を破壊していきますが、そうすると歯が抜けてしまうので変わりに菌側は歯石を作って歯を抜けないように、喪失した骨の代わりを果たしています。歯が抜けてしまっては、自分たち(歯周菌たち)も住家を失い都合が悪いからです。
では、どうして、一般の動物は歯周病に陥らないのでしょうか?理由は、歯周病に陥る前に寿命がやってくるからです。もし野生動物で、歯を失うと致命的になります。したがって、野生動物は歯石まみれであるにもかかわらず終生人間のように歯を失うことはありません。
例外は、人間に飼われているペットの犬や猫です。彼らは人間と同じ宿命を背負うからです。不自然な食べ物と、異常に発達した医学のせいで、不自然に長生きするためです。

自然寿命以上に生きていく場合、この歯周菌の作り出す、本来は両者(宿主と歯周菌)にとって必要であった歯石のせいで、歯肉や骨が破壊され歯を失う羽目になります。その途中の状態が「歯周病」と言われる病的な状態です。
したがって、一度は病的状態を克服しても、その後も、歯周菌は常在細菌として存在するし、老化によって免疫力は低下していくので、一時的に病的状態が克服できたとしても、そのままでは、また再び病的状態(歯周病)に陥いる運命にあります。歯周病の治療後は、専門的な管理を続けていかない限り、再び歯周病になりやすいのです。

昔、ブッシュマン(アフリカ原住民)のニカウ氏が日本にきたことがあります。ブッシュマンはアフリカで今も近代医学の恩恵を受けない原始的生活をしている野生人と考えていいでしょう。ニカウ氏の歯にはたくさん歯石が付着していました。日本の歯医者、確か、大学の歯周病の専門医であったと思います。おせっかいにも、ニカウ氏の歯石を全部取り除いたのです。かれは、歯石があっても十分健康な咀嚼に耐える歯を保っていました。しかし、帰国後かれの歯は全て動揺してしまい歯が抜けてしまったそうです。もちろん、日本に来るまでは、そして、その歯周専門医のおせっかいに遭遇するまでは食べることができていた食事も、その後は食べれなくなってしまいました。小さなおせっかい大きな迷惑です。

おせっかいな日本の歯周病専門医のおかげで、かれは、歯抜けになって生活の質の低下を招いたことになります。この事実は、生活の状態によっては歯石は、本来的には自然の摂理として生物学的には有用なものとして存在していたことの証拠です。また、過去の原始人の化石でも現在の日本人とは比較にならないほど歯があった事実も、その時代には歯石を取り除く習慣や歯を抜く歯医者がいなかった事と必要以上に長生きしなかったことが大きな理由です。
しかし、文明国に住み、自然寿命の2倍も行き続ける我々は、本来の自然寿命である35歳を過ぎれば、人為的に歯石を除去し続けなかれば、何回も歯周病に陥り放置すれば歯を喪失したり抜きたがりの歯医者に抜かれてしまう可能性が高くなります。その代わり高価なインプラントを打ち込まれる羽目になります。インプラントは進んだ高度な医学ではなく、インプラントが進めば進むほど歯を抜かれる羽目になるのです。インプラントしない歯科治療を目指すことが、高度な医学であり質の高い理念です。そうならないようにすることが、予防の概念であり、歯周病は必然であって病気ではないという概念です。病気ならば、完治して再発しないはずですが、歯周病は完治しても予防しない限りは再発してしまう運命です。

題名:RE: 名前:HONDA 12/15(土)03:25
>それは健康な歯の方もみんなもっているというとらえ方でいいんでしょうか?

歯磨き鉄人教室 と さるでも分かる歯肉炎と歯周炎 および なぜ歯周病になるのを参照してみてください。

健康な人の口の中にも常在細菌として存在し年齢と共に増加していきます。逆に口腔内免疫は年齢と共に低下していきます。

免疫が著しく低下したり、手入れが悪くて歯周菌が増えていくと、歯周病を引き起こします。また、治しても再び病的状況になるチャンスはいつもあります。

このようにして、自分の内部の菌によって、病的になっていく場合は他の感染とは異なり、日和見感染と呼ばれてています。歯周菌は常に宿主の状態によって病原菌にもなりうるのです。いつも、宿主の隙をうかがっているのです。だから、歯周菌に隙を与えないようにすること(予防管理)が大切です。

>歯医者さんにはとりあえず歯槽膿漏の治療は終わりといわれ、いつ行っていいかわかりません。

おそらく、その先生には歯周病に対する概念や予防の概念が無いのかもしれません。でもとりあえず、病的状況は克服できていると言うことではないでしょうか?現在の保険制度では予防は保険適応になっていないし、保険では歯を抜けば抜くほど儲かるような点数配分になっています。自分で勉強して自分の意思で歯科医を訪ねて、良い状態の時にメインテナンスしていけばいいと思います。自分の歯は自分で守ることが大切です。

>私の行って欲しい治療が行われているのか疑問です。

とく歯科医に希望を伝えて相談していくことです。また、患者自身がよく勉強して知識を持てばやりにくい患者として、丁寧に見てくれるでしょう。無知な患者は歯医者の言いなりになるしかないでしょう。

>歯槽膿漏に一度なると口臭を完全に治すのはそうとうむずかしいとことなんでしょうか?

完治させた後に、管理を行うことが大切であるのと、なぜ、歯周病が起こったのかについての原因(多くは、ストレスであったり、生活習慣的要因が関与します。)を改善していくことです。

歯周病も、糖尿病や癌と同じように生活習慣病的要因が大きいのです。



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